子悪魔シリーズ番外『姉悪魔04』
『姉悪魔03』の続き。
とりあえずこのシリーズはそんな設定で。
またハzL.さんに挿絵を描いていただきました。
感謝感謝。ウフフ。
オリキャラ注意。
「そんなこんなで、お父様とさとりさん達は兄妹だったんですねぇ」
「……私の数百年の葛藤を、ただの一言でまとめないでくれないかしら」
さとりはティーカップをテーブルに置きながら、深くため息を吐いた。
小悪魔が用意した紅魔館特製紅茶。
普段コーヒー党のさとりも、この味は気に入ってるらしい。
さとりが3つの瞳で小悪魔を睨むと、斜め前の席に座っていたパチュリーが口を開く。
「そうよ。謝りなさい、小悪魔。私のおかげってことを付け加えておかないと」
「あらら、それもそうですね。これは失礼しました」
「いい性格してるわね、貴方」
「いや、僕を挟んで睨み合わないでほしいんだが」
霖之助は困ったような笑みを浮かべ、肩を竦めた。
さとりの正面、パチュリーの隣。
さらに逆隣に小悪魔が座っているので、まさに争いの渦中と言える位置である。
さっきまでさとりの隣にこいしが座っていたのだが、いつの間にかどこかに行ったようだ。
パチュリーはそんな彼の言葉にしばし考えると、改めて口を開く。
「兄嫁だから……お義姉さん、って呼んでもらっても構わないのよ?」
「謹んで遠慮させていただくわ、パチュリーさん」
さとりは首を振ると、再び紅茶を口に運んだ。
それから疲れたような表情で、ふたりを見比べる。
「毎回来る度その話題を振るのはそろそろやめて欲しいのだけど」
「えっ? てっきりネタ振りかと」
「どこの世界にそんな身体を張ってネタを振る人がいるのよ」
「それはもう、目の前に」
「……えっ?」
「その子の話は聞かなくていいわ」
話題を変えようと、パチュリーはさとりの顔に視線を固定した。
次に霖之助の顔を確認し、ひとつ頷く。
「異父兄妹だからかしら、あんまり似てないのよね」
「そうかしら。そう言えば似てるって言われたこと無いわね」
「性格は似てるけど」
「あらそう?」
「そうかい?」
「ええ。辺に理屈っぽいところとか。考えるだけで動かないところとか。
いざって時に動けなくて時間を浪費するところとか」
「それは貴方達が結婚するまでの期間を言ってるのかしら。
それとも、私が会いに来るまでの期間を言ってるのかしら。
……それにしても、よく見てるのね」
「夫婦だもの」
「念願でしたものね」
パチュリーの言葉を受け、小悪魔が微笑んだ。
幸せそうな彼女たちを見て、さとりは眩しそうに目を細める。
「兄妹、か」
地上に残った唯一の覚妖怪。
第三の目を持たない半端者。
……だったらしい。
道具の名称と用途を知るという霖之助の能力は、道具の気持ちになり、記憶を共有した結果を示していた。
つまりそれが覚妖怪の亜種である証明……という話しだった。
霖之助の記憶は、いろいろあって封じられたようだ。
まあその封印も、ぼちぼち解けてきたのだが。
「どう? そろそろ思い出してきたかしら」
「おぼろげながらね。えーと君が小さい頃面倒を見ていたような……確か夜中トイレに……」
「……そのあたりは思い出さなくても……」
照れたように頭を振るさとり。
口に出すのも申し訳ないので、霖之助は何も言わないことにした。
もっとも最後まで思い出したせいで、心の読める彼女にはしっかり伝わっていたようだが。
「まあこうやって家族として過ごせるから、多少のことはいいじゃないですか。
お母様のおかげで過ごせるようになったわけで!」
「……貴方、ペットの躾がなってないわね」
「あら、この子はペットなんかじゃないわよ」
さとりとパチュリーの視線が真っ向からぶつかる。
しかし数秒もしないうちに、パチュリーが折れたように頭を下げた。
「躾がなってないのは、弁解のしようもないけど」
「ああ、同感だ」
「この件に関しては、妙に潔いわね……貴方達」
「まったく、失礼な話ですよね」
つられて頭を下げる霖之助に、小悪魔はプンスコと怒りを露わにする。
だがそれも一瞬のこと。
彼女はいつもの笑顔に戻ると、さとりに向き直った。
「ところでさとり叔母様、今日はどのようなご用件で来られたんでしたっけ?」
「本当、なってないわね……。でも、用事がないと家族に会いに来ちゃいけないのかしら?」
「そんなことはないさ」
「そうね、いつでもいいのよ」
「そう。ありがとう。……まあ、用件がないわけじゃないんだけどね。この前約束したでしょう?」
さとりは足下に置いていた小包を持ち上げ、テーブルに載せた。
包んでいた風呂敷を外し、中に入っていたいくつかの箱を取り出す。
そして桐で出来た箱の蓋をゆっくりと開けると……。
「あらまあ、これは何とも素敵な山吹色のお菓子ですね!」
「下品な表現をしないでくれないかしら」
「……よくこれだけの量を持って来れたね」
「別に、たいしたことじゃないわよ」
金の輝きに、3人は目を瞬かせる。
さとりは自慢げに胸を張ると、少しだけ心配そうに首を傾げた。
「取り扱いには十分注意してね」
「わかってるわ。ありがとう」
「どういたしまして。貴女も手伝ってあげてね」
「はいはい、悪魔にお任せください」
「……さすがは地獄かな」
「元、よ」
彼女は箱に蓋をすると、丁寧に包み直した。
もちろん厳重なのには理由がある。
この金は地獄の釜で欲望を溶かして出てきたものだ。
生きたいという欲望からは水銀が、人を殺したいという欲望からは砒素が含まれて出てくるため、強い毒性を含んでいるのである。
さらに欲望には欲望……怨霊を誘き寄せることもあるため、持っているだけでも注意が必要だった。
危なすぎて金としての価値はあるかどうか怪しいところだが、魔法の触媒としては一級品だろう。
本来は地獄の資金源なのだが、太陽の力を得た地獄鴉のおかげで旧灼熱地獄でも取れるらしい。
むしろ怨霊を旧地獄に丸投げしているので、今の地獄が資金難なのではないかという可能性もあるのだが。
「あの子には、こっちを持ってきたんだけど」
「……またずいぶん持ってきたね」
さとりが別の箱を開けると、小物がたくさん詰まっていた。
そしてそのどれもが、いわゆる曰く付きの品らしい。
どれもマナミのための道具だ。
「第三の目を持たなくても、想起の力を扱えるんだもの。
ちゃんと扱い方を教えてあげるのが先達の務めでしょう?」
「道具専門だけどね」
「それでもよ」
ざっと見たところ、あまり危険なものはないようだ。
霖之助は一安心すると、他の箱に視線を移す。
レミリアへのお土産や咲夜の注文の品など、いろいろ持ってきたらしい。
「貴方には、特に持ってきてないわね」
「……いや、別に構わないけど」
「そんな残念そうな顔をしないの。奥さんが拗ねるわよ?」
「拗ねてなんかないわ」
「ふふ、そういう事にしましょうか」
パチュリーの心を読んだのだろうか。
それとも顔色を読んだ故の発言か。
もちろん嘘という可能性もあるので……。
霖之助は返答に困り、言葉を詰まらせる。
そんな彼の反応を楽しんでいるのは、間違いないようだったが。
「地底の道具を持ってこようとは思ったのだけどね。
選ぼうにも種類が多いし、どんなのがいいかわからないし……この際地下に直接見に来たら? と言おうと思ったのよ。
貴方達、全然降りてこないでしょう?」
「まあ、いろいろあってね」
「図書館から出るのは面倒なのよ」
「……そんなことだから、動かないとか言われるのよ」
ため息を吐くさとりに、小悪魔が首を傾げた。
「でも異変がある時とかはけっこう出かけますよ? あとお父様に会いに行く時とか」
「つまり私はそれ以下って事かしら」
「そんな事はないけど……」
「でもお母様、こんな賄賂を貰ったら行かないわけには行かないでしょう?」
「だからそういう意味じゃないんだけど」
さすがのさとりも、小悪魔が中に入るとペースを乱されるらしい。
霖之助は妹の珍しい表情に笑みを浮かべつつ、ふと疑問を口に出した。
「そういえば、君は小悪魔に想起の力を使わないね」
「あら、私ってそんなにホイホイ使ってるように見えるのかしら」
「いや、そういうわけじゃないが……」
さとりにトラウマを呼び起こされた人妖を今までたくさん見てきた。
精神に重きを置く妖怪なら特に、トラウマは効果抜群だろう。
かく言う彼女も、その能力を行使するのに躊躇はしていなかったはずだ。
「まあ、一言で言うと……」
さとりはじっと小悪魔を見つめ……。
そっと、目を逸らす。
「正直、この子の心をあんまり読みたくないというか……」
「えー?」」
小悪魔は不満そうな様子だったが、パチュリーは何かに気づいたように彼女の羽根を引っ張った。
「小悪魔、何を考えているの?」
「あれあれお母様まで。そんなに知りたいんですか?」
芝居がかった様子で、小悪魔は驚きを露わにした。
その時点で何かあるのは簡単に予想できる。
「まあ、大したことじゃないですよ。さとりさんが知りたいだろうと思って、お父様とお母様の情事を最初から全部」
「この度は、どう謝ったらいいか」
「今度遊びに行かせてもらうわ」
「……わかってくれて何よりよ」
即座に頭を下げるふたりに、さとりは困ったような表情を浮かべた。
謝ってばかりだな、と内心苦笑する。
「えー、でもこの前読んだ本には、外の世界じゃ異父兄弟はイトコと一緒で結婚可能ってあったような気もしますが」
「…………」
どこからそんな情報を仕入れてきたのだろうか。
そしてその情報は正しいのだろうか。
確認しておきたかったが、そうすることは出来なかった。
パチュリーの視線が、霖之助を縫い付けていたからだ。
……どうしろというのだろう。
「まあ神は兄妹でも子を作ってたね。それより地下の日程だが、いつにしようか」
「…………」
「…………」
「…………」
話題を変えようとして、さらに沈黙が落ちる。
話の振り方を完全に間違えたらしい。
……小悪魔にまで呆れたような視線で見られるのは心外だが。
「……さとりのことは信頼してるもの。気にしなくていいわ」
「ありがとう、パチュリーさん」
やがて諦めたかのように、パチュリーはさとりに微笑みかけた。
視線の束縛が解け、ほっと一息。
「それはさとりが心を読めるからかな?」
「そうね、隠し事がないのは楽だけど」
「まあ、貴方の兄さんに対する想いも伝わってくるわね、隠すことなく」
少しだけ、さとりは頬を染めた。
……一体パチュリーはどんなことを考えていたのだろうか。
さすがに聞くことは出来なかったが。
「でもそれだけじゃないわ」
パチュリーは首を振ると、じっとさとりを見つめる。
「マナが懐く人に、悪い人はいないもの」
「……そうだね」
パチュリーと、頷く霖之助。
ふたりを見比べ、さとりは笑顔を零した。
「お似合いの夫婦よ、ふたりとも」
「どういたしまして」
礼をして、ふと視線を上げる。
「ところであの子はどこに行ったのかしら」
「そう言えばそうだね」
彼女が来てからしばらくは姿を見ていたはずなのだが……。
図書館の中を見渡していると、やがて小悪魔が思い出したように声を上げた、
「ああ、言い忘れてました。マナマナなら先ほどこいしさんと一緒に出かけてましたよ」
間欠泉跡。
いわゆる間欠泉異変の道中となった洞窟の入り口に、少女の影が3つあった。
「フラン姉様、ほっぺたにソース付いてます」
「あれ、ほんと?」
マナミが差し出したティッシュで頬をぬぐい、フランドールは丸めて捨てる。
それが地面に付く直前に指を鳴らすと、ティッシュだったものは塵となって消えた。
「あはは、フランちゃんったらドジだー」
「むぅ」
こいしに笑われ、フランドールは唇を尖らせた。
「……こいしお姉ちゃんも、鼻にクリームが」
「おろ、さっきのクレープかな?」
「いっそ髪に芋けんぴ付ければ面白かったのに」
「物理的に無理だと思うけど……あ、マナも舌真っ赤になってるよ。吸血鬼みたい」
「本当ですか?」
さっき食べていたりんご飴のせいだろうか。
だが色が変わってるくらいなら問題ないだろう。たぶん。
「でもこのクレープはけっこうアタリかも。また買いたいくらい」
「私も買えばよかったなぁ。でもこっちのたこ焼きも美味しいよ」
「フラン姉様、そのかき氷貰えますか? ……でも買いすぎたかもしれませんね」
「んー、晩ご飯入らなくなるとお姉ちゃんに怒られるかなー」
「大丈夫大丈夫、私に任せてよ」
マナミ、フランドール、こいしは3人で中有の道の出店でいろいろと買い物をしてきたのだった。
軍資金は出かける時さとりから貰ったので問題ない。
結構貰ったわりに、今はもうほとんど残っていないのだが。
「やっぱり地上って楽しいね」
「でしょー? どこでも連れてってあげるよー!」
「本当は稗田さんのお屋敷に行く予定だったんですけど」
「そうだっけ? でも楽しいからいいよね」
「そうですね」
地下に住んでいるというこいしが来ると、フランドールは率先して外を案内したがるのだ。
もちろんフランドールも長年引きこもってたので外の知識などほとんど持ち合わせておらず、いつも迷ってばかりなのだが……それでも皆、楽しんでいた。
「私が前来た時は、誰とも話さなかったからなあ」
こいしはため息を吐き、第三の目を見つめる。
半開きとなったその瞳。
なんだかんだで、彼女は新しく手に入れた能力も活用することにしたらしい。
「じゃあ今度こそ稗田さんちに行ってみよう」
「人里も近いんだよね? お寺にも行ってみようかなあ」
トウモロコシを食べ終え、フランドールは大きく伸びをする。
その特徴的な羽根がちりりと音を立て……マナミはふと、懐に手を入れた。
「でももうそろそろ帰らないと日が暮れますよ。晩ご飯までには帰らないと」
「え? もうそんな時間?」
咲夜のお下がりである懐中時計を取り出し、時間を確認する。
地下にいるため時間がわからなかったが、いつの間にか結構経っていたようだ。
「仕方ない、地上探検はまた今度だね」
「今度はいつ来れるの?」
「んー、わかんない。お姉ちゃんに仕事押しつけて私だけ来るわけにもいかないし」
こいしはさとりを手伝い、地霊殿の管理の一部を任されているらしい。
そのためあまり自由とは言えない立場になっていた。
残念そうな表情を浮かべるこいしだったが、やがてポンと手を打ち、表情を輝かせる。
「そうだ、今度地下においでよ! そしたら休憩時間でも遊べるし、一緒にお泊まりも出来るよ」
「地下……地霊殿ですか」
「私も行っていいの?」
「もちろんだよ、フランちゃん」
こいしは立ち上がり、洞窟の奥を指さす。
地霊殿があるのはそのずっと先だ。
「うちにはあんまり来てくれないでしょ? お空もお燐も楽しみにしてるよ」
「ええ、行きたいんですけど……」
「あれ、何か問題でもあるの?」
「いえ、その。まだ私達だけで遠出しないようにって言われてて。
私の速度じゃ、地下まで日帰りは出来ませんし」
「そうなの?」
「言われたじゃないですか、フラン姉様。前冥界で迷った時……」
「ああ、そーだったね」
すっかり忘れていたらしいフランドールに、マナミは苦笑を浮かべる。
地霊殿のある旧地獄は、当然冥界の一部だ。
つまりこの洞窟の先にあるのは、橋姫が守る冥界との境界。
お嬢様なフランドールと年若いマナミでは、案内なしに地霊殿まで辿り着けるとは思えなかった。
それに宿泊しようにも、必要なものも相場もわからない。
どのみち手持ちのお金もないことだし。
「じゃあやっぱり、お兄ちゃん達と一緒に来る?」
「そうですね」
「お姉様や咲夜も行くかなー。みんなで行くと楽しいよね」
帰ったらお願いしてみよう。
マナミはそう思った。
しかし頼むためには帰らなければならない。
帰ったらたぶん、夕ご飯が用意してあるだろう。
……幸いなことに出店で買った物はほぼ食べてしまっていたのだが。
「お腹いっぱいです……」
「そうだね、私もけっこう」
「大丈夫大丈夫」
フランドールは先ほどと同じ言葉を呟き、紅い杖を構える。
……何をしようとしているのかすぐにわかった。
だが妖怪はともかく、マナミはそう簡単に消化できるわけではないのだが。
「そうだ、運動がてら賭けでもしよっか」
「賭けですか?」
「なになに、なにするの?」
こいしも笑いながら立ち上がった。
片手で帽子の位置を手直ししている。
どうやらやる気十分らしい。
「負けた人が3人分のお願いをするの。ね、いい考えでしょ?」
「……フラン姉様、ひょっとして頼みにくいんじゃ」
「そ、そんなことないよ?」
以前迷った時、すごく心配をかけたことは覚えている。
それにフランドールは甘え下手だと小悪魔が言っていた。
……もしかしたら、気恥ずかしいのかもしれない。
「お姉ちゃん、許してくれるかなー」
「お母様を説得するのが大変かも」
「咲夜にお弁当作ってもらわないと……」
そしてマナミも立ち上がる。
せっかくの機会だし。
賭けには勝たせてもらおう、と思いながら。
「じゃあいくよ」
「はい」
「いつでもどうぞー」
「ごめんなさい」
3人揃って頭を下げる。
スペルカードの余波で別荘が壊れたとヤマメに怒られ。
「……元気なのはいいけど、ほどほどにしてくれよ」
貧乏くじを引いた霖之助にまとめて叱られ。
賭けは途中で中断されたため、次回へと持ち越しになった。
だが一緒に怒られる姿を見て、レミリアとさとりは満足そうに笑っていた。
そしてさとりの第三の目が何を見て、保護者達でどんな相談をされたかは……。
少し後に、知ることになる。
とりあえずこのシリーズはそんな設定で。
またハzL.さんに挿絵を描いていただきました。
感謝感謝。ウフフ。
オリキャラ注意。
「そんなこんなで、お父様とさとりさん達は兄妹だったんですねぇ」
「……私の数百年の葛藤を、ただの一言でまとめないでくれないかしら」
さとりはティーカップをテーブルに置きながら、深くため息を吐いた。
小悪魔が用意した紅魔館特製紅茶。
普段コーヒー党のさとりも、この味は気に入ってるらしい。
さとりが3つの瞳で小悪魔を睨むと、斜め前の席に座っていたパチュリーが口を開く。
「そうよ。謝りなさい、小悪魔。私のおかげってことを付け加えておかないと」
「あらら、それもそうですね。これは失礼しました」
「いい性格してるわね、貴方」
「いや、僕を挟んで睨み合わないでほしいんだが」
霖之助は困ったような笑みを浮かべ、肩を竦めた。
さとりの正面、パチュリーの隣。
さらに逆隣に小悪魔が座っているので、まさに争いの渦中と言える位置である。
さっきまでさとりの隣にこいしが座っていたのだが、いつの間にかどこかに行ったようだ。
パチュリーはそんな彼の言葉にしばし考えると、改めて口を開く。
「兄嫁だから……お義姉さん、って呼んでもらっても構わないのよ?」
「謹んで遠慮させていただくわ、パチュリーさん」
さとりは首を振ると、再び紅茶を口に運んだ。
それから疲れたような表情で、ふたりを見比べる。
「毎回来る度その話題を振るのはそろそろやめて欲しいのだけど」
「えっ? てっきりネタ振りかと」
「どこの世界にそんな身体を張ってネタを振る人がいるのよ」
「それはもう、目の前に」
「……えっ?」
「その子の話は聞かなくていいわ」
話題を変えようと、パチュリーはさとりの顔に視線を固定した。
次に霖之助の顔を確認し、ひとつ頷く。
「異父兄妹だからかしら、あんまり似てないのよね」
「そうかしら。そう言えば似てるって言われたこと無いわね」
「性格は似てるけど」
「あらそう?」
「そうかい?」
「ええ。辺に理屈っぽいところとか。考えるだけで動かないところとか。
いざって時に動けなくて時間を浪費するところとか」
「それは貴方達が結婚するまでの期間を言ってるのかしら。
それとも、私が会いに来るまでの期間を言ってるのかしら。
……それにしても、よく見てるのね」
「夫婦だもの」
「念願でしたものね」
パチュリーの言葉を受け、小悪魔が微笑んだ。
幸せそうな彼女たちを見て、さとりは眩しそうに目を細める。
「兄妹、か」
地上に残った唯一の覚妖怪。
第三の目を持たない半端者。
……だったらしい。
道具の名称と用途を知るという霖之助の能力は、道具の気持ちになり、記憶を共有した結果を示していた。
つまりそれが覚妖怪の亜種である証明……という話しだった。
霖之助の記憶は、いろいろあって封じられたようだ。
まあその封印も、ぼちぼち解けてきたのだが。
「どう? そろそろ思い出してきたかしら」
「おぼろげながらね。えーと君が小さい頃面倒を見ていたような……確か夜中トイレに……」
「……そのあたりは思い出さなくても……」
照れたように頭を振るさとり。
口に出すのも申し訳ないので、霖之助は何も言わないことにした。
もっとも最後まで思い出したせいで、心の読める彼女にはしっかり伝わっていたようだが。
「まあこうやって家族として過ごせるから、多少のことはいいじゃないですか。
お母様のおかげで過ごせるようになったわけで!」
「……貴方、ペットの躾がなってないわね」
「あら、この子はペットなんかじゃないわよ」
さとりとパチュリーの視線が真っ向からぶつかる。
しかし数秒もしないうちに、パチュリーが折れたように頭を下げた。
「躾がなってないのは、弁解のしようもないけど」
「ああ、同感だ」
「この件に関しては、妙に潔いわね……貴方達」
「まったく、失礼な話ですよね」
つられて頭を下げる霖之助に、小悪魔はプンスコと怒りを露わにする。
だがそれも一瞬のこと。
彼女はいつもの笑顔に戻ると、さとりに向き直った。
「ところでさとり叔母様、今日はどのようなご用件で来られたんでしたっけ?」
「本当、なってないわね……。でも、用事がないと家族に会いに来ちゃいけないのかしら?」
「そんなことはないさ」
「そうね、いつでもいいのよ」
「そう。ありがとう。……まあ、用件がないわけじゃないんだけどね。この前約束したでしょう?」
さとりは足下に置いていた小包を持ち上げ、テーブルに載せた。
包んでいた風呂敷を外し、中に入っていたいくつかの箱を取り出す。
そして桐で出来た箱の蓋をゆっくりと開けると……。
「あらまあ、これは何とも素敵な山吹色のお菓子ですね!」
「下品な表現をしないでくれないかしら」
「……よくこれだけの量を持って来れたね」
「別に、たいしたことじゃないわよ」
金の輝きに、3人は目を瞬かせる。
さとりは自慢げに胸を張ると、少しだけ心配そうに首を傾げた。
「取り扱いには十分注意してね」
「わかってるわ。ありがとう」
「どういたしまして。貴女も手伝ってあげてね」
「はいはい、悪魔にお任せください」
「……さすがは地獄かな」
「元、よ」
彼女は箱に蓋をすると、丁寧に包み直した。
もちろん厳重なのには理由がある。
この金は地獄の釜で欲望を溶かして出てきたものだ。
生きたいという欲望からは水銀が、人を殺したいという欲望からは砒素が含まれて出てくるため、強い毒性を含んでいるのである。
さらに欲望には欲望……怨霊を誘き寄せることもあるため、持っているだけでも注意が必要だった。
危なすぎて金としての価値はあるかどうか怪しいところだが、魔法の触媒としては一級品だろう。
本来は地獄の資金源なのだが、太陽の力を得た地獄鴉のおかげで旧灼熱地獄でも取れるらしい。
むしろ怨霊を旧地獄に丸投げしているので、今の地獄が資金難なのではないかという可能性もあるのだが。
「あの子には、こっちを持ってきたんだけど」
「……またずいぶん持ってきたね」
さとりが別の箱を開けると、小物がたくさん詰まっていた。
そしてそのどれもが、いわゆる曰く付きの品らしい。
どれもマナミのための道具だ。
「第三の目を持たなくても、想起の力を扱えるんだもの。
ちゃんと扱い方を教えてあげるのが先達の務めでしょう?」
「道具専門だけどね」
「それでもよ」
ざっと見たところ、あまり危険なものはないようだ。
霖之助は一安心すると、他の箱に視線を移す。
レミリアへのお土産や咲夜の注文の品など、いろいろ持ってきたらしい。
「貴方には、特に持ってきてないわね」
「……いや、別に構わないけど」
「そんな残念そうな顔をしないの。奥さんが拗ねるわよ?」
「拗ねてなんかないわ」
「ふふ、そういう事にしましょうか」
パチュリーの心を読んだのだろうか。
それとも顔色を読んだ故の発言か。
もちろん嘘という可能性もあるので……。
霖之助は返答に困り、言葉を詰まらせる。
そんな彼の反応を楽しんでいるのは、間違いないようだったが。
「地底の道具を持ってこようとは思ったのだけどね。
選ぼうにも種類が多いし、どんなのがいいかわからないし……この際地下に直接見に来たら? と言おうと思ったのよ。
貴方達、全然降りてこないでしょう?」
「まあ、いろいろあってね」
「図書館から出るのは面倒なのよ」
「……そんなことだから、動かないとか言われるのよ」
ため息を吐くさとりに、小悪魔が首を傾げた。
「でも異変がある時とかはけっこう出かけますよ? あとお父様に会いに行く時とか」
「つまり私はそれ以下って事かしら」
「そんな事はないけど……」
「でもお母様、こんな賄賂を貰ったら行かないわけには行かないでしょう?」
「だからそういう意味じゃないんだけど」
さすがのさとりも、小悪魔が中に入るとペースを乱されるらしい。
霖之助は妹の珍しい表情に笑みを浮かべつつ、ふと疑問を口に出した。
「そういえば、君は小悪魔に想起の力を使わないね」
「あら、私ってそんなにホイホイ使ってるように見えるのかしら」
「いや、そういうわけじゃないが……」
さとりにトラウマを呼び起こされた人妖を今までたくさん見てきた。
精神に重きを置く妖怪なら特に、トラウマは効果抜群だろう。
かく言う彼女も、その能力を行使するのに躊躇はしていなかったはずだ。
「まあ、一言で言うと……」
さとりはじっと小悪魔を見つめ……。
そっと、目を逸らす。
「正直、この子の心をあんまり読みたくないというか……」
「えー?」」
小悪魔は不満そうな様子だったが、パチュリーは何かに気づいたように彼女の羽根を引っ張った。
「小悪魔、何を考えているの?」
「あれあれお母様まで。そんなに知りたいんですか?」
芝居がかった様子で、小悪魔は驚きを露わにした。
その時点で何かあるのは簡単に予想できる。
「まあ、大したことじゃないですよ。さとりさんが知りたいだろうと思って、お父様とお母様の情事を最初から全部」
「この度は、どう謝ったらいいか」
「今度遊びに行かせてもらうわ」
「……わかってくれて何よりよ」
即座に頭を下げるふたりに、さとりは困ったような表情を浮かべた。
謝ってばかりだな、と内心苦笑する。
「えー、でもこの前読んだ本には、外の世界じゃ異父兄弟はイトコと一緒で結婚可能ってあったような気もしますが」
「…………」
どこからそんな情報を仕入れてきたのだろうか。
そしてその情報は正しいのだろうか。
確認しておきたかったが、そうすることは出来なかった。
パチュリーの視線が、霖之助を縫い付けていたからだ。
……どうしろというのだろう。
「まあ神は兄妹でも子を作ってたね。それより地下の日程だが、いつにしようか」
「…………」
「…………」
「…………」
話題を変えようとして、さらに沈黙が落ちる。
話の振り方を完全に間違えたらしい。
……小悪魔にまで呆れたような視線で見られるのは心外だが。
「……さとりのことは信頼してるもの。気にしなくていいわ」
「ありがとう、パチュリーさん」
やがて諦めたかのように、パチュリーはさとりに微笑みかけた。
視線の束縛が解け、ほっと一息。
「それはさとりが心を読めるからかな?」
「そうね、隠し事がないのは楽だけど」
「まあ、貴方の兄さんに対する想いも伝わってくるわね、隠すことなく」
少しだけ、さとりは頬を染めた。
……一体パチュリーはどんなことを考えていたのだろうか。
さすがに聞くことは出来なかったが。
「でもそれだけじゃないわ」
パチュリーは首を振ると、じっとさとりを見つめる。
「マナが懐く人に、悪い人はいないもの」
「……そうだね」
パチュリーと、頷く霖之助。
ふたりを見比べ、さとりは笑顔を零した。
「お似合いの夫婦よ、ふたりとも」
「どういたしまして」
礼をして、ふと視線を上げる。
「ところであの子はどこに行ったのかしら」
「そう言えばそうだね」
彼女が来てからしばらくは姿を見ていたはずなのだが……。
図書館の中を見渡していると、やがて小悪魔が思い出したように声を上げた、
「ああ、言い忘れてました。マナマナなら先ほどこいしさんと一緒に出かけてましたよ」
間欠泉跡。
いわゆる間欠泉異変の道中となった洞窟の入り口に、少女の影が3つあった。
「フラン姉様、ほっぺたにソース付いてます」
「あれ、ほんと?」
マナミが差し出したティッシュで頬をぬぐい、フランドールは丸めて捨てる。
それが地面に付く直前に指を鳴らすと、ティッシュだったものは塵となって消えた。
「あはは、フランちゃんったらドジだー」
「むぅ」
こいしに笑われ、フランドールは唇を尖らせた。
「……こいしお姉ちゃんも、鼻にクリームが」
「おろ、さっきのクレープかな?」
「いっそ髪に芋けんぴ付ければ面白かったのに」
「物理的に無理だと思うけど……あ、マナも舌真っ赤になってるよ。吸血鬼みたい」
「本当ですか?」
さっき食べていたりんご飴のせいだろうか。
だが色が変わってるくらいなら問題ないだろう。たぶん。
「でもこのクレープはけっこうアタリかも。また買いたいくらい」
「私も買えばよかったなぁ。でもこっちのたこ焼きも美味しいよ」
「フラン姉様、そのかき氷貰えますか? ……でも買いすぎたかもしれませんね」
「んー、晩ご飯入らなくなるとお姉ちゃんに怒られるかなー」
「大丈夫大丈夫、私に任せてよ」
マナミ、フランドール、こいしは3人で中有の道の出店でいろいろと買い物をしてきたのだった。
軍資金は出かける時さとりから貰ったので問題ない。
結構貰ったわりに、今はもうほとんど残っていないのだが。
「やっぱり地上って楽しいね」
「でしょー? どこでも連れてってあげるよー!」
「本当は稗田さんのお屋敷に行く予定だったんですけど」
「そうだっけ? でも楽しいからいいよね」
「そうですね」
地下に住んでいるというこいしが来ると、フランドールは率先して外を案内したがるのだ。
もちろんフランドールも長年引きこもってたので外の知識などほとんど持ち合わせておらず、いつも迷ってばかりなのだが……それでも皆、楽しんでいた。
「私が前来た時は、誰とも話さなかったからなあ」
こいしはため息を吐き、第三の目を見つめる。
半開きとなったその瞳。
なんだかんだで、彼女は新しく手に入れた能力も活用することにしたらしい。
「じゃあ今度こそ稗田さんちに行ってみよう」
「人里も近いんだよね? お寺にも行ってみようかなあ」
トウモロコシを食べ終え、フランドールは大きく伸びをする。
その特徴的な羽根がちりりと音を立て……マナミはふと、懐に手を入れた。
「でももうそろそろ帰らないと日が暮れますよ。晩ご飯までには帰らないと」
「え? もうそんな時間?」
咲夜のお下がりである懐中時計を取り出し、時間を確認する。
地下にいるため時間がわからなかったが、いつの間にか結構経っていたようだ。
「仕方ない、地上探検はまた今度だね」
「今度はいつ来れるの?」
「んー、わかんない。お姉ちゃんに仕事押しつけて私だけ来るわけにもいかないし」
こいしはさとりを手伝い、地霊殿の管理の一部を任されているらしい。
そのためあまり自由とは言えない立場になっていた。
残念そうな表情を浮かべるこいしだったが、やがてポンと手を打ち、表情を輝かせる。
「そうだ、今度地下においでよ! そしたら休憩時間でも遊べるし、一緒にお泊まりも出来るよ」
「地下……地霊殿ですか」
「私も行っていいの?」
「もちろんだよ、フランちゃん」
こいしは立ち上がり、洞窟の奥を指さす。
地霊殿があるのはそのずっと先だ。
「うちにはあんまり来てくれないでしょ? お空もお燐も楽しみにしてるよ」
「ええ、行きたいんですけど……」
「あれ、何か問題でもあるの?」
「いえ、その。まだ私達だけで遠出しないようにって言われてて。
私の速度じゃ、地下まで日帰りは出来ませんし」
「そうなの?」
「言われたじゃないですか、フラン姉様。前冥界で迷った時……」
「ああ、そーだったね」
すっかり忘れていたらしいフランドールに、マナミは苦笑を浮かべる。
地霊殿のある旧地獄は、当然冥界の一部だ。
つまりこの洞窟の先にあるのは、橋姫が守る冥界との境界。
お嬢様なフランドールと年若いマナミでは、案内なしに地霊殿まで辿り着けるとは思えなかった。
それに宿泊しようにも、必要なものも相場もわからない。
どのみち手持ちのお金もないことだし。
「じゃあやっぱり、お兄ちゃん達と一緒に来る?」
「そうですね」
「お姉様や咲夜も行くかなー。みんなで行くと楽しいよね」
帰ったらお願いしてみよう。
マナミはそう思った。
しかし頼むためには帰らなければならない。
帰ったらたぶん、夕ご飯が用意してあるだろう。
……幸いなことに出店で買った物はほぼ食べてしまっていたのだが。
「お腹いっぱいです……」
「そうだね、私もけっこう」
「大丈夫大丈夫」
フランドールは先ほどと同じ言葉を呟き、紅い杖を構える。
……何をしようとしているのかすぐにわかった。
だが妖怪はともかく、マナミはそう簡単に消化できるわけではないのだが。
「そうだ、運動がてら賭けでもしよっか」
「賭けですか?」
「なになに、なにするの?」
こいしも笑いながら立ち上がった。
片手で帽子の位置を手直ししている。
どうやらやる気十分らしい。
「負けた人が3人分のお願いをするの。ね、いい考えでしょ?」
「……フラン姉様、ひょっとして頼みにくいんじゃ」
「そ、そんなことないよ?」
以前迷った時、すごく心配をかけたことは覚えている。
それにフランドールは甘え下手だと小悪魔が言っていた。
……もしかしたら、気恥ずかしいのかもしれない。
「お姉ちゃん、許してくれるかなー」
「お母様を説得するのが大変かも」
「咲夜にお弁当作ってもらわないと……」
そしてマナミも立ち上がる。
せっかくの機会だし。
賭けには勝たせてもらおう、と思いながら。
「じゃあいくよ」
「はい」
「いつでもどうぞー」
「ごめんなさい」
3人揃って頭を下げる。
スペルカードの余波で別荘が壊れたとヤマメに怒られ。
「……元気なのはいいけど、ほどほどにしてくれよ」
貧乏くじを引いた霖之助にまとめて叱られ。
賭けは途中で中断されたため、次回へと持ち越しになった。
だが一緒に怒られる姿を見て、レミリアとさとりは満足そうに笑っていた。
そしてさとりの第三の目が何を見て、保護者達でどんな相談をされたかは……。
少し後に、知ることになる。
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No title
同人誌のネタまで交えてくるとは・・・本当にごちそうさまです。
霖之助とさとり&こいしが兄妹設定とか夢が膨らみますよねwww
こいしとフランとマナミの組み合わせとかも2828しました!
ところで、このフランは霖之助を何て読んでるんでしょう?やっぱり「おじさま」ですかね。
「おじさま」「兄さん」「お兄ちゃん」「お父様」・・・このシリーズの霖之助は本当に色んな呼ばれ方があって羨ましい・・・
爆発すればいいのにww
霖之助とさとり&こいしが兄妹設定とか夢が膨らみますよねwww
こいしとフランとマナミの組み合わせとかも2828しました!
ところで、このフランは霖之助を何て読んでるんでしょう?やっぱり「おじさま」ですかね。
「おじさま」「兄さん」「お兄ちゃん」「お父様」・・・このシリーズの霖之助は本当に色んな呼ばれ方があって羨ましい・・・
爆発すればいいのにww
No title
さとり様が妹…だと…!霖之助爆発しろ。
そしてパチュリーさんも義妹には微妙に優しげですね。
小姑との仲が良くて安心しました。
フランとこいしを交えたスペカ合戦マジオソロシス。
そこに混じれるマナミは間違いなく強者の器やで!
そしてパチュリーさんも義妹には微妙に優しげですね。
小姑との仲が良くて安心しました。
フランとこいしを交えたスペカ合戦マジオソロシス。
そこに混じれるマナミは間違いなく強者の器やで!
No title
霖さとこい三兄妹は動物みたいに恋したい!のネタですね!
しかし毎度のことながら安定して自重しない小悪魔であるw 煽るんじゃねーよwww
こいフラと三つ巴だと……?なにそれこわい
しかし毎度のことながら安定して自重しない小悪魔であるw 煽るんじゃねーよwww
こいフラと三つ巴だと……?なにそれこわい
No title
見た目お兄さんで通る霖之助さんの父親感がマジぱねぇw
森近一家は先生と名無しの銀髪家族だけだと思っていたのに、パッチェさんと
マナミに溢れるらぁぶ!に2828が止まりません。
そして安定の小悪魔さんに敬礼!
森近一家は先生と名無しの銀髪家族だけだと思っていたのに、パッチェさんと
マナミに溢れるらぁぶ!に2828が止まりません。
そして安定の小悪魔さんに敬礼!