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設定とか8

9月も終わりなので、ウェブ拍手のお礼画面1-5を更新しました。


というわけで昔上げてた奴のまとめ。







『1.リグ霖ネチョはどうするか考える会』


「ねえ、これちょうだい」
「ああ……お代はいつものあれかい?」
「うん、アレよ」


 リグルはそう言うと、琥珀色の液体が入った瓶を取り出した。
 大きさは手のひらに乗る程度。
 それが3本。


「これがレンゲで、これがミカン。それでこれが、ソバの花で作った蜂蜜だよ」
「ほう……」


 霖之助は感心したようにため息を吐くと、その中のひとつの瓶を手に取った。
 蓋を開け、小指で舐める。


「どう?」
「……うん、申し分ないな」
「そう、よかった」


 彼女の顔がぱあっと明るくなった。
 虫を操る程度の能力。
 彼女の仲間に作らせた蜂蜜は質が高く、対価としては十二分に足るものだった。


「それにしても、蜜を使って蜜を買うとはね」
「だって美味しいんだもの」


 リグルが手に持っているのは、外の世界の固形蜜だった。
 夏になると不思議によく増える製品で、どうやらカブトムシ用に作られたらしいのだが、それが彼女のお気に召したらしい。

 どのみち虫を飼おうと思う人間がいると思えない幻想郷ではあまり意味が無く、
偶然見かけたリグルにサービスで渡したのが始まりだった。

 以来、蜂蜜を作っては交換にやってくる。
 たまには他の商品にも目を向けて欲しいと思うのだが、あまり興味がないようだ。

 その割りには足繁く通ってくるのだが……。
 まとめ買いをしないのかと尋ねたところ、何故か不機嫌になったことがある。


「ねぇ、次の蜜は楽しみにしててよ」
「ほう? ならこっちも張り切って仕入れておかないとね」
「うん、すごくいい場所見つけたんだ」







 乱暴にドアの開く音がした。
 続けて、ドサリと言う重い音。


「どういうことかしらね」
「幽香? それに……」
「人のものに無断で手を出して……」


 ゴン、と鈍い音。
 床に倒れているのは、四肢を縄のようなロープで縛られたリグルの姿。


「リグル……大丈夫かい?」
「うう……霖之助さん……」


 慌てて駆け寄る霖之助に、さらに幽香は眉根を吊り上げる。


「どういうことかしらね」


 幽香の声は怒気を孕んでいた。


「聞いたわよ。蜜で買い物してたんですって?」
「ああ……そうだが」
「今までもその中にはかなり私の花の蜜が入ってたでしょうね」


 彼女が何を言いたいのかわからず、霖之助は様子を見ることにした。
 リグルの容態も心配だが……致命傷には至っていないようだ。
 意識もあるし、ただ動けないだけだろう。
 だが幽香が目の前にいるだけで十分致命的なのだが。


「それにしても知らなかったわ。蜜で買い物が出来るなんて」
「リグルのは質がよかったからね。それに君も花で買い物をしただろう」
「そんなに蜜が好きなら」


 幽香は霖之助の言葉を遮るように、リグルの服に手をかけた。


「こいつの蜜でも啜ればいいでしょう」


 言って、幽香は彼女の秘所から




『2.チルノネチョって難しいよね』


「あ~つ~い~」
「言われなくてもわかっているよ」
「だってあついよぅ」


 肩車のような状態で、何度も暑い暑いと繰り返す。

 耳元で騒がれると頭に響くためやめて欲しいのだが、
彼女……チルノの身体は冷たく、離れられるのもそれはそれでもったいない気がしていた。


「……もう少しで出来上がるから、大人しくしていたらどうだい」
「そんなのゆっくりでいいよ。服よりこっちのほうが涼しいもん……あついけど」


 少し前、夏真っ盛りの天気にふらふらになりながら飛んできた妖精を見かけたのだが、
あまりにもぼろぼろの服を着ていたためどうしたのか尋ねたところ、破けば涼しくなると思って自分でやったということだった。

 そのままだとあまりにもみすぼらしいので涼しい素材で服を作ってあげることになった。
 お代は氷と言うことで。

 ……そこまではよかったのだが。

 新しい服が手に入ることがわかるとチルノは着ていた服をあっさりと脱ぎ捨てた。
 彼女は服の下にはなにも着ておらず、つまり今現在全裸の状態で霖之助の頭にくっついている。

 もし他人に見られたら不名誉な噂の広まりそうな光景であることは間違いないのだが……。
 この天気だ。誰も来ないだろうと思い霖之助はそのままにしていた。
 何より、とりあえず彼女がいると涼しいのだ。


「……よし」
「できたの!?」


 青いワンピースを手にした霖之助に、チルノが目を輝かせた。
 なんだかんだ言っても、やはり新しい服は楽しみらしい。


「もうちょっとだよ。まだ最後の仕上げだ」
「え~」


 コロン、とチルノは霖之助の肩から膝の上に転がるように移動した。
 そのまま膝の上でうつぶせになり伸びる。

 やる気のかけらも感じられない姿勢だ。


「じっとしていてくれ。針を持っているんだ。危ないだろう」
「え~、あそぼうよぉ~」


 ばたばたとチルノが動くたび、こちらを向いた彼女の尻が小さく揺れる。


「う~……」


 かと思えばくたりと動かなくなった。
 この隙に、と霖之助は手の動きを早める。
 作業は順調だ。
 もう数分で完成するだろう。
 ……余程のことがなければ。


「りんのすけぇ~」
「……なんだい」
「この前カエルの神様に聞いたんだけどさー」
「ああ、神様ね、うん」
「おまたをこするときもちいいらしいんだけど、あたいがやってもむずむずするだけなんだよ。
 ちょっとやってみてくれない?」
「…………」


 霖之助は聞かなかったことにして、手元に集中した。


「ちょっとりんのすけ、聞いてるの~?
 ……ええと、男のおまたでもいいのかな」


 ぺたぺたと拙い手の動きで、霖之助の股間をまさぐるチルノ。
 まったく気持ちよくなどはないが、それでも反応してしまうのは何故なのだろうか。
 ひんやりとした彼女の手がひと味違った刺激を与えてくるからだろうか。


「わわ、なんかかたくなってきたよ」


 現実逃避のような霖之助の思考を遮るようにチルノはおもちゃを見つけた子供のような瞳で霖之助のズボンを




『3.香水の話』


「……うん?」
「なに?」
「いや、なんだか……」


 霖之助は鼻孔をくすぐる感覚に周囲を見渡した。
 店内には自分以外に、ダンシングフラワーを弄っている幽香しかいない。


「……鈴蘭?」
「あら、よくわかったわね」


 言って、幽香は微笑んだ。
 カウンターに歩み寄り、懐から小瓶を取り出す。


「香水、か」
「そうよ。試しに作ってみたの。どうかしら?」
「ああ、悪くないね」


 香りも一級品なら商品としての価値も一級品だろう。
 しかし。


「だが残念ながら、君には似合わないかな」
「あら、どうして?」
「君はいつもいろいろな花の香りを纏っているからね。
 しかも毎日違う、君が世話している花の香りさ。
 さしずめ幽香の一日、とでも言おうか。
 それをひとつの香りで覆ってしまうのはもったいないと思ってね」
「あら、よく見てたのね」
「長い付き合いだからね」
「……なんだか覗き見されてるみたいだわ」
「よしてくれ、縁起でもない」
「冗談よ。ちょっと嬉しかったわ」


 そう言って、幽香は踵を返した。


「おや、帰るのかい」
「ええ。私に必要無いものを処分してこようかと思って」







 花の香りがした。
 霖之助は覚えのある香りに、無意識に口を動かす。


「幽香?」


 顔を上げた霖之助の前に、しかしいたのは別の少女。


「……里で香水が売ってたからつけてみたんだけど」
「あ、ああ。君だったのか」
「ちょっと……どういうことか聞かせて貰えるかしら」




『4.お空はきっとはいてない』


「つまりはシュレーディンガーの猫と言うことだよ」
「しゅれー?」
「ああ。密閉した箱にね、毒薬と猫を……」
「お燐が死んじゃうの!?」


 涙目でお空に詰め寄られ、霖之助は思わずたじろいだ。
 咳払いひとつして、少し考える。

 そもそも何故彼女にこんな話をしているのか。
 確か、幻想郷の幻想って何? と聞かれて延々と説明することになった……気がする。
 もうあらかたの説明はし尽くしてしまった。
 彼女が理解している様子は残念ながら見受けられなかったが。


「……別の例えをしよう。例えば君の下着は確認するまで、はいているかはいていないかわからない。
 そのどっちつかずの状態がつまりは」
「うにゅ、見る?」


 言うが早いが、お空は自らのスカートをたくし上げた。
 咄嗟のことで止める暇もなく広がる肌色。


「あ、はいてなかった」
「……いいからしまいたまえ」




『5.霖之助にもたれかかって寝る幽香。おや、まるで恋人ではないだろうか』


「使い方が荒いよ」
「あら、道具は使ってこそでしょう?」
「それはそうだがね……」


 霖之助はため息を吐いた。
 作業する彼の手元を覗き込みながら……フラワーマスターは笑う。

 修理してくれ、と幽香が傘を持ってきたのだが、ずいぶんひどい有様だった。
 聞いた話によると、魔理沙のマスタースパークと正面からやり合ったらしい。

 しかし、自分の作った道具同士がぶつかるとは皮肉なものだ。


「限度というものがあるだろう」
「それは私じゃなくてあの子に言って欲しいわね」


 確かに弾幕を防げるように設計したが、その当時はスペルカードまでは計算に入れていなかった。
 妖怪と人間が対等に戦えるルール。
 今回の勝敗については聞いていないが……あまりいい結果ではなさそうだ。


「う~ん、あちこちガタが来てるな……。
 作り直した方が早いかもしれない」
「ダメよ」


 それは霖之助のひとりごとだったが、隣にいる幽香には聞こえていたらしい。
 きっぱり断言し、首を振る。


「スペアを作るのは構わないけれど。
 でもそれは絶対直してちょうだい」
「絶対、かい?」
「そうよ」
「そんなに大事にしてくれるとは制作者冥利に尽きるがね……」


 少しだけ首を傾げたが、やはりそう言われて嬉しいのは事実。
 霖之助は作業に集中し……幽香の言葉は、聞こえなかった。


「だってそれは……。
 貴方が最初にくれた……」
「うん?」


 軽い感覚を覚え、霖之助が振り向く。
 見ると、幽香が彼の肩にもたれかかり寝息を立てていた。
 大妖怪といえど、なんだかんだで疲れたのだろう。


「……おやすみ」


 霖之助はそう囁くと、幽香の寝息をBGMに彼女を起こさないように作業を開始した。

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幽香霖かわいいよゆうかりん

これの1を読んだら幽リグ霖とか思い付いてしまいました。ゆうかりんがリグルと霖之助をまとめていただいてしまうお話。
3の最後の少女が誰か気になります。
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道草

Author:道草
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フラグを立てる話がメインなのでお気を付けください。
同好の士は大ウェルカムだよね。
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