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設定とか9

ランダム性が強すぎるようなので、拍手の種類を5種類に減らしました。中身は変わってないけれど。
あともし拍手を空押ししていただけるのでしたら、記事の末尾にあるやつのほうが個人的には嬉しいです。
どれに対してなのかわかりやすいので。


というわけで昔上げてた奴のまとめ。







『6.可愛いヤンデレ神奈子様という話だったので。何か間違った気がする』


「嘘つき……」


 カプリ、と神奈子は霖之助の首元に歯を立てた。


「昨日は私のところに来る約束だったのに」


 首筋を噛まれるというと吸血鬼を思い浮かべてしまうが、むしろ逆だった。
 なにか、液体のような物を注入されている感覚。


「君の相方に捕まってしまってね」
「ずっと待ってたのに」


 ようやく口を離した神奈子が、チロチロと傷跡を舐める。
 そして蛇のような瞳で、至近距離からじっと霖之助の目を見つめてきた。


「……今日は何をしたんだい」
「今日の蛇毒はねぇ……あと2時間で光を失うやつよ」


 きゅ、と神奈子は眼を細めた。
 楽しそうな笑顔。
 楽しそうに、服をまくり上げる。


「それで解毒薬は、いつものアレ」
「いつもの、か。余裕で間に合うな」


 つまり霖之助は、2時間以内に神奈子を絶頂に導き母乳を口にしなければ光を失ってしまう。
 だんだん制限時間が短くなってきている気がするが、達するまでに要する時間も短くなってきているので大丈夫だろう。


 ……もうしばらくなら。




『7.守株のネタから思いついたもの。どうしてもうどんげが病んでしまう不思議』


「試着、ですか?」
「ああ。これらは外の世界の服なのだが、どうもこう……着方というものがわからなくてね」
「でもこれ、女性用の服でしょう? わからなくて何か問題あるんですか?」
「わからないと言うことが問題なんだよ」


 霖之助の言葉に、鈴仙は首を傾げた。
 いつもの彼らしくない。
 何かあったのだろうか


「それで、そのためだけにこんなに店内に服を並べた、と。まるで服屋ですね」
「まあ、ね。最初に来た客に尋ねてみようと思って」
「誰も来なかったらどうするつもりだったんですか?」
「その時は明日を待つさ」


 つまり誰でもよかったと言うことか。
 ……そんなときに来てしまった自分も自分だが。

 何となく複雑な彼女の心境に気付かず、霖之助は言葉を続ける。


「服のことだから考察は僕にも出来る。しかしさすがに僕が着てみるわけにも行かないし」
「でも、外の世界の服でしょう? 着方がわかる人も少ないんじゃないでしょうか」
「わからなければそれでいいんだ。むしろ、何故着方がわからないかをそれで理解できることが収穫だよ」
「そういうものですか」


 鈴仙はやる気がなさそうに、置いてある服を物色した。
 気に入ったのがあればあげるよ、と店主の声がする。


「それで、私に試着しろ、と」
「出来れば着ている姿を観察させてくれると嬉しいがね。
 ……ダメならいいんだ。次の客を待つことにするよ」


 思わず店を開けながら待ちぼうけする霖之助を想像してしまう。
 さしずめ鈴仙は自分から罠にかかってしまった兎だろうか。


「でもこのあたりのは、腕を通すだけですよね?
 どうして着方がわからないですか?」
「ああ……実は」


 気まずそうに、霖之助は答えた。

 曰く。霊夢に服を作ったところ、着にくい、脱ぎにくいと文句を言われたらしい。
 それで、外の世界の服を研究することにしたということだった。

 脱ぎ着しやすい服とそうでない服を分け、着心地を確かめて欲しいらしい。


「……また霊夢ですか」
「うん? 何か言ったかい?」
「いいえ」


 鈴仙はゆっくりと首を振った。
 すっと眼を細める。
 紅い紅い、狂気の目を。


「……下着もあるんですね」
「さすがにそのあたりは試着しろとは言わないよ」


 本当に他意はないのだろう。
 ただ外の服とセットだから置いておいた。ただそれだけだ。

 だが。


「やってもいいですけど」
「本当かい?」
「はい。その代わり、ちゃんと見ててくださいね」


 そう言うと、鈴仙は置いてある下着を手に取った。
 そして霖之助に見せつけるかのように、自らの服に手をかけていく。


「鈴仙、着替えるなら……」
「言ったでしょう?」


 するり、と白い肌が露わになる。
 着脱のしやすさをチェックするのだ。
 着ているところを見るのが一番役に立つのは当然だろう。
 だから。


「ちゃんと見ててくださいね」




『8.アンミラ服を着るゆうかりんの図。シュマさんに絵を描いていただきました』


「幽香、この服を着てくれないか」
「なによこれ」


 霖之助から差し出された服を、幽香は広げてみる。

 白いブラウスとオレンジで色のスカート。
 特徴的なのは帯とそれに繋がる肩紐が胸部を囲むようなデザインになっていることだろうか。


「外の世界の、飲食店の制服らしい」
「着れるわけないじゃない! なんでスカートこんなに短いのよ!
 あなた、そんな趣味があったんだんて……」
「趣味、というより純粋な好奇心なのだが」


 服を投げ返され、霖之助はため息を吐いた。
 一度綺麗に広げ、赤い顔の幽香に向き直る。


「用途は女性の魅力を引き出し客を増加させる、とある。
 つまりこのデザインは店員としての機能美を追求したものだと言っても過言ではないだろう。
 女性が着てこその機能美だ。僕はそれを見てみたい」
「知らないわよそんなこと。霊夢か魔理沙にでも頼みなさい」
「いや、それはできない」


 霖之助はゆっくりと首を振った。
 服の一点を指さし、続ける。


「見ての通り、この服は胸を強調するデザインだ」
「……そうね」
「彼女たちでは着ることができても着こなすことはできない……むしろ屈辱を与えてしまうことになるだろう」
「……そうでしょうね」


 想像したのだろうか。
 幽香は苦笑気味に頷いた。


「その点君なら、なんの問題もないと思ってね」
「問題大有りよ!」
「そうか? 幽香なら本来のこの制服の魅力を発揮できるはずなんだが……」
「そうじゃなくて」


 幽香は霖之助の言葉を遮る。
 相変わらずの赤い顔。
 ただし、先ほどとは別の理由で。


「だって……こんな短いスカート、恥ずかしい……」
「……そうか」


 彼女の表情を見て、霖之助はこれ以上頼むのは無理だと判断した。
 残念だが仕方がない。
 無理強いして店が無くなるような事態だけは避けなければならない。
 ……無くなるのが店だけならまだ幸運だろうが。


「きっと似合うと思って、君にこそ着て欲しかったんだがね。
 別の機会を待つとするよ」
「別のって……誰よ」
「さてね。小町が店に来たときか……竜宮の遣いか。
 ふたりともロングスカートだから、きっと君と同じ反応だろうけど」


 その言葉に、幽香はさっとその服を取り上げた。
 普段ロングスカートだから恥ずかしいのだと、そんな風に思われていたとは。

 誰の前だから恥ずかしいのか、きっとこの男にはわからないのだろう。
 ……そして、そんな格好を別の女に、この男に見せるわけにはいかない。


「着るわ」
「……いいのかい?」
「よくないわよ。よくないけど……もう!」


 幽香はひとつ叫ぶと、覗かないでよ、と言い捨て香霖堂の奥に歩いていく。
 スルスルという衣擦れの音がやんでも、しばらく動く気配がない。


「……幽香?」
「わかってるわよ! ちょっと思い切りがつかないだけよ……」


 さらにそれから数十分。

 ようやく扉の奥から現れた彼女は、恥ずかしそうにスカートを抑え、必死に太股を隠そうとしていた。
 微妙に上目遣いになるその姿勢が、一層その胸を強調する結果になっているとは本人も気付いていないのだろう。


「……着たわよ」
「ああ……」


 霖之助は幽香の言葉に、霖之助は我に返ったように声を出した。


「な、何か言いなさいよ」
「そうだな」


 機能美。
 軽い気持ちで口にした言葉だったが、霖之助は今までその意味をわかっていなかったとようやく気が付いた。
 つまり、なんというか。


「綺麗だ、としか」
「……!?」

アンミラ幽香




『9.ヤンデレの小傘。何か間違えた?』


「わちきというものがありながら……」
「悪気があったわけじゃないよ」


 まるで浮気した夫に詰め寄る妻のような形相で、小傘は捲し立てた。
 対する霖之助は……彼女の顔をまともに見ていない。


「もう君だけしか見えないと言ってくれた貴方はどこにいったの……」
「……なんだいその都合のいい妄想は。
 そして君はアレだね。芝居が下手だね」


 真っ向から否定された彼女は、少し俯き……悲痛な表情で叫ぶ。


「……一緒にふたりだけの世界に行こう!」
「この雨の中どこに行けというのかい?」


 そこでようやく、霖之助は小傘に向き直った。

 こうも騒がれては、ゆっくり読書も出来ないだろう。
 せっかく雨が降ってて、この上ない読書日和だというのに。

 霖之助は香霖堂へと急ぐ足を弛め、先に問題を解決することにした。

 ……雨の中、唐傘お化けと会話するというのも奇妙な光景だ、と思いながら。


「そもそも、雨が降ったからといってひとりはしゃいで出て行ったのはどこの誰だい」
「だからってそんな、びにいる傘なんかに浮気しなくても……」
「ああ、出かける前に君がちゃんと傘立てに収まってたらそんなことにはならなかっただろうね」
「うぅ、さでずむ……」
「当然の意見だと思うが」


 はあ、とため息。
 どうせ帰り道は一緒なのだ。
 正直、これ以上騒がれるのも面倒だった。


「……ほら、もう少しつめてくれ」
「ほえ?」
「傘は雨をしのぐものだろう? このままでは濡れてしまう」


 言って霖之助は、紫の傘の中、小傘と並んで歩く。
 その腕には畳んだビニール傘。
 どちらかというと大柄な霖之助は傘に収まらず半身のほとんどを濡らしてしまっていたが、仕方がない。
 小傘が濡れてしまうよりマシだろう。


「ふえ~」


 惚けたような声を上げる彼女が濡れないように気をつけながら、霖之助は歩みを進めた。


「置き傘というものは置いてあることがメインなんだ。
 もし使ってしまったらまた新たな置き傘を用意しなくてはならない。
 役に立てばいいが、そもそも使うことがないというのが一番なんだよ」
「忘れられても?」
「必要なら見つかるさ」
「じゃあわちきはやっぱり必要無かったのね……」


 シュンと肩を落とす小傘。
 そんな彼女に、霖之助は声をかける。


「別にそれでいいじゃないか」
「さでずむ……」
「香霖堂にずっといれば」
「……えっ」




『10.カラオケシリーズ01
    ゆゆこさまとゆかりんには昭和アイドルが似合うと思うよ』


「あ~いつはあいつは可愛い~♪」


 ん、と外から聞こえてきた歌声に霖之助は顔を上げた。
 聞き覚えのある、よく通る声。
 だんだんと近づいてくる。


「としし~たのオトコノコー♪」
「やあ、いらっしゃい。ずいぶんご機嫌だね」
「うふふ、そう見える?」


 ドアを開け、店に入ってきた幽々子の笑顔に、霖之助は常連用の顔で応えた。
 もっとも、彼女の場合いつも笑顔なのだが。


「今日はお供は連れてないのかい?」
「妖夢ねぇ~、昨日ちょっとはしゃいじゃったから、まだ寝てるのよ」
「……寝てる?」


 主人を放っておいて寝てるとはなんという従者だろうか。
 と思ったが当の主人が大して気にしていないようだ。


「さっきまで紫たちと徹夜でカラオケしててね、疲れとお酒でダウンしちゃったみたい」
「カラオケ……」


 確か外の本で見たことがある。
 機械から流れる音楽に合わせて歌う娯楽の一種だ。

 あいにく体験したことはないが、さすがと言うべきか、幽々子の話によると妖怪の賢者の家では日常的に行われているらしい。


「そう、ちょうどこんな感じの機械が動いてたわ~。紫の家のはもっと大きかったけど」
「……ほう」


 幽々子が指さしたのは、ラジカセと呼ばれる外の道具だった。


「それで……」
「どうやって動いてたかは知らないわよ」
「……そうか」


 肩を落とす霖之助。
 ただ、もし紫から説明を受けたとしても、幽々子は霖之助に何も教えないのではないか。
 そんな気もしていた。


「それで、さっきの歌に繋がるわけか」
「ええ、そうよ~。とっても楽しかったわ」
「……意外だな。君はもっとゆったりとした歌を好むと思っていたのだが」
「あら? 楽しむのにそんなこだわりは必要無いのではなくて?」
「それもそうだな」


 まったく、この亡霊の楽しむことにかけての貪欲さには頭が下がる。
 幽々子と霖之助はたまに酒を呑む間柄だったが、その度に新たな物の見方を教えられ内心舌を巻いていた。


「それでね、今日はのど飴を買いに来たの」
「のど飴?」
「そう、妖夢の声が枯れちゃっててね」


 半人前なんだから、と幽々子は笑う。
 その笑顔には、部下を思いやる優しさが含まれていた。


「君は平気なんだな」
「歌は嗜みですもの」


 それでも徹夜で歌うというのは相当体力を使うはずだが。
 別腹ならぬ別体力なのだろうか。
 ……そんな事を考えていると、幽々子が不思議そうに首を傾げた。


「いや、なんでもない。
 のど飴ならそこの棚に入っているよ。
 好きなのを選ぶといい」
「わかったわ~」


 ふわふわと棚に移動する幽々子。


「さびしがりやで~生意気で~」


 商品を物色しながら、彼女は歌を口ずさんでいた。
 聞き慣れない、だけど心地よいメロディーに、霖之助は思わず聞き惚れる。

 やがて選び終わったであろう彼女と目が合った。
 のど飴を選ぶのにそう時間はかからない。

 歌が途切れてしまい残念そうな表情を浮かべる霖之助に、
幽々子は本気とも冗談とも、歌の歌詞とも彼女からの問いかけとも取れる言葉を続ける。


「私の事、好きかしら? はっきり聞かせて」

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道草

Author:道草
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