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子悪魔シリーズ03

『子は鎹』の続きと言えなくもない。
過去作は『まとめ』で。

小悪魔はえろいと思います。
しかしキャラ崩壊注意と書かざるを得ないかもしれない。


霖之助 パチュリー 小悪魔







「愛を下さい!」


 どんとテーブルを叩きながら、小悪魔が叫んだ。

 図書館にあるテーブルは豪華で硬い。
 こっそりと手を押さえて痛がっている彼女に、パチュリーは目を向ける。


「本棚の整理は終わったのかしら」
「まあ、それはそれ。そのうちにでも」
「……小悪魔、紅茶のおかわり」
「はいはい、ただ今用意します」


 小悪魔はポットを抱え、パタパタとキッチンに向かっていった。
 やがて戻ってきた彼女に、霖之助は尋ねる。


「で、何の話だったかな」
「そうなんですよ! もっとですね、私に……」
「小悪魔、お茶菓子が切れたわ」
「はいー……」


 甘い物は脳の栄養である。
 今日は香霖堂から持ってきたチョコレート菓子を出していたのだが……。
 いつの間にか無くなったようだ。数が少なかったのだろう。

 パタパタという羽音と足音が、行って戻ってくる。


「もっと、愛があってもいいと私は」
「この本の次、探して来て。今すぐ」
「ううう」


 主の言葉に、小悪魔は力尽きたように膝をついた。


「わざと言ってます? 言ってますよねパチュリー様!」
「とんでもない。
 あなたがいいタイミングで戻ってくるから、いいタイミングで頼み事ができただけよ」
「じゃあせめて用事はまとめて下さいよ!」


 しれっと答えるパチュリーに、涙目の小悪魔。

 その時、パチュリーが霖之助になにやら目配せしていることに気が付いた。

 ツッコミ待ちか、それとも……。
 一瞬の逡巡。

 霖之助は答えを選び、口を開く。


「じゃあ小悪魔、僕の本の本も持ってきて貰おうかな」
「霖之助さんまでそんな事を言う~」


 ヨヨヨと彼女は泣き崩れた。
 どこからともなくスポットライトが当たる。

 ……小悪魔の魔法だろうか。
 こっそり開発しておいたのだろう。


「お母様にいびられ、お父様に弄られ……私はどうしたらいいの。
 弄られるのは敏感なとこだけでいいのに。
 そしたら気持ちよく……あれ、でもこれはこれで」


 ……これだけやれる元気があるならまだまだ大丈夫だろう。
 というか、余裕がありすぎるようだ。


「それで小悪魔、本の続きは……」
「…………」


 しかし、一向に彼女は自分の世界から帰ってくる素振りがない。

 パチュリーは相変わらず、我関せずといった表情で本を読んでいる。
 どうやら手にした本を読み終わるのはまだまだ先らしい。

 霖之助はため息を吐き……小悪魔に尋ねた。


「……どうして愛が欲しいんだい?」
「そうなんです、そうなんですよ!
 よくぞ聞いてくれました」


 小悪魔がぱっと顔を上げた。

 どこにも泣いていた様子は無い。
 いつも通りの彼女だった。

 パチュリーのため息が聞こえてきた気がした。
 きっとこうなることまで予想していたのだろう。


「私っておふたりの愛の結晶ですよね」
「そうだったかな」
「そうだったかしら」
「そうですよ!
 あんなに愛し合ってたじゃないですか」


 あんなに……と思い出して、霖之助は首を傾げた。
 あの時のあれは、愛と呼べるのだろうか。

 今となっては、些細な問題ではあるが。


「いや、君はそもそも知らないだろう、いなかったのだから」
「例え知らなくても! 私の身体に! この胸に! ひとつになって生き続けてます」
「確かにあなたの身体はそうやって構成されてるけどね」


 本から目を話すことなく、パチュリーの声が届く。
 その言葉に背中を押されたように、小悪魔は自信たっぷりに頷いた。


「それで、おふたりの愛の一割くらいを私に下さればいいかなーと思うわけですよ」
「一割ね……」


 愛がどうこうは置いといて、一割という表し方が気になった。
 そもそも割れるものなのだろうか。


「一割分けると、つまりどうなるんだい?
 仕事を減らして欲しい、とか?」
「いえいえ、そんなんじゃないですよ」


 しかしあっさりと彼女は首を振る。
 ……先ほど仕事を回され文句を言っていたことは、既に忘却の彼方なのだろう。


「おふたりの夜の営みに、私も参加させて貰おうかなーなんて。
 だって計算したところ、おふたりが会うときだいたい84.7%の確率でネチョ」


 彼女の言葉を遮って、パチュリーがパチンと指を鳴らした。
 床に魔方陣が輝き、光で出来た鎖が小悪魔の身体を絡め取る。


「ああん、長くてうねうねしたものが私の身体をまさぐる~!
 いやっ、そんなとこ……はぁん、そこはだめぇ……」
「実況している余裕はあるみたいだね」
「構って欲しいだけなんだから放っておけばいいのよ」


 放っておくと何を言われるかわからないから怖いのだが。
 それに一番最初に手を出したパチュリーに言われても、あまり説得力がない。


「今更恥ずかしがること無いじゃないですか、パチュリー様。
 いつもやってることなんですし……当の本人しかいないのに」
「恥ずかしがる……ねぇ」


 霖之助は思わずパチュリーに視線を送る。
 彼女の顔色は、いつもと変わらない仏頂面だ。

 あまり恥ずかしがるという様子が想像できないのだが……。
 小悪魔が言うのなら、そうなのだろうか。


「相変わらずの減らず口ね、小悪魔」
「隠しても無駄ですよー」


 光の鎖でぐるぐる巻きになったまま、それでも彼女は自信たっぷりだった。


「だっておふたりの営みは、毎回感覚共有して体験してますから」
「なっ……」


 思わず霖之助は吹き出してしまった。
 今明かされる驚愕の新事実というやつである。


「それに私の身体の半分は霖之助さんので出来てますし、そっちもバッチリですよ。
 パチュリー様の運動不足なぷにぷにボディに霖之助さんがメロメロってことももちろん知」
「パチュリー、その小悪魔は早くなんとかしたほうがいいように思えるんだが……」


 小悪魔のセリフを遮るように、霖之助は声を上げる。


「そう? ちょっと気になることを言ってた気がするんだけど」


 ジト目が怖い。
 とても怖い。


「あー、ひどいですお父様!
 最近ちょっとお尻のほうにも興味が出てきたからってまずはちゃんと慣らさないと……ですからぜひそのお手伝いを私に」


 最後まで言い切ることはなく……小悪魔は水の泡に包まれた。
 パチュリーの魔法だろう。

 まだなにやら喋っているようだが、こちらまで聞こえることはない。


「……まあ、これでいいわ」
「やれやれ、退屈しないねここは」


 霖之助は笑みを浮かべた。
 背中に嫌な汗が垂れているのがわかる。

 パチュリーの視線が、じっと霖之助を捉えて離さない。


「愛の結晶ね……それもいいかなと思うんだけど」
「……何か言ったかい?」
「いいえ」


 聞き返した言葉に、彼女は首を振った。


「……ねえ」


 興味があることを試さずにはいられないのが魔法使いである。
 弟子のそれに付き合うのは、師匠の役目なのだ。

 たぶん。


「興味あるなら……試してみる?」

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最初の「愛を下さい」でZOOを思い浮かべたのは俺だけだろうか?
パッチェさんは太ってるんじゃない!! 柔らかいだけだ!!!
でも霖×パ×こぁの3Pなら見てみたいかも(AA略

でも霖スレで3Pの話が出たときネチョになるかと思いきや、本を3ページしか読んでないとかイミフな流れになって吹いたw

No title

相変わらずここの小悪魔はいいキャラをしているww
そんなこあと、パチェ×霖之助がめがっさ好きだったりする

No title

な・・・なにを「試す」んですかーッ!!?

グレンラガンですね、分かります
朝っぱらからテンション上がってきました!!!!

相変わらず天元突破状態の小悪魔がいいですね!
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