子悪魔シリーズ25
思い出したように続くんじゃよ。
たまに前のを微修正してみたり。
霖之助 パチュリー 小悪魔
「なんとお母様は今、ダイエットの真っ最中なんですよ!」
図書館に足を踏み入れた霖之助を出迎えたのは、小悪魔のそんな一言だった。
最初で最後の一言。
次の瞬間には、彼女は一脚の椅子へと姿を変えていた。
黒い羽根の模様が施されたそれはまるで抗議をするかのようにカタカタと震えていたが、この図書館の主が乱暴に腰を下ろすと、やがて動きを止めた。
「ちょっと散らかってるけど、気にしないで頂戴」
「ちょっと、ねぇ」
一連の流れを全てなかったことにして、魔女は口を開く。
霖之助は図書館内を見渡し、肩を竦めた。
館内の机は壊れ、床もあちこち損傷している。
こんな状態でも本棚が無事なのは、さすがと言うべきだろうか。
「今日はずいぶんな惨状だね。何かあったのかい?」
「まあいろいろとあったけど、取り立てて気にするほどではないわ」
「一言で言えば、スペルカードダイエットですかね。
適度な運動になりますし、ストレス解消にもなって一石二鳥というやつですから。あ、こちらの席へどうぞ」
仮設のテーブルに勧められて腰を下ろすと、何食わぬ顔で小悪魔が微笑んでいた。
パチュリーは諦めた表情で本を読んでいる。
彼女の椅子に変化はないようだ。
……まさか増えたわけでもあるまい、と思うものの深くは聞かないでおいた。
出されたお茶に口を付け、余計な考えを湯気と一緒に頭から追い出すことにする。
「あ、ちゃっちゃと片してしまいますから少々お待ちください」
「それは別に構わないんだが、今日は珍しくよく働いてるじゃないか」
「失礼ですね、これでも紅魔館で3番目に働き者なんですよ! 1番は咲夜さん、2番目は美鈴さんですが」
言いながら、小悪魔は瓦礫を掴んではぽいぽいと袋に詰めていく。
細腕で軽々とテーブルの残骸を持ち上げる様を見るに、悪魔の名は伊達ではないといったところだろう。
「美鈴の次、というあたりが解釈のしどころだね」
「結果を評価するか姿勢を評価するかで大違いってところかしら」
すぐ近くで掃除中だというのに、ティーカップに埃が舞い込むことはない。
結界でもあるのか、もしくは空間操作の一種か。
それに小悪魔が持っている袋にはどう見ても容量以上の瓦礫が入っているのだが……今更だろう。
悪魔の館では、常識が通用しないのだ。
「ところでパチュリー、どうしてまたダイエットなんかしてるんだい? 見た感じ、別にその必要は無いと思うんだが」
「必要あるかどうかは私が決めるの。理由はそれだけで十分だと思うけど」
「それに男の人の必要ないって、まったくアテにできませんよね」
「……信じられてないってのも釈然としないんだが」
「じゃあやっぱりそこは見た感じじゃなくて触った感じとか言わないと!」
「気にしないで。これはプライドの問題なのよ」
パチュリーは小悪魔の言葉を無視し、ついでに霖之助の言葉にも首を振った。
どうやら聞く耳を持つ気もないらしい
何が彼女をそうさせるのか霖之助が悩んでいると……掃除が終わったらしく、小悪魔が明るい声を上げた。
「はーいお母様、準備完了ですよー」
「ご苦労様」
労いの言葉とともに、パチュリーが手を合わせ、なにやら呟く。
するとみるみるうちに瓦礫が修復され、いつも通りのテーブルが眼前に現れた。
霖之助は仮設の席からいつも通りの席にいつも通りに腰を下ろし、何となく落ち着いた笑みを浮かべる。
……他人の家だというのにこんなに馴染むのは、いいことなのかもしれない。
「それにしても、今回はずいぶん派手に暴れたものだな。
長くお邪魔させて貰っているが、ここまで壊れたのを見たのは初めてだよ」
「そうですねぇ、お父様とお母様の情事でもここまではなかなか」
「人を破壊神みたいに言わないでくれるかしら」
「いくらハーフと魔法使いと言っても、そもそも壊したりしないよ」
「あれ? でもお母様はよく、ダメもう壊れちゃうって言」
言葉の途中で、音が途切れた。
小悪魔はなにやら口を動かしているものの、霖之助のところまで声が届くことはない。
おそらく沈黙の魔法なのだろう。
しかし状況を理解すると小悪魔がなにやらくねくねとしたジェスチャーへと切り替えてきたので、効果はいまいちね……とパチュリーはため息を漏らしていた。
「今日の客は紅白と白黒だったのよ。だからつい、力が入ってしまったわ」
「あの二人が来たのかい?」
「ええ。でもさすがにひとりじゃ分が悪いから、応援を頼んだの」
「私が妹様を呼んでまいりました!」
「……なるほど、それでこの結果というわけか」
「そういうこと。勝ったわよ、もちろん」
そしてえへんと胸を張るパチュリー。
声が戻った小悪魔もなにやらアピールしているようだ。
その4人のタッグ対戦と考えれば、先ほどの部屋の惨状も納得できるというものである。
「しかしよくフランが手伝う気になったね」
「妹様は遊び盛りですからね。ついでにこの勝負に勝てばお父様を紅魔館に呼び込んで家族の一員にできるかもしれませんって言ったら二つ返事でオーケー貰いましたし」
「……安請け合いはよくないな、小悪魔」
「つまり紅魔館の総力をあげてお父様を仲間に引き込まれようとしているのです!
お兄ちゃんが出来るかもって楽しみにしてましたのに、これで断ったら妹様泣いちゃうかもしれませんね!」
「初めて知ったよ、そんなこと」
泣くというか、命の危険にさらされる可能性も見えるのだが。
そんな霖之助の心中を見越してか、悪巧みをするかのように小悪魔が笑みを浮かべた。
「と、外堀を埋めてお父様の逃げ道を奪っていこうという計画なのですが」
「まあ、それくらいでこの男が観念するくらいなら苦労しないけどね」
「……そんな話を目の前でしないでくれないか」
これがほんとの悪魔の笑顔だろうか。
霖之助は大きくため息をつき、話を戻そうとパチュリーに視線を向ける。
「あまり無理なダイエットは身体にもよくないんじゃないかな。
弾幕ごっこで発散させないといけないくらいストレスがたまってるのなら、できることがあれば相談に乗るけど」
「…………」
「…………」
小悪魔とパチュリーが同時に顔を見合わせた。
それからやれやれと肩を竦める。
「……どうかしたかい?」
「まあお父様に相談するのが一番かもしれませんけどね」
「ストレスの元凶が相談に乗るってのも滑稽よね、ほんと」
どうやらやぶ蛇だったらしい。
霖之助は蛇に睨まれた蛙のように、冷や汗を流した。
……ここで下手に視線を外せば、もっと大変なことになっていただろう。
「前に武器の話をしたことを覚えてるかしら」
「ああ、僕が実験台にされそうになったあれだね」
あれはいつのことだったか。
誰の弱点も突けるという、天人が持つ剣の話をした記憶がある。
「ねえあなた。この場合の武器の定義は、どんなものだと思う?」
「定義か……対象に効率よく効果を与えられるとか、そんな感じかな」
「そうね。結局は手段であり、目的たり得ないわ。大事なのはそれを使ってなにをするのか、ということなのだけど」
「ふむ」
確かに伝説の剣を手に入れるというような英雄譚は、あくまで剣を手に入れたところがスタートラインである。
店でいうなら商品を入荷したところで完結するようなものだ。
……とそこまで考え、霖之助は店に飾ってある草薙剣と、香霖堂の営業状況を思い出した。
もしそれで店主も客も困っていないというのなら、ある意味それでも問題ないのではないか……などと、少しだけ思ってみる。
「でも手段である以上、別の効果的なものが現れる可能性も常に想定しておかねばならない。だから武器は常に状況に合わせ最適化しなければならないのよ」
「うん? まあ、確かに……わからなくもないけど」
霖之助は思わず首を傾げた。
別のことを考えていたせいで話半分にしか聞いていなかったせいもあるが、そもそもパチュリーが何を言いたいのかがわからない。
そんな霖之助を見かねてか、小悪魔が元気よく手を上げて口を開く。
「つまりお母様の武器はこのむちむちボディでおっぱい星人のお父様に対してお母様のおっぱいは強力な武器だけど、他の好みのおっぱいに靡かないように他のところも引き締めたいっていう願望なんですよ! どうですかこの見事な通訳!」
どうだと言わんばかりの彼女の顔は、虚空から現れた本に挟まれ消えていった。
小悪魔を綴じ込んだ身の丈ほどのそれはみるみるうちに小さくなり、やがてパチュリーの手の上へと収まる。
「あなたはよくやったわ。ご褒美に雪原で1週間の休暇をあげる」
本のタイトルにはシベリアとだけ記されててあった。
どうせもいいが、先ほどの武器の話で涙は女の武器だとか言っていたこともついでに思い出した。
この場合の武器は、そっち方面の武器だったらしい。
「なるほど、それでダイエットというわけか」
「何か言いたいことでもあるのかしら」
「いや……」
霖之助はくくと笑い、改めてパチュリーを見つめる。
「僕は今のままで十分だと思うんだけどね」
「ふん。どうだか」
彼女は照れたように視線を外すと唇を尖らせ……そして少しだけ早口で、言葉を続けた。
「……そう言うのなら、行動で示してみなさい」
「了解したよ、パチュリー」
しょうがない、という態度で。
しかし顔はどこか、楽しそうに。
霖之助はパチュリーの手を引いて、図書館を後にし、薄暗い廊下へと消えていく。
僕は君が君であるだけで十分なんだがね、という言葉は。
また次の機会に、伝えることにした。
たまに前のを微修正してみたり。
霖之助 パチュリー 小悪魔
「なんとお母様は今、ダイエットの真っ最中なんですよ!」
図書館に足を踏み入れた霖之助を出迎えたのは、小悪魔のそんな一言だった。
最初で最後の一言。
次の瞬間には、彼女は一脚の椅子へと姿を変えていた。
黒い羽根の模様が施されたそれはまるで抗議をするかのようにカタカタと震えていたが、この図書館の主が乱暴に腰を下ろすと、やがて動きを止めた。
「ちょっと散らかってるけど、気にしないで頂戴」
「ちょっと、ねぇ」
一連の流れを全てなかったことにして、魔女は口を開く。
霖之助は図書館内を見渡し、肩を竦めた。
館内の机は壊れ、床もあちこち損傷している。
こんな状態でも本棚が無事なのは、さすがと言うべきだろうか。
「今日はずいぶんな惨状だね。何かあったのかい?」
「まあいろいろとあったけど、取り立てて気にするほどではないわ」
「一言で言えば、スペルカードダイエットですかね。
適度な運動になりますし、ストレス解消にもなって一石二鳥というやつですから。あ、こちらの席へどうぞ」
仮設のテーブルに勧められて腰を下ろすと、何食わぬ顔で小悪魔が微笑んでいた。
パチュリーは諦めた表情で本を読んでいる。
彼女の椅子に変化はないようだ。
……まさか増えたわけでもあるまい、と思うものの深くは聞かないでおいた。
出されたお茶に口を付け、余計な考えを湯気と一緒に頭から追い出すことにする。
「あ、ちゃっちゃと片してしまいますから少々お待ちください」
「それは別に構わないんだが、今日は珍しくよく働いてるじゃないか」
「失礼ですね、これでも紅魔館で3番目に働き者なんですよ! 1番は咲夜さん、2番目は美鈴さんですが」
言いながら、小悪魔は瓦礫を掴んではぽいぽいと袋に詰めていく。
細腕で軽々とテーブルの残骸を持ち上げる様を見るに、悪魔の名は伊達ではないといったところだろう。
「美鈴の次、というあたりが解釈のしどころだね」
「結果を評価するか姿勢を評価するかで大違いってところかしら」
すぐ近くで掃除中だというのに、ティーカップに埃が舞い込むことはない。
結界でもあるのか、もしくは空間操作の一種か。
それに小悪魔が持っている袋にはどう見ても容量以上の瓦礫が入っているのだが……今更だろう。
悪魔の館では、常識が通用しないのだ。
「ところでパチュリー、どうしてまたダイエットなんかしてるんだい? 見た感じ、別にその必要は無いと思うんだが」
「必要あるかどうかは私が決めるの。理由はそれだけで十分だと思うけど」
「それに男の人の必要ないって、まったくアテにできませんよね」
「……信じられてないってのも釈然としないんだが」
「じゃあやっぱりそこは見た感じじゃなくて触った感じとか言わないと!」
「気にしないで。これはプライドの問題なのよ」
パチュリーは小悪魔の言葉を無視し、ついでに霖之助の言葉にも首を振った。
どうやら聞く耳を持つ気もないらしい
何が彼女をそうさせるのか霖之助が悩んでいると……掃除が終わったらしく、小悪魔が明るい声を上げた。
「はーいお母様、準備完了ですよー」
「ご苦労様」
労いの言葉とともに、パチュリーが手を合わせ、なにやら呟く。
するとみるみるうちに瓦礫が修復され、いつも通りのテーブルが眼前に現れた。
霖之助は仮設の席からいつも通りの席にいつも通りに腰を下ろし、何となく落ち着いた笑みを浮かべる。
……他人の家だというのにこんなに馴染むのは、いいことなのかもしれない。
「それにしても、今回はずいぶん派手に暴れたものだな。
長くお邪魔させて貰っているが、ここまで壊れたのを見たのは初めてだよ」
「そうですねぇ、お父様とお母様の情事でもここまではなかなか」
「人を破壊神みたいに言わないでくれるかしら」
「いくらハーフと魔法使いと言っても、そもそも壊したりしないよ」
「あれ? でもお母様はよく、ダメもう壊れちゃうって言」
言葉の途中で、音が途切れた。
小悪魔はなにやら口を動かしているものの、霖之助のところまで声が届くことはない。
おそらく沈黙の魔法なのだろう。
しかし状況を理解すると小悪魔がなにやらくねくねとしたジェスチャーへと切り替えてきたので、効果はいまいちね……とパチュリーはため息を漏らしていた。
「今日の客は紅白と白黒だったのよ。だからつい、力が入ってしまったわ」
「あの二人が来たのかい?」
「ええ。でもさすがにひとりじゃ分が悪いから、応援を頼んだの」
「私が妹様を呼んでまいりました!」
「……なるほど、それでこの結果というわけか」
「そういうこと。勝ったわよ、もちろん」
そしてえへんと胸を張るパチュリー。
声が戻った小悪魔もなにやらアピールしているようだ。
その4人のタッグ対戦と考えれば、先ほどの部屋の惨状も納得できるというものである。
「しかしよくフランが手伝う気になったね」
「妹様は遊び盛りですからね。ついでにこの勝負に勝てばお父様を紅魔館に呼び込んで家族の一員にできるかもしれませんって言ったら二つ返事でオーケー貰いましたし」
「……安請け合いはよくないな、小悪魔」
「つまり紅魔館の総力をあげてお父様を仲間に引き込まれようとしているのです!
お兄ちゃんが出来るかもって楽しみにしてましたのに、これで断ったら妹様泣いちゃうかもしれませんね!」
「初めて知ったよ、そんなこと」
泣くというか、命の危険にさらされる可能性も見えるのだが。
そんな霖之助の心中を見越してか、悪巧みをするかのように小悪魔が笑みを浮かべた。
「と、外堀を埋めてお父様の逃げ道を奪っていこうという計画なのですが」
「まあ、それくらいでこの男が観念するくらいなら苦労しないけどね」
「……そんな話を目の前でしないでくれないか」
これがほんとの悪魔の笑顔だろうか。
霖之助は大きくため息をつき、話を戻そうとパチュリーに視線を向ける。
「あまり無理なダイエットは身体にもよくないんじゃないかな。
弾幕ごっこで発散させないといけないくらいストレスがたまってるのなら、できることがあれば相談に乗るけど」
「…………」
「…………」
小悪魔とパチュリーが同時に顔を見合わせた。
それからやれやれと肩を竦める。
「……どうかしたかい?」
「まあお父様に相談するのが一番かもしれませんけどね」
「ストレスの元凶が相談に乗るってのも滑稽よね、ほんと」
どうやらやぶ蛇だったらしい。
霖之助は蛇に睨まれた蛙のように、冷や汗を流した。
……ここで下手に視線を外せば、もっと大変なことになっていただろう。
「前に武器の話をしたことを覚えてるかしら」
「ああ、僕が実験台にされそうになったあれだね」
あれはいつのことだったか。
誰の弱点も突けるという、天人が持つ剣の話をした記憶がある。
「ねえあなた。この場合の武器の定義は、どんなものだと思う?」
「定義か……対象に効率よく効果を与えられるとか、そんな感じかな」
「そうね。結局は手段であり、目的たり得ないわ。大事なのはそれを使ってなにをするのか、ということなのだけど」
「ふむ」
確かに伝説の剣を手に入れるというような英雄譚は、あくまで剣を手に入れたところがスタートラインである。
店でいうなら商品を入荷したところで完結するようなものだ。
……とそこまで考え、霖之助は店に飾ってある草薙剣と、香霖堂の営業状況を思い出した。
もしそれで店主も客も困っていないというのなら、ある意味それでも問題ないのではないか……などと、少しだけ思ってみる。
「でも手段である以上、別の効果的なものが現れる可能性も常に想定しておかねばならない。だから武器は常に状況に合わせ最適化しなければならないのよ」
「うん? まあ、確かに……わからなくもないけど」
霖之助は思わず首を傾げた。
別のことを考えていたせいで話半分にしか聞いていなかったせいもあるが、そもそもパチュリーが何を言いたいのかがわからない。
そんな霖之助を見かねてか、小悪魔が元気よく手を上げて口を開く。
「つまりお母様の武器はこのむちむちボディでおっぱい星人のお父様に対してお母様のおっぱいは強力な武器だけど、他の好みのおっぱいに靡かないように他のところも引き締めたいっていう願望なんですよ! どうですかこの見事な通訳!」
どうだと言わんばかりの彼女の顔は、虚空から現れた本に挟まれ消えていった。
小悪魔を綴じ込んだ身の丈ほどのそれはみるみるうちに小さくなり、やがてパチュリーの手の上へと収まる。
「あなたはよくやったわ。ご褒美に雪原で1週間の休暇をあげる」
本のタイトルにはシベリアとだけ記されててあった。
どうせもいいが、先ほどの武器の話で涙は女の武器だとか言っていたこともついでに思い出した。
この場合の武器は、そっち方面の武器だったらしい。
「なるほど、それでダイエットというわけか」
「何か言いたいことでもあるのかしら」
「いや……」
霖之助はくくと笑い、改めてパチュリーを見つめる。
「僕は今のままで十分だと思うんだけどね」
「ふん。どうだか」
彼女は照れたように視線を外すと唇を尖らせ……そして少しだけ早口で、言葉を続けた。
「……そう言うのなら、行動で示してみなさい」
「了解したよ、パチュリー」
しょうがない、という態度で。
しかし顔はどこか、楽しそうに。
霖之助はパチュリーの手を引いて、図書館を後にし、薄暗い廊下へと消えていく。
僕は君が君であるだけで十分なんだがね、という言葉は。
また次の機会に、伝えることにした。
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なんだかんだ愛し愛されてる二人が何ともほっこりします。
柔らかそうなパチュリーを霖之助が好みに仕立てていけばいいんじゃないですかね!
しかしそれにしてもこの小悪魔、やっぱりはっちゃけててへこたれないし下ネタだしで最高ですw
柔らかそうなパチュリーを霖之助が好みに仕立てていけばいいんじゃないですかね!
しかしそれにしてもこの小悪魔、やっぱりはっちゃけててへこたれないし下ネタだしで最高ですw
No title
タッグ戦は小悪魔かと思ったら妹様とは・・・恐ろしいw
そして徐々に逃げ道をなくされていく霖之助w
この二人は相変わらず傑作ものです!
最後に小悪魔×霖之助が少ないような・・・と言ってみるw
そして徐々に逃げ道をなくされていく霖之助w
この二人は相変わらず傑作ものです!
最後に小悪魔×霖之助が少ないような・・・と言ってみるw
No title
久しぶりの小悪魔シリーズ!! やっぱりこの3人のやり取りは最高ですねwww
霖之助のために自分を磨き続けるパチュリーの健気なこと健気なこと。ライバルはあきらめの悪そうな奴らばかりですから、彼女も気が抜けないでしょうな(笑) 今回はフランが増援に来てくれましたけど、最終的には紅魔館&地霊殿組VSその他とかの争いになりそうですな(ガクガクブルブル)
・・・やったねフランちゃん、家族が増えるよwww
霖之助のために自分を磨き続けるパチュリーの健気なこと健気なこと。ライバルはあきらめの悪そうな奴らばかりですから、彼女も気が抜けないでしょうな(笑) 今回はフランが増援に来てくれましたけど、最終的には紅魔館&地霊殿組VSその他とかの争いになりそうですな(ガクガクブルブル)
・・・やったねフランちゃん、家族が増えるよwww
No title
女性は肉付きがある方がいいと思いますよ(殿方の食いつき的な意味で)
だからパチュリーさんも無理なダイエットはせずにそのワガママバディを霖之すk(本のカド
・・・紅魔舘メンバーによる包囲網が着々と出来ている様でもうドキドキもんですねw
だからパチュリーさんも無理なダイエットはせずにそのワガママバディを霖之すk(本のカド
・・・紅魔舘メンバーによる包囲網が着々と出来ている様でもうドキドキもんですねw