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八坂大蛇 第01話

ネチョとは名ばかりのエロの薄さですが一応18禁。
4話構成だったり。


香霖堂に神奈子がやってきた。
霧雨の剣のことを知っているらしい彼女が取った行動は……。

霖之助 神奈子 早苗







 客のいない店内でひとり、霖之助は本を読んでいた。
 今読んでいるのは外の世界の漫画本だ。

 霖之助はよほどのものでない限り一通りは目を通すことにしていた。
 漫画とはいえ知識も増えて商品のチェックも兼ねられる。実に合理的な行為だ。

 週刊雑誌などは刊行ペースが早い分、幻想郷に流れ着くペースも相当なものになる。
 数種類がまとめて流れ着くことが多く、外の世界の本屋はさぞかし商品でひしめき合っているのだろうと容易に想像できた。

 それらは次々と消費され、早ければ次の週には忘れ去られていくのだろう。

 そしてその恩恵を受けるのが香霖堂、と言うわけだ。
 全く世の中というものは上手くできていると思う。

 これで入荷した商品がもっと売れてくれれば万々歳なのだが。


「邪魔するよ、店主」
「……ああ。君か」


 声をかけてきた客を一瞥し……霖之助にしては珍しく読んでいた本を置き、向き直った。

 商売人としての勘が重要な客だ、と判断したのだ。
 そうでなくても相手は神……不遜な態度は罰が当たるというものだろう。


「いらっしゃい、香霖堂へようこそ。何かお探しで?」
「いや、買い物に来たわけじゃないんだけどね」


 ……早速彼の勘は外れたらしい。

 やってきた客……神奈子はその象徴的な注連縄を商品にぶつけないように、気をつけながら近づいてきた。


「やれやれ、物が多い店だこと」
「店というのはそういうものだ。商品がなければ商売が成り立たない。逆に言えば、商品の多さこそ店のステータスになると言うわけだ」
「店のステータスなのは客の質と量だと思うけどね」


 神奈子の言葉に、霖之助は気まずそうにそっぽを向く。
 そのどちらも香霖堂に足りてないのは明白だった。


「……それで、今日はその客のいない店にわざわざ何のご用で?」
「ははは、拗ねない拗ねない」
「実際、君がここまで来るなんて珍しいじゃないか」
「確かに、私がここに来るのは初めてだね……」


 なにやら感慨深げに言う神奈子に内心首を傾げたが、わからないことは気にすべきではない。

 神奈子が香霖堂に来るのは初めてだが、博麗神社の宴会で何度か顔を合わせたこともある。
 霖之助がぞんざいな口調で応対するのも、本人の希望というやつだ。

 曰く、友人のような神になる。
 それもひとつの信仰のあり方かもしれない。
 神と言っても様々なのだ。


「いつかは来ようと思ってたのさ。店主には早苗にも良くしてもらってるようだし、挨拶もしなくちゃとね」
「なるほど」


 客ではないが重要な相手であるのは間違いないらしい。


「自慢ではないが、外の世界の道具を買える店なんてここだけだからね。
 外から来たあの子にはいろいろ懐かしい物もあるのだろう」
「ああ、早苗も喜んでいたよ。なんでも、途中だった漫画の続きが読めるとか……。
 それにこの間は、いろいろ買ってたみたいじゃないか」


 おそらく先日香霖堂にやってきた早苗に、外の世界の道具をいくつか売った件だろう。
 漫画本を読むため週一くらいで香霖堂を訪れる早苗だが、その時はバッテリーの交換がしたいとかで、
使えそうなやつをいろいろと買っていったのだった。

 霖之助には使い方のわからないものばかりだった上、妖怪の山の信仰を集めている神社の関係者となれば
恩を売っておくにこしたことはないので破格の値段で譲ったのだが、
まさかその神本人が出向いてくるとは思わなかった。


「というわけでこれは先日の礼だ。諏訪子が焼いた饅頭だけど、よかったら食べてやって」
「ありがとう。うちの常連もこれくらい義理堅かったら、僕も苦労がないんだがね」
「そんなに客がくるのかい? この店は」
「客ではないよ。ただの常連さ」


 霖之助は数人の少女の顔を思い浮かべた。
 どれも頭痛の種にしかならない曲者揃いだ。


「ふーん、じゃあ特に問題はないかな」
「なにがだい?」
「あんた、うちの神社に来ないかい?」


 霖之助は一瞬、何を言われたのかわからなかった。
 少し考えて、首を振る。


「済まないが、僕はここを動くわけにはいかないんだ」
「……ああ、言い方が悪かったね」


 コホン、と咳ばらいひとつ。
 その拍子に神奈子の背負った注連縄が商品にぶつかりそうになる。


「うちの神社の関係者にならないかい?」
「理由がない」


 即答する霖之助。しかし神奈子は気に入らなかったようだ。


「理由ね……私があんたを気に入ったから、ってだけじゃダメかい?」
「それこそ気に入られる理由がない」


 再び即答。
 神奈子はそんな彼にやれやれとため息を吐いた。


「ないこともないんだがね……。
 それにあんたのことは早苗がけっこう気に入ってるみたいだし。
 しばらくいろいろ確かめさせてもらったけど……うん、まあ悪くはないかな。
 あんたが神社に籍を置くとなれば早苗が喜ぶ。早苗の喜びは今の私の喜びさ」
「本気で言っているとは思えないな」


 香霖堂に来る常連の中に、霖之助が面倒を見てきたような子がいる。
 その子にもし霖之助がそんなお節介を焼いても、喜びはしないだろう。
 早苗だって同じことだ。


「気に入ってるのは本当さ。
 店主の案外子供っぽいところとかね」
「何?」


 子供っぽいと言われてムッとする霖之助。
 数千年も生きている神と比べたら誰だってそうだろうと思ったが、彼女の言いたいことは別にあるらしい。


「あんた、この前早苗に外の世界についていろいろ聞いたんだって?」
「ああ。あまり収穫にはならなかったが……」


 早苗はいくつかの道具について使用方法は知っていたのだが、構造や原理はお手上げだったし、
そもそも動力が切れている外の世界の式神に対しては手も足も出なかった。
 一応コンピュータというものに対しての説明は受けたのだが、
どうも認識が根本から違うらしく理解するには至らなかった。


「それに、いつか外の世界に行ってみたいと思ってるんだって?」
「……道具の修行のためにね」


 余計なことまで話してしまったものだ、と後になって後悔していた。
 外の世界の道具について話すうちに少々舞い上がってしまったのかもしれない。

 神奈子は視線を逸らす霖之助に顔を近づけ、囁くように言った。


「私ならここにある道具の使い方を全部教えてやれる。何だったら動力も提供してあげてもいい」
「……なんだって?」


 思わず神奈子を見る。
 神の表情を一別しただけでは、その思慮は計り知れなかった。


「店主がそれを河童にでも持ち込めば、あっという間に外の世界の技術に追いつく……
 いや、追い越すことだって出来るかもしれない。そうすれば外の世界になんて行く必要無くなる。
 妖怪の賢者が茶々を入れてくるかもしれないが、私たちが匿ってやる」
「だが、僕は……」
「自分の力で修行したい、とでも言うつもりかい?
 じゃあ聞くが、店主は自分の力だけで外の世界に行ってきて、また幻想郷に戻ってこられるとでも?」
「それは……」
「どっちにしろ他人の力を借りなければ店主の夢は叶わない。だったら、少し借りる力の形が違うだけさ」


 神奈子は次々と先回りするように言葉を紡ぎ出す。
 蛇に睨まれた蛙、と言うやつだろうか。
 威圧感で身じろぎするのにも汗が噴き出した。


「さっきから君は……何故僕に、そんなことを」
「やれやれ、店主はどうしても理由がほしいみたいだね」


 神奈子の注連縄がゆらり、と揺れたかと思うと彼女は霖之助に覆い被さってきた。
 そのまま床に倒れ、押し倒されるような形になる。

 こんな状態なのに、霖之助は疑問に思っていた。
 最近ではよほど大きな宴会でもない限り注連縄をしている神奈子を見ていない。
 そんな彼女が、わざわざ狭い店内に象徴たる注連縄をしてこの店にやってきたのは何故か。

 蛇の象徴たる注連縄を。


「私はずっと、店主の側にいたのさ」
「どういうことだ?」


 にやり、と笑う神奈子。
 霖之助の目の前彼女の唇があるため、一言ごとに熱い吐息がかかる。

 その熱に当てられたせいだろうか。
 これから霖之助に起こることをぼんやりと予想し……あえて受けようと思ってしまったのは。


「貴方、神器を持ってるね。それもとびきりのやつを」
「…………」
「気づかないと思ったかい? 私は蛇の神。縁深いものがあれば嫌でも気づくさ」


 霖之助は悟られないように霧雨の剣を仕舞っていた場所に視線を送る……が、
至近距離から見つめられているためバレバレだったようだ。
 彼の視線を追った神奈子は、いよいよ霖之助が動けないように覆い被さる。


「そして店主はその神器に認められていない。認められるだけのことをやってないからね。
 だけど持ち主であることには変わりない。この機会に認められてみるかい?
 半妖の身で神を征すれば、十分に過ぎるだろう」
「それはつまり……」
「はっきり言ったほうがいいいかい? 蛇の神である私が、店主に調伏されたがってるってことさ」


 彼女の言う、神社の関係者になるというのは、つまりはそう言うことだ。
 神奈子は霖之助の上になった状態から、彼を抱え込むように上体を落とした。


「むっ……」
「しばし楽しむとしようじゃないか。別に初めてというわけではないだろ」


 神奈子の豊満すぎる乳房が霖之助の顔を包み込む。
 下着を着けていないのだろう、薄布を隔てて乳房の感覚が伝わってくる。
 予想以上に柔らかい。
 と言っても霖之助にある情事の記憶はもう数十年は昔のことだ。
 的確な予想をしろというのが無理な相談だろう。
 しかも相手は神だ。もはや想像の及ぶ範疇ではない。


「ぷはっ……」
「ふふ、私の胸で窒息するってのもいいかもしれないねぇ」
「冗談じゃない……」


 神奈子はずりずりと蛇が這うように、霖之助に乳房を押しつけたまま顔から胸、ヘソのほうへと移動していく。
 やがて下腹部あたりに辿り着いたあたりで動きを止め、霖之助の股間のあたりをまさぐった。
 目的のモノの位置を確かめ、ズボンからやや乱暴に取り出される。
 嫌が応にも勃起した霖之助のペニスは、神奈子の視線に晒されるより先に彼女の胸の谷間へと収納されてしまった。
 

「あはは、すっぽりと収まったね」
「……何故だかすごく憤りを覚える言葉だな」
「あれ、傷ついた?」
「別に……」
「悪い意味で言ったなじゃないよ。相性ぴったりかもしれないって思っただけさ。
 それにすぐにそんな感情忘れさせてやるからねっと」


 神奈子は自らの乳房を両腕で包み、ぐにぐにと形を変えさせる。
 さらに上体を小刻みに動かし、たまに露出する霖之助の亀頭を舌で責め立てた。


「んっ……くっ……」
「わぷっ……んっ……んぐ……。
 もう、出るときはちゃんと言いなよ」


 白いものがべっとりと神奈子の顔を汚す。
 口の端から垂れたそれを彼女は指ですくい取り、舌で綺麗に舐め取った。


「じゃあ、今度はこういうのはどうだい」


 霖之助は神奈子に導かれるまま上体を起こす。
 いつの間にか言われるがままになっているが……不思議とそれでいい気がしていた。
 彼女の神気に当てられたのかもしれない。そう言うことにしておきたかった。


 そんなことを考えていると、突然霖之助を黒い布が覆う。
 それが何かを判断するまもなく霖之助の口に熱い何かが押し当てられた。
 反射的にそれに口づけ、垂れてきた密を咀嚼し……そこでようやく、神奈子の股間が目の前にあるのだと気が付いた。
 霖之助の上体にスカートが掛けられているのだ。
 まるで世界がそこだけになったかのような錯覚を覚え、一心不乱に舌を動かす。


「やれば出来るじゃないか。
 んふふ、じゃあようやく本番と行こうか」


 神奈子はいったん身体を離し、着ていた服を脱ぎ去った。
 そこで初めて圧倒的なボリュームの肢体が霖之助の目に晒される。


「なんだ、なんだかんだ行って店主も準備万端じゃないか」
「いや、これは……」
「それでいいのさ。様子を調べてるときに不能じゃないかと心配したが……
 周りがあんな小娘ばかりじゃ、勃つモノも勃たないさね」


 そう言うことでもないのだが。
 ここで変にいいわけをするとあらぬ事態に陥りそうなので黙っておくことにした。


「そうそう。最初に……と言っても今更だが言っておくことがある」
「なんだい?」
「私はかなりしつこいよ?」











 霧雨の剣……草薙の剣の剣は八岐大蛇の尾の中に入っていた剣だ。
 つまり蛇の神の力を内包している。
 その持ち主が霖之助と言うことは、もともと彼女の近いところにいたと言うことになる。

 あとは、少しでも事態が動けば……こうなることは必然だったのかもしれない。
 しかし……。


「僕がいない間に剣を持ち出すという手段もあったろう。わざわざこんなことをしなくても……」


 裸で布団に寝転がったままの神奈子を横に、ひとり後片付けをしながら霖之助が呟く。
 あれから何回達したのだろう。
 店内だけで数え切れないほど、小休止を挟んで居間で布団を敷いてからまた幾度となく。
 数えるのも面倒なほどに。
 彼女の言葉は嘘ではなかった。


「なんだい、まるで不本意だったみたいなことを言うね。楽しんでたように見えたけど」
「……それについてはノーコメントだ」
「やれやれ、素直じゃないね……。
 さて、剣のことだったね。あれは分けられているからいいのさ。
 叢雲を取り込んだ蛇神は、再び退治されかねない。神話の通りね。
 だから店主には、剣と一緒にうちの神社に来てもらおうと思ってたんだけど……」


 そういえば、関係者になれとは言ったが神奈子と一緒になれとは言わなかった。
 まさか本気で早苗とくっつけるわけだったのだろうか。
 霖之助のそんな疑問を知ってか知らずか、
神奈子は自分のお腹を見下ろして、不敵な笑みを浮かべた。


「でもこの程度じゃ、私を征するのはまだまだだね。
 つまりは剣に認められる日も遠いってことさ。精進しなよ、店主」


 言外に満足はしていない、と言っていた。
 霖之助の男としてのプライドがひどく傷ついた気がする。


「どうする? チャンスがほしいならいくらでもあげるけど?
 練習にも付き合ってやるよ。うちにも躰を持て余してるのがもうひとりいるしね」


 神奈子の勝ち誇った表情は、計算してのものだったのだろうか。
 彼は顔を顰めて考えていたが、ようやく言葉を絞り出した。


「週一、くらいなら」

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No title

あなたのせいで神奈霖に目覚めたっ…!
GJ過ぎます。

…ふぅ。
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