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夢見る宝石箱 第01話

書きたかったアリアリ霖。そして魔界編。
鋼線っていいよねっていう。

掌くるみさんに挿絵を描いていただきました。
感謝感謝。


霖之助 アリス アリス









「なに、これ」


 香霖堂に足を踏み入れるや否や、アリスは目を丸くした。
 二の句が継げないまま店内を見回していると、霖之助がようやく気づいたかのように顔を上げる。

 ……座り込んで作業中だったのは仕方ないとしても。
 店としては、少々問題があるのではないだろうか。


「やあ、いらっしゃいアリス。すまないね、散らかってて」
「香霖堂が散らかってるのはいつものことだけど……。
 どうしたのよ、霖之助さん。足の踏み場もないじゃない」


 言葉通り、香霖堂の床は見渡す限りの道具で埋め尽くされていた。
 庭にまではみ出してないのがせめてもの救いではあるものの……。

 どこからどうやっても、商売をする気があるようには見えそうにない。


「見ての通りさ。今日は大漁だったんだよ。無縁塚に行ったら、なんだかたくさん流れ着いてたみたいでね」
「だからって……普通、こんなに持ってくるかしら」


 以前も何度か入荷物で溢れた香霖堂というものを見たことがある。
 しかしあの時はこれほど多くはなかった。

 よくここまでまとまって流れ着いたと感心しつつも、まるで手当たり次第に持ってきたような量に苦笑しか出てこない。

 しかしそんな彼女の思考を読んでか、霖之助が口を挟んだ。


「勘違いしてはいけないよ、アリス。僕はあくまで無縁塚を清掃してきただけだ。
 残しておいてもそれこそ本当にゴミとなってしまうからね。
 僕が通りがからなかったらただ朽ちるだけの運命だったかも知れないんだ。
 また見方を変えればそれは僕に拾われるという運命だった可能性もあり……」
「ああもう、その辺のところはどうだっていいわよ」


 異を唱える店主に、アリスはため息。
 ここで下手に追及しても屁理屈を捏ねられて有耶無耶にされるのは目に見えている。
 彼に舌戦で勝とうとするくらいなら、盆栽を観察していた方がいくらか有意義というものだ。

 惜しむらくはその才能が商売の方向にあまり生かされてないことくらいか。


「見てごらん、この小物入れとかたいした物だろう? 独特の意匠はさぞ名のある名工の手によるものに違いないよ。
 こんな品物が流れ着くなんて、よっぽどのことだと思うね。
 つまり、持ち帰ってじっくり調べてみる必要があるとも思ったわけで」
「どっちかというとそっちがメインよね、霖之助さんの場合」
「いいや、それは違うよ。あくまで僕は……」


 来客より検品を優先する霖之助に、少しのトゲを向けるアリス。
 これもある意味彼らしいのだが、本日の目的である針の購入はもう少し先になりそうだ。

 仕方なく肩を竦め、アリスは足下に散らばる道具に目を向けた。


「……これ、ひょっとして魔界の道具かしら」
「ああ、どうやらそうらしいね。僕も詳しいわけじゃないからはっきりとは断定できないんだけど……。
 そう言えばアリス、君は魔界出身だったかな?」


 期待をこめた目で見つめてくる嬉しそうな霖之助に、思わず苦笑で返すアリス。


「ええ、そうよ。だからちょっと、見覚えがあって」
「それはよかった。使い方のわかる道具があったら是非教えてくれないかい?」
「別にいいけど……さすがに専門的な道具まではわからないわよ」


 肩を竦め、答える。
 ……しかしアリスは同時に妙な胸騒ぎを感じていた。

 彼がどこかに行ってしまいそうな。
 そんな予感を。


「……気をつけてね、霖之助さん」
「わかっているさ。調べもしないのに壊してしまってはもったいないからね」
「そうじゃなくて……なんていうか、とにかく気をつけて」
「ああ、取り扱いには細心の注意を払っているよ」


 いつもの笑み。いつものやりとり。
 どこもおかしいところはない。


「魔界の道具と言っても、こっちの世界とあまり変わらないものも多いね」
「当たり前でしょ。魔界の住人もこっちの人妖も、姿形はほとんど一緒なんだから、そんなに違うはずないじゃない」
「それもそうだ。ただやはりというか、魔力を動力とする道具は多そうかな」
「うーん、確かにそうかも」


 アリスは足下に転がっていた道具を拾い上げた。
 思い返してみると、確か水を浄化する道具だったはずだ。

 話の通り、動力は魔力である。


「あっちは空気中の魔力濃度が違うから、魔力を取り出しやすいのよね」
「なるほど。例えばこのコーヒーポットも、魔力で動かすのかな」
「ええ、その中に水を入れておくの。でもそれくらい貴方も持ってるでしょう?」


 首を傾げながら、アリスは持っていた道具を机の上に置いた。

 ……それにしても、もう少し片付けながらチェックすべきではないだろうか。
 先程から一向に足の踏み場が増える気配がない。


「同じ効果を目指したとしても、やはりアプローチと設計思想の差は如実に表れるものだからね。実に興味深い」
「そうかしら。私はそこまでは興味ないけど」
「まあその辺は個人差だね。しかしなかなかどうしてたいしたものだ。やはり魔界独特の品はものが違う気がするよ」


 霖之助の言葉に、アリスは思わず口元を弛めた。
 自分の出身たる魔界のものを褒められれば、悪い気はしない。


「ほう、この道具は物質の原材料を解析することが出来るそうだ」
「そんなもの知ってどうするのよ。あと使い方はわからないわよ」
「ふむ、それは残念。おや、こっちの剣の効果は……」
「剣ねぇ。刃物に触って怪我しないでよね」
「…………」
「……霖之助さん?」


 突然返答がなくなったことを訝しみ、アリスは彼に一歩近づいた。
 先程までせわしなかった彼の動きが、ぴたりと止まっている。

 その手には、先程話題に上りかけたらしい一振りの剣。


「霖之助さん、どうかしたの?」
「…………」


 繰り返し、尋ねる。
 だが彼は返事の代わりにある行動を起こした。

 剣を鞘から抜き放ち、掲げる。
 たったそれだけで、周囲に魔力が収束していく。

 驚愕は一瞬。

 それが何を意味するのかを察知すると、アリスの行動は素早かった。


「上海!」


 相棒とも言える人形の名を呼ぶ。
 上海人形は彼女の思惑通り、霖之助に抱きついた。

 質量が増えた事による一瞬のぶれは、しかし圧倒的力によって修正される。


「消えた……」


 霖之助は上海人形ごと転移したようだ。

 どうやらあの剣は空間操作系の能力を持った魔剣だったらしい。
 アリスは素早く状況を整理すると、上海人形の気配を探る。

 人形とはいえ、長年連れ添った相棒だ。
 自分の魔力が染みついているため、多少距離があっても居場所を感知することが出来る。


「……この方向って」


 探知は成功。
 だがその結果に、言いようのない不安を抱く。


「でも……放ってはおけないわよね」


 アリスは思わず駆け出していた。
 店に散らばる道具達に、作為的なものを感じながら。











 鬱蒼とした森を抜け、再思の道を奥に進む。
 幻想郷の端の端。
 結界が弛みかけた、何が起こるかわからない、そんな場所。


「見つけた!」


 目的の場所……無縁塚で、アリスは見慣れた姿を確認した。
 上海人形を呼び戻し、油断なく臨戦態勢を取る。


「霖之助さん、何をするつもりなの?」


 彼の近くに降り立ち、質問を投げかけても……答えはない。
 彼は虚ろな瞳のまま、なにやら儀式めいた行動を取っていた。


「……あの剣に操られてるのかしら」


 疑惑に満ちた瞳で、アリスは霖之助の手元に視線を送る。

 魔界の物、と彼は言っていた。
 空間操作の能力を持つ魔剣。

 見ると、霖之助の足下に精緻な文様が浮かんでいる。
 どうやら魔界文字のようだ。解読するまでもなく……その目的をアリスは察する。


「上海、お願い」


 上空に上海人形を放り投げるアリス。
 上海はアリスの魔力を受け空中で静止すると、霖之助の足下目がけて一条のレーザーを放つ。

 条件反射の自己防衛だろう、霖之助は予想より素早い動きでそのレーザーを回避した。
 だがその拍子に、足下の位置に浮かんでいた魔界文字は音もなく霧散する。
 描かれていた内容は……転送用の、魔方陣。

 目的地まではわからなかったが、わざわざ結界の綻んだ無縁塚から転送しようとするあたり、どのみち遠くなのは間違いないだろう。


「話を聞く気になってくれたかしら」


 ゆっくりと霖之助はアリスへ振り返る。
 どうやら彼女を邪魔者と認識したようだ。

 だがアリスとしてもこのまま彼を放置しておくわけにはいかない。

 ……彼を連れて行かれるわけには、いかない。


「!!」


 刹那の踏み込みを避けられたのは、まさに僥倖というものだった。
 一瞬前までアリスがいた空間を、無機質な金属が薙ぎ払う。


「本気……みたいね」


 霖之助の太刀筋に感嘆のため息を吐くと、アリスは改めて彼を見据えた。

 その瞳に彼の意志はない。
 あるのはただ、皎々とした魔力の輝き。

 そこに誰かの意図が絡んでいるのは明白だったが、あいにく犯人に心当たりはない。
 もしこれがスキマ妖怪の仕業だったとしたら……もっとスマートにやるだろう。
 少なくとも、アリスに追いつかれるようなヘマはしないはずだ。

 それに香霖堂に散らばる魔界の道具達。
 それには今回の真犯人が絡んでいるはずだった。
 もしかすれば、あの剣を拾わせるための餌だったのかもしれない。

 ……しかし、今はそんな事を考えている暇はない。


「やるしかない、か」


 アリスはふっと笑みを浮かべる。

 急いで来たため、手持ちの人形はあまり多くない。
 狙うは短期決戦。


「本当にもう、次から次へと面倒ごとに巻き込まれるんだから」


 異変解決の基本は、奇しくも巫女や白黒や魔法使いを見て覚えている。
 すなわち……。

 まず一度ぶっ飛ばしてから、話を聞く事。


「ある程度の衝撃は覚悟してよね、霖之助さん!」
「…………!」


 アリスは魔力の糸を手繰り、数体の人形を展開した。
 人形達はそれぞれ槍や剣を構え、霖之助と対峙する。

 対する彼も、構える姿勢に油断も隙もない。
 集まる魔力から察するに、短期決戦はあちらも同じのようだ。


「こっちとしても好都合だけど……」


 アリスはひとり呟くと、人形達で牽制しながら距離を詰めていく。
 剣戟の音をBGMに、舞うように刃を交えるふたり。

 とはいえ直接アリスが刃を振るうのではない。
 使役する20近くもの人形達。それぞれが別の生き物のように彼へと休む間もなく波状攻撃を加えていく。

 複数の魔法の同時行使。マルチタスクは魔法使いとしてごく初歩のスキルだ。
 そしてアリスが行っている魔法は、人形による近接攻撃だけではない。

 人形からの攻撃を受け流そうと、霖之助は一瞬動きを止めた。
 わずかな綻びを縫うように、アリスは流れるような動作で人形を放り投げる。


 ――魔操『リターンイナニメトネス』


 投げられた人形は、自己を起点に貯め込まれた魔力を解放させる。
 魔力は衝撃を生み、それは爆発となって彼を容赦なく責め立てた。


「さて、どうかしら」


 初っ端から出し惜しみのないその青白い爆発に、アリスは満足げな表情を浮かべる。
 しかし。


「……あら、意外と固いのね」


 障壁を展開したのだろう。
 霖之助の周囲には視認できるほどの魔力壁が生じていた。

 あわよくば、とも思ったのだが、そんな楽な相手ではないらしい。


「普段の霖之助さんも、これくらいしっかりしてくれるといいのだけど」


 アリスは軽口を叩きながら、4体の人形から一斉にレーザーを放った。
 だが先程と同様、彼が作った障壁に攻撃は阻まれる。

 遠距離攻撃では効果が薄いようだ。魔界の剣の効果だろう。

 それほどの効果なら有名な武器でありそうなのに、アリスに見覚えはない。
 ひょっとしたら最近作られたものかもしれない。
 誰がなんのためにかは……わからなかったが。


「ふっ!」


 魔剣の一閃を、紙一重で避ける。

 髪の数本が持って行かれたが、気にしてはいられない。
 ……いや、それはあとで責任を取ってもらうとして。


「おちおち考え事もしてられないか」


 やることはただひとつ。
 直接攻撃を以て、剣を破壊する。


 ――戦操『ドールズウォー』


 今までと数倍するほどの軍勢。
 手持ちほぼすべての人形を放出し、直接彼へと斬りかかっていく。

 無数の人形を攻撃は、避けられるものではない。
 アリスの期待通り、かの魔剣に傷を負わせ、着実に力を削いでいく。


「いい加減に目をさましてよね、霖之助さん……!」


 狙うは武器破壊。
 だが相手も大人しく破壊されてはくれないらしい。

 空間からいくつもの光弾を生み出し、またあるいは剣撃を放ち、押し返そうと踏みとどまる。

 しかしそこでアリスは次の手を打った。
 これだけ空間が不安定なら……逆に利用すればいい。


「ゴリアテ!」


 アリスの叫びとともに、虚空から現れたのは自立人形の巨大な剣。
 呼び出せたのはそれだけだったが、それで十分だった

 正面からの攻撃を、剣で受ける霖之助。
 いや、受けるように仕向けたのだ。

 圧倒的質量に、金属の軋む音が聞こえる。
 そしてアリスは確かに、あの魔剣にひびが入るのを目視した。


「……勝負あり、かしら」


 空間を戻し、彼に近寄る。
 刀身にダメージを負ったせいか緩慢な動きで霖之助は顔を上げた。

 しかし。


「なんてこと……」


 折れかけた魔剣は、突然空間に亀裂を生じさせ、その中へ半身を埋めた。
 やがてみるみるうちに金属は輝きを取り戻し、元の姿へと戻っていく。

 認識すべきだった。

 対峙するのは、空間を操る魔剣。
 そしてここは、結界の綻んだ場所、無縁塚。

 もしかすれば、この場所で戦ったこと自体が間違いだったのかもしれない。


「そんな……」


 人形を出し尽くし、がくりと膝をつくアリス。
 手持ちのカードが完全に切れたわけではないが、有効な手段となると……。


「…………」


 動かない彼女を、興味を失ったかのように霖之助は踵を返した。
 そして始まる、転送の儀式。

 その瞳はすでにアリスを見ておらず。

 まるで愛想を尽かされたようで。

 なんだかとても、悲しかった。


「……まだよ」


 アリスは全力を出さないことを常としてきた。
 全力で戦って負ければ、後が無いからだ。


「まだ、終わってないわ」


 けれど、再びアリスは立ち上がる。


「霖之助さんがいなくなったら……それこそ、あとがないのよ!」


 五指を伸ばし、魔力の糸を伸ばす。

 糸の先に人形はない。
 本気で戦うのは、人形ではない。

 それは他ならぬ、彼女自身なのだから。


 ――魔人『アリス』


 魔力で編んだ糸は実体化し、鋼を超える強度を持つ。

 ひとつの指につき数本。
 両の手で数十を超えるそれは、風を切る音とともに霖之助目がけて襲いかかった。


「…………!!」
「遅い!」


 事態に気づいた時には後の祭り。
 魔人と化したアリスは彼が行動を起こす間もなく、彼の手と剣を雁字搦めに絡め取った。


「くっ……」


 アリスは霖之助に肉薄し、まるで抱きしめるように動きを止める。
 アリスの編んだ糸は繭と化し、剣の魔力を無理矢理中和していく。

 暴れる彼と、零距離からの魔剣の攻撃に手を焼きながらも……。
 ただアリスはじっと耐え、両の腕に力と魔力をこめる。

 そして。

 キン、と耳を付く金属音。
 手の中の圧力が消え、同時に彼の動きも突然止まる。

 糸の切れた人形のような感覚。
 そこでようやくアリスは気づいた。


「やった……の……?」


 今度こそ、終わったのだと。

 力尽きて膝を付き、魔力の糸を解く。
 見ると、魔剣は中程から真っ二つに折れていた。
 先程の音はこれだったのだろう。

 そして支えを失った霖之助が姿勢を崩す。


夢見る宝石箱


「……アリス?」
「何かしら、霖之助さん」


 アリスにもたれかかるように倒れる彼を、そっと抱き留めた。
 その瞳には確かな意志の光。

 だがいつもより弱々しいのは……無茶をさせられたからだろう。


「僕は、どうしたのかな」
「夢を見てたのよ」


 大きく息を吐いた。
 それから彼の額に手を置き、ゆっくりと紡ぐ。

 膝枕をするような姿勢で、瞳を合わせるふたり。
 先程までの喧噪が嘘のように、周囲は静まりかえっていた。


「……ちょっとだけ、悪い夢を……。すぐに醒めるわ、霖之助さん」
「そう……か……」


 霖之助が疲れたように瞳を閉じる。
 あれだけ動けば無理もない。

 ただでさえ、普段動いてないのだから。


「……おやすみ、霖之助さん」


 アリスも長いと息とともに、意識が沈んでいくのを感じていた。
 さすがに魔力が枯渇している。

 だけど少し休めば……きっと大丈夫だろう。


 そして目を開けたら、いつもの日常に戻るのだと。
 そう、信じて。















 気を失ったふたりの側で、異界の扉が開く。
 結界の綻びはすぐに修復されるものの、そこに再び扉を開くことは彼女にとって造作もないことだった。


「あーあ、壊れちゃった」


 たいして残念そうでもなく、現れた少女は肩を竦める。

 明るい金髪、白のブラウス、青いスカート。
 年の頃は10歳ほどに見える。
 見た目に限って言えば、だが。


「それにしても、この子が止めに入るなんて」


 少女は足下で倒れるアリスを見下ろした。

 アリス。
 彼女がかつて少女の幻想を萃めて作った、この人形。

 背は高くもなく、低くもなく。
 胸の大きさは邪魔になるほどではなく、カタチを第一に。

 白磁のような肌と、宝石のような瞳。
 まるで人形のような……完璧な造形。

 少女が夢見る、幻想のような少女。

 当然だ。そういう風に造られた人形なのだから。
 魔界人の記憶と力を与えられた人の複製。

 例えるなら……そう、宝石箱だろうか。

 予想外だったのは、幻想郷の空気のせいか早々に自我を持ち妖怪化したことだが……。


「まさか自分で作った人形に邪魔されるとは思わなかったな」


 そう呟くと、少女は折れた剣を手に取った。
 せっかくのお膳立てが水の泡だ。


「この人を魔界に招待しただけだったのに、残念」


 少女はアリスの膝の上で眠る霖之助に視線を止める。
 しばらく何事か考えると、やがて彼女は振り返った。


「別にいいか。次があるものね。じゃあまた、私のお人形さん」


 そう言い残して、何処かへと姿を消す。
 ひらひらと手を振りながら。

 まるでまた会おうと言わんばかりに。

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非公開コメント

No title

このアリスさんの行動原理、どこかで見た事があるぞ……そうだ、某魔砲少女のお話聞かせて!だ!!

というかアリスさんが……愛されるフラグだと!?

No title

他人のために図らずも主人と対峙する展開って燃えるよね!このあと人形であることに苦悩するアリスさんとかね!うっひょう!

No title

操られていたとはいえ、闘う霖之助はやっぱり格好いいなぁwww
・・・まぁ戦闘までこなすようになったら、人気がまた上がって
霖之助スキーの少女達が困るんでしょうけど(笑)

オリジナルVSコピーとか創造主VS作り物とかって燃える展開ですね!
戦闘だけでなく恋愛でも勝負しないといけないであろうアリスには
頑張って欲しいです
プロフィール

道草

Author:道草
霖之助がメインのSSサイト。
フラグを立てる話がメインなのでお気を付けください。
同好の士は大ウェルカムだよね。
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