幽霊ルート
子育て搾乳シリーズ。
どうやったら搾乳できるかというウフフスレでの話題で、そういう病気と薬の話が出ました。
ここまでテンプレ。
萃香の後に書こうと思ったのが妖夢、次がレミフラってあたりがもうアレですよね。
そうアレ。正義ですよね。
霖之助 妖夢 幽々子
珍しく、冥界のお嬢様が香霖堂にやってきた。
妖夢は彼女の脇を固めるように、油断無く周囲に視線を送っている。
しかしどこかきょろきょろと落ち着きがないように見えてしまうのは、やはりまだまだ幼いと言うことだろう。
そんなふたりを眺めつつ、霖之助は疑問を口にした。
「僕が死んだら、君たちのところに世話になるのかな」
「そうねぇ~。さんざん彷徨って、記憶も姿もなくした上で物言わぬ霊になってから、だと思うけど」
「姿を保ったまま冥界に来るのは、よほど特殊な場合だけですからね」
補足するように、妖夢が続ける。
なるほど、目の前のお嬢様はその特殊な幽霊ということか。
いや、彼女は亡霊だから違うのかもしれないが。
「どなたか、死ぬ予定でもあるんですか?」
「ああ、僕がちょっとね。どうやら病気らしくて」
「……えええ!?」
「うんうん、そうみたいねぇ」
驚いている妖夢と対照的に、何故か嬉しそうな幽々子。
もしかしたらわかっててここにやってきたのかもしれない。
「でも、治療法も用意してあるんでしょう~?」
「あるんですか? ならいいじゃないですか」
「あるにはあるんだが……」
霖之助は竹林の医者から貰った薬を取り出した。
時戻しの薬と疑似妊娠薬。
そしてふたりに説明する。
曰く、時戻しの薬で子供に戻り、この薬を飲んだ女性に母乳を提供してもらうこと。
期間は最長一年。
「……無茶苦茶ですね」
「ああ、僕もそう思う。これをくれた薬師には土下座して頼み込めと言われたよ」
「じゃあ、土下座なさい」
突然の言葉。
いつも通り、にこやかな幽々子の表情。
しかしその目は一片たりとも笑っていない。
「簡単でしょう?
貴方が今、この場で土下座すれば助けてあげると言ってるの」
「幽々子様」
「妖夢は黙っていなさい」
ぴしゃりと言い放つ幽々子に、口をつぐむ妖夢。
そしてじっと霖之助を見つめてきた。
霖之助はしばらく考え……。
やがて立ち上がり、床に膝をついた。
「霖之助さん……」
妖夢が心配そうに見守る中。
……霖之助は、ひとつの決断を下す。
「……やめた」
「いいの? 死ぬわよ?」
「なんとかしてそれまでに姿を保ったまま冥界に行く方法を考えるよ。
多分この方法より簡単なはずだ」
「あらあら、迷惑な来訪予告だわ」
そう言って、幽々子は笑う。
妖夢にお酒を用意してもらわないとねぇ~と従者に視線を送り……。
「だ、ダメです! 冥界はそんな簡単に来ていい場所じゃありません!」
遮るような妖夢の叫び。
そしてやっぱり、幽々子は楽しそうに微笑んでいた。
「それじゃあ妖夢がこの人にお乳をあげるのかしら~?」
「え? その……」
「幽々子、そんな無茶を……」
霖之助の言葉にムッとした表情を浮かべる妖夢。
ひとつ心を落ち着かせるように深呼吸。
そして、霖之助を真っ直ぐに見つめ、言った。
「……はい!」
「やれやれ、結局また妖夢の教育係になってしまうとは。
しかも僕自身が教材になってしまうなんて」
「……幽々子様、なんですかそれ」
「うん~? ものまねよぉ~」
今のは霖之助なのだろうか。
まったく似ていないというか似せる気もない主人の言動に、妖夢はため息を吐いた。
そもそもそれを言うなら代弁者ではないのか。
「この俺様がまるで赤ん坊扱いじゃないか」
「幽々子様……」
もはやものまねですらなくなってきた。
「いいじゃない。最近妖夢が構ってくれないんだもの~」
「授乳中に動けるわけ無いじゃないですか」
上半身をはだけさせた妖夢の姿。
腕の中には赤ん坊に戻った霖之助。
そんなふたりを見て、幽々子がぽつりと呟いた。
「飲みにくそうねぇ」
「ほっといてください!」
怒鳴り、ため息を吐く。
霖之助が満足したように妖夢から口を離したのを確認し……しばし待つ。
「……幽々子さまぁ~。霖之助さんがなかなかもげっぷしてくれません……」
ややあって、泣きそうな声を上げた。
「妖夢のお乳がまずいんじゃないの? どれどれ~」
「やめてくださいったら、幽々子様」
「もう、抱き方が悪いのよ」
言って、幽々子は霖之助を取り上げる。
幽々子の腕の中……というか胸の中で安心したような表情を浮かべる彼に、妖夢は嫉妬のこもった視線を向けた。
「子供を育てれば少しは成長するかと思ったけど、まだまだねぇ~」
まあ、まだまだこれからだ。
焦ることはない。
そう、これからなのだから。
「ねえ、妖夢」
「なんですか」
「100年経ったら、本物を抱かせてね」
どうやったら搾乳できるかというウフフスレでの話題で、そういう病気と薬の話が出ました。
ここまでテンプレ。
萃香の後に書こうと思ったのが妖夢、次がレミフラってあたりがもうアレですよね。
そうアレ。正義ですよね。
霖之助 妖夢 幽々子
珍しく、冥界のお嬢様が香霖堂にやってきた。
妖夢は彼女の脇を固めるように、油断無く周囲に視線を送っている。
しかしどこかきょろきょろと落ち着きがないように見えてしまうのは、やはりまだまだ幼いと言うことだろう。
そんなふたりを眺めつつ、霖之助は疑問を口にした。
「僕が死んだら、君たちのところに世話になるのかな」
「そうねぇ~。さんざん彷徨って、記憶も姿もなくした上で物言わぬ霊になってから、だと思うけど」
「姿を保ったまま冥界に来るのは、よほど特殊な場合だけですからね」
補足するように、妖夢が続ける。
なるほど、目の前のお嬢様はその特殊な幽霊ということか。
いや、彼女は亡霊だから違うのかもしれないが。
「どなたか、死ぬ予定でもあるんですか?」
「ああ、僕がちょっとね。どうやら病気らしくて」
「……えええ!?」
「うんうん、そうみたいねぇ」
驚いている妖夢と対照的に、何故か嬉しそうな幽々子。
もしかしたらわかっててここにやってきたのかもしれない。
「でも、治療法も用意してあるんでしょう~?」
「あるんですか? ならいいじゃないですか」
「あるにはあるんだが……」
霖之助は竹林の医者から貰った薬を取り出した。
時戻しの薬と疑似妊娠薬。
そしてふたりに説明する。
曰く、時戻しの薬で子供に戻り、この薬を飲んだ女性に母乳を提供してもらうこと。
期間は最長一年。
「……無茶苦茶ですね」
「ああ、僕もそう思う。これをくれた薬師には土下座して頼み込めと言われたよ」
「じゃあ、土下座なさい」
突然の言葉。
いつも通り、にこやかな幽々子の表情。
しかしその目は一片たりとも笑っていない。
「簡単でしょう?
貴方が今、この場で土下座すれば助けてあげると言ってるの」
「幽々子様」
「妖夢は黙っていなさい」
ぴしゃりと言い放つ幽々子に、口をつぐむ妖夢。
そしてじっと霖之助を見つめてきた。
霖之助はしばらく考え……。
やがて立ち上がり、床に膝をついた。
「霖之助さん……」
妖夢が心配そうに見守る中。
……霖之助は、ひとつの決断を下す。
「……やめた」
「いいの? 死ぬわよ?」
「なんとかしてそれまでに姿を保ったまま冥界に行く方法を考えるよ。
多分この方法より簡単なはずだ」
「あらあら、迷惑な来訪予告だわ」
そう言って、幽々子は笑う。
妖夢にお酒を用意してもらわないとねぇ~と従者に視線を送り……。
「だ、ダメです! 冥界はそんな簡単に来ていい場所じゃありません!」
遮るような妖夢の叫び。
そしてやっぱり、幽々子は楽しそうに微笑んでいた。
「それじゃあ妖夢がこの人にお乳をあげるのかしら~?」
「え? その……」
「幽々子、そんな無茶を……」
霖之助の言葉にムッとした表情を浮かべる妖夢。
ひとつ心を落ち着かせるように深呼吸。
そして、霖之助を真っ直ぐに見つめ、言った。
「……はい!」
「やれやれ、結局また妖夢の教育係になってしまうとは。
しかも僕自身が教材になってしまうなんて」
「……幽々子様、なんですかそれ」
「うん~? ものまねよぉ~」
今のは霖之助なのだろうか。
まったく似ていないというか似せる気もない主人の言動に、妖夢はため息を吐いた。
そもそもそれを言うなら代弁者ではないのか。
「この俺様がまるで赤ん坊扱いじゃないか」
「幽々子様……」
もはやものまねですらなくなってきた。
「いいじゃない。最近妖夢が構ってくれないんだもの~」
「授乳中に動けるわけ無いじゃないですか」
上半身をはだけさせた妖夢の姿。
腕の中には赤ん坊に戻った霖之助。
そんなふたりを見て、幽々子がぽつりと呟いた。
「飲みにくそうねぇ」
「ほっといてください!」
怒鳴り、ため息を吐く。
霖之助が満足したように妖夢から口を離したのを確認し……しばし待つ。
「……幽々子さまぁ~。霖之助さんがなかなかもげっぷしてくれません……」
ややあって、泣きそうな声を上げた。
「妖夢のお乳がまずいんじゃないの? どれどれ~」
「やめてくださいったら、幽々子様」
「もう、抱き方が悪いのよ」
言って、幽々子は霖之助を取り上げる。
幽々子の腕の中……というか胸の中で安心したような表情を浮かべる彼に、妖夢は嫉妬のこもった視線を向けた。
「子供を育てれば少しは成長するかと思ったけど、まだまだねぇ~」
まあ、まだまだこれからだ。
焦ることはない。
そう、これからなのだから。
「ねえ、妖夢」
「なんですか」
「100年経ったら、本物を抱かせてね」