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設定とか7

9月も中旬なので、ウェブはくしゅのお礼画面6-10を更新しました。
最近寒いんですが秋はどこに行ったのでしょうか。

星蓮船のキャラをそろそろ書くべきだろうか。


というわけで昔上げてた奴のまとめ。







『6.チルノ姉さん、と誰かが言った。ちっさくを思い出した。姉の友達っていいポジションだよねという話』


「よう、宿題は済ませたか?」
「……久し振り。あと、もう僕はそんな歳じゃないよ」
「ああ、そうか。そうだったな」


 霖之助は木の上から自分を見下ろしてくる妖精に、苦笑して答えた。


「変わらないね、チルノ姉さん」
「妖精だからな」
「妖精はそんな喋り方しないよ」
「ふん、一丁前の口をきくようになったじゃないか」
「おかげさまでね」


 チルノは組んでいた足をほどき、霖之助の眼前に舞い降りる。
 子供ほどの背丈。
 霖之助の半分ほどの身長しかない。

 それでもやはり大きく見えるのは……彼女の人となり、だろうか。

 自然の具現たる妖精に成長や寿命の概念はない。
 しかしそもそも、氷精とは何か。

 氷とは自然が見せる寒さのひとつの形体でしかない。
 寒さと水分があること前提であり、それなしには存在できない……はずである。
 なのにチルノはチルノとして存在し、氷を作り出す……つまり水も支配に置いている。
 これは何を意味するのかは……考えてもわからなかった。
 わからない事は考えない。
 それでも、チルノが普通の妖精と少し変わっていることだけはよくわかっていた。


「おい、霖」
「……何?」
「人前で考え事に浸るなと言ってるだろ」
「ああ……ごめん」
「ふん」


 謝った霖之助に満足したのか、チルノはぶっきらぼうに彼の頭に手を置く。
 あくまで威厳を見せたいのか、霖之助の前でチルノはあまり飛ばない。
 そのため撫でられるためにはかなり腰を落とす必要があるが……。


「……変わらないね」
「妖精だからな」


 変わらない距離感。
 そもそも霖之助がチルノを姉と呼びだしたのはもう何年前のことだろう。


「ところで今日は?」
「ああ。今日はお前に見合いの話を……





『7.秋姉妹ルートのはずがゆうかりんに』


「……まずいな」


 霖之助は困っていた。

 今年の夏は明らかにおかしい。
 異常気象というやつだ。

 ……これが異変だったら霊夢や魔理沙に解決してもらうのだが、
いまだに霊夢が動いていないところを見るとどうやらそうそう解決できるものでもないようだ。

 まあ、出来ないものは仕方がない。
 それより問題は……。


「……うん。まずくはないが、このままだとまずいな……」


 霖之助は裏庭で出来たトマトを囓りながら、腕を組んで考える。

 あまり食事を必要としないからこそたまの食事にはとことんこだわりたい霖之助は、
香霖堂の裏庭で家庭菜園のレベルを超えた農場を持っていた。

 長期的な気候の変化は作物にダイレクトに影響を与えてしまう。
 このままでは収穫に問題が出てしまうことは間違いないだろう。

 外の世界にあるらしいビニールハウスでもあれば話は別なのだが、ないものをねだっても仕方がない。

 水、肥料、日当たり加減に害虫、害獣の駆除。
 打てる手は打った。
 人事を尽くして天命を待つ。

 あとは……。


「神頼みでもすることにしよう」





「それで私たちのところに来たの?」
「わざわざ、こんなところまで?」
「ああ。やることはやっておかないとね」
「なかなか感心な心がけね。いいわ、手伝ってあげる」
「ああ、助かるよ」


 霖之助は妖怪の山で出会ったふたり組みの少女に事情を説明していた。

 妖怪の山には何度も来たことがあるのだが、いまだにその全貌を把握できていない。
 ましてや神と言えば、おいそれと姿を現すものではない……だろう。一部を除いて。


「じゃあ早速だが、このあたりに豊穣の神がいるはずなんだが、案内してくれないか?」
「……へ?」
「ん……?」
「霊夢の話だと山に入ってすぐのところにいるらしいんだが……うん? どうしたんだい」


 目の前の少女たちの機嫌がみるみるうちに悪くなっていく。
 その時になってようやく、霖之助は地雷を踏んでしまったことに気が付いた。


「私が! その神よ!」





「店主! 植物のことで悩んでると聞いて来たんだけど」


 幽香は香霖堂のドアを蹴破る勢いで開け放った。
 ……しかし店内を見渡しても誰もいない。


「……あれ? 植物と言えば私のところに来ると思ったのに……」




『8.下書き。お盆なので……続きは未定』


「店主さんは」


 妖夢は口を開きかけ……やめた。
 霖之助が反応をしなかったせいだろうか。

 少し残念そうな顔を見せると、再び店の掃除に戻る。

 今日もまた、妖夢は店の手伝いをさせられていた。
 今回の原因は……いや、大した理由ではなかった気もする。


「なんだい?」


 霖之助は促すように聞き返した。

 本を読んでいたとしても店にいる人物の動きくらいは把握できる。
 そうしないと商品がいつの間にか無くなってしまうから、必要に迫られて身につけた能力だった。

 ……ただ面倒だから反応しなかっただけで。
 それに、別に手を動かしていれば口を動かそうが咎めはしないのだが。


「ああいえ。あの。店主さんは、会いたい人とかいないんですか>」
「……すまないが、話しが見えないな」
「あ、そうですね、ごめんなさい。えっと、死に別れた人と、もう一度会えるとしたら……会いたい人とかいないんですか?」
「ふむ」


 霖之助は腕を組んで思案にふける。

 死に別れた……会えなくなった相手は多い。
 だがその人ともう一度会うよりは、次の転生を待ちたいと思う。
 自分なら、それが出来るから。

 ……実際、そう約束している人物もいることだし。


「特にいない、かな」
「そうですか」


 妖夢は大して気にした様子もなく、頷いた。
 彼女にとって、この質問の内容はどうでもよかったのかもしれない。


「ところでどうしてそんなことを?」
「あの、店主さんはお盆どうするのかな、と」
「……お盆かい?」
「はい。お盆はお客なんて来ないでしょうし……いつもですけど」
「最後のは余計だよ」


 相変わらず一言多い妖夢に、霖之助は苦笑を漏らす。

 すっかり妖夢の手は止まっていたが、ちょうどいい機会なので休憩することにした。
 霖之助はふたり分のお茶を用意し、妖夢に席を勧める。


「そうだね……この時期は無縁塚も騒がしいだろうし。
 いつも通り、のんびりと商売をすることにすると思う」
「それってつまり、なにもしないってことですよね」
「…………」


 確かにそうなのかもしれないが、はっきり言われると釈然としないものがある。
 これでも真面目に商売をしようとしているつもりではあるというのに。


「あの、だったら白玉楼にいらっしゃいませんか?」
「……と言うと、冥界かい?」
「はい。お盆の時期は冥界も寂しくなりますので……」





『9.夏こそレティ』


「ねぇ、まーだー?」


 レティはドア越しに声をかけた。
 しかし反応はない。


「もぅ。待ってるからねー?」


 待つのは嫌いではない。
 毎年毎年、半年以上冬が来るのを待ち続けているのだ。
 たかが数時間、たかが数日である。


「外はこんなに寒いのに」


 きっと彼は、暖かい部屋でぬくぬくと本でも読んでいることだろう。
 それなら我慢比べだ。
 季節は冬。
 ここにいて彼を待っているだけで、レティは楽しいのだから。





 まさか雪女が凍死したりすることはないだろう。
 こればかりはあり得ないと言い切れる。
 万が一さえあり得ない。

 ……だけど、やはり気になってしまうのも事実。
 否。遠目から見たら店先で凍死しているように見えると困るからだ。


「待っていると言った割に、決まった時間に寝るんだからな」


 抜けているというかなんというか。
 霖之助はレティに羽織っていた上着を被せ、苦笑をひとつ。

 さて、あまり時間はない、
 彼女が起きる前に用事を済ませ、また部屋で本を読むことにでもしよう。





「冬が待ち遠しいわぁー」


 香霖堂の裏手にある氷室で、そんな声が響いた。


「君にはここの寒気を保っておくという使命があるだろう?」
「私が操るのはどっちかというと心に染みる方の寒気なんだけどー」


 一年通して氷を保存することはきちんとした設備でないと難しい。
 しかし氷精や魔法使いから分けてもらった氷をしばらく保存する方法ならいくつかある。
 霖之助はやっているのは、その中のひとつだった。


「そうか。でももうしばらくは頼むよ」
「どこいくのー?」
「買い物だよ。何かいるものはあるかい? お代は貰うがね」
「けちー」


 霖之助はレティに苦笑を帰すと、出口に向かって歩き出した。
 その背中に、彼女は声をかける。


「ねぇねぇ」
「……なんだい」
「今日は出かけるとき、上着くれないのー?」





『10.無題』


「いい年してお前の膝になんか乗ってられるか」
「そうか」
「ああ、そうだぜ」
「……しかしどうしていきなりそんなことを?」
「ねぇ、そんなのいいから早く次のページめくってよ」


 そんなの呼ばわりされ、魔理沙はますます眉根を吊り上げる。
 霖之助の膝の上には、以前霊夢から本を奪われた妖怪の少女が座っていた。

 以来何度となく本を取り返そうと香霖堂に押しかけてきたのだが、
いつの間にか読書仲間になって香霖堂に居座るようになっていた。


「ああ、わかった」
「あ、ねぇ、ここってさ、この前話してた……」


 彼女は霖之助の長話も読書の一環と考えているようで、魔理沙たちのように嫌な顔や逃げたりすることもない。
 霖之助のほうもそんな彼女を気に入っているらしく、最近長くなりそうな話は最初から彼女相手にするようになっていた。

 ……面倒がなくていい。
 そう思っているはずなのに。

 それが何となく、魔理沙には気に入らなかった。


「……もらうからな」


 魔理沙はわざと行儀悪く、霖之助の前にあった煎餅を掴み音を立てて頬張る。

 たしなめられることを覚悟の上だ。
 むしろ望んでいたのかもしれない。
 しかし。


「ここの式の変形ってどうするの?」
「これはね……」


 ふたりは気づいていない、むしろ目に入っていないのかもしれない。

 魔理沙は立ち上がり、無言でふたりに近づいていく。
 そして……思い切り力をためたヒップアタックを彼女にぶつけた。


「おい泥棒」
「いたた……なによ、泥棒はあんたたちでしょ!」
「うるさい! 人のものを取るのが泥棒だ」


 魔理沙は彼女に密着し、睨み合う。


「どうでもいいが、人の膝の上で暴れないでほしいんだがね……」




『欠番.病みさとりの話。お礼に使う内容ではなかったので』


「ねえさとり様」
「何かしら、お燐。……そう、お空の様子が変なの」
「うん。最近よく地上に遊びに行ってるみたいだけど、なんか帰ってきてからもニヤニヤしてるし、たまに赤くなってごろごろしてるし。
 まるで……」
「まるで、好きな人でも出来たみたい?」
「そうなんですよ、さとり様。
 別にそれはそれでいいんですけど、付き合い悪いのはちょっと……」
「あら? 友人を祝福してあげないのかしら?」
「しますよー。しますけど女の友情ってやっぱり恋人以下なんですかねぇ」
「友人をそんな風に言うものじゃないわ。
 すぐに昔みたいに戻れるわよ。……すぐにね」
「だといいんですけど。
 なんか帰ってきてからも部屋でじっとしてること多いみたいですし。
 具合でも悪いのか聞いてみたんですけどむしろ調子はいいって言うんですよ。
 なのに動けないなんて何かあるのかなあ」
「そうね。……何かあったんでしょうね」
「それになんか、あんなに好きだったゆで卵を食べなくなっちゃったし。
 ところで、さっきから何やってるんですか?」
「……ねえ、お燐。バロットっていう料理、知ってるかしら?」


(注:バロットは孵化直前の卵を茹でたもの。かなりグロいので画像を検索しないことをお勧め)

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