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子悪魔シリーズ13

いろんなプレイスタイルがあっていいと思います。
もちろん深い意味はありません。ええ。


霖之助 パチュリー 小悪魔









「愛が愛を重すぎるって理解を拒みましたか?」


 どうや、と言わんばかりの小悪魔の顔。
 その視線に、霖之助は首を傾げた。


「……すまない、まず君の言葉が理解できないんだが」


 読んでいる本が途中だったのだが、無視したほうが被害が大きくなると判断したせいだ。
 パチュリーはいつも通り、我関せずといった表情である。


「でーすーかーらー」


 ぶんぶんと腕を振り回しながら、彼女は力説した。
 どうでもいいが、接続詞の使い方が間違っている気がする。


「愛故に行きすぎた行為をしたことがあるかって聞いてるですよ、もう!」
「何故そうなるかわからない上に僕が怒られる理由も不明なんだが。
 ……愛故に、ねぇ」
「ええ、愛故にです」
「例えば、どんなのだい?」
「そうですねぇ」


 うーん、と小悪魔は頭を捻る。
 そして霖之助とパチュリーを、交互に眺める。


「僕のことを愛してるなら大丈夫って言う理由で、人前でえっちなことしたりとか」


 チラッ。


「愛故に、無理矢理違う穴に入れてみたりとか」


 チラチラッ。


「愛故に、下着無しで過ごすことを強要してみたりとか……」


 ジーっと見て……ため息。


「……なんだ、いつものおふたりでした。
 面白みがないですね」
「いやその理屈はおかしい」


 思わず霖之助は立ち上がっていた。
 不名誉な噂を流されてはたまったものではない。


「どれもやった記憶がないよ」
「えっ、だって……」


 小悪魔は心底驚いた表情で声を上げた。
 ……そんな顔をされると、やったことがあるように思えてくるから不思議だ。


「感覚共有してるのをいいことに、これ見よがしにネチョネチョとですね」
「あれはもう諦めてるからノーカウントだ」
「なんだ、てっきり新たな露出かと思ってたんですが」


 彼女は大きくため息を吐いた。
 ……ため息を吐きたいのは霖之助の方だというのに。


「違う穴には……」
「無理矢理入れた覚えはない」


 むしろパチュリーから言われて……と言いかけ、思い直す。
 下手なことを言うものではない。


「最後の服については……」
「あ、それは私の間違いです、すみません」


 珍しく……本当に珍しく、小悪魔から頭を下げた。
 思わず霖之助は驚きの表情を浮かべる。


「パチュリー様は、いつも下着付けてないですからね」
「……ん?」


 そしてその驚きは、すぐさま別のものへと変わった。


「小悪魔の言葉にいちいち惑わされるのがあなたの悪いところよ」


 振り向いた霖之助の視線を、パチュリーは軽く受け流す。
 その声はいつも通り、安心感のある響きだった。


「ああ、すまない」
「えー。ひどいですよお母様!」
「……大人をからかうもんじゃない」
「あら、別にからかってるわけじゃないわ」


 霖之助の言葉を否定したのは、予想外なことにパチュリーだった。
 大したことではない、と言うように言葉を続ける。


「……だって、下着付けてないのは本当だし」
「え?」


 思わず絶句する霖之助。
 何故? という疑問に答えたのは、小悪魔の声だった。


「ああ、それはですね。
 お父様といるだけでお母様は身体の芯から火照って濡れ」


 瞬間、鈍い音が地下図書館に響き渡った。

 図書館には当然ながら本が多い。
 従ってパチュリーが室内で使用するのは、主に土か金の属性である。


「静かになったわね」
「……そうだな」


 倒れた小悪魔と、彼女の頭に落ちた巨大な金ダライを見て、パチュリーはそう漏らした。
 霖之助もひとつ頷くと、肩を竦めて手元の本に視線を戻す。


「まあそれはそれとして、ついこの間のことなんですけど」


 何事もなかったかのように、小悪魔が隣に立っていた。


「……最近復活が早くなった気がするよ」
「いやぁそれほどでも」


 照れる小悪魔に、霖之助は肩を竦める。
 別に褒めてはいないのだが。


「で、この間何があったんだい?」
「そうそう、そうなんですよ。
 お父様が来てるとき、咲夜さんがお母様を呼びに来たことがあったでしょう」
「ああ、そんな事もあったね」


 確か、先々週のことだ。
 レミリアがお茶をするから、とパチュリーを呼び出したのだった。

 呼びに来た咲夜に霖之助も誘われたのだが、丁重に辞退しておいた。
 親友同士の会話に割って入るものではないだろう。


「歩いている途中でパチュリー様が何かの拍子に転んでしまったんですけど。
 その時偶然スカートがめくれてしまったんですよね」


 思い出しながら、小悪魔は語る。
 霖之助は早速聞かなければよかったと後悔していた。


「咲夜さん、顔真っ赤にしてましたよ。一体どんな想像したんでしょうね。
 ねえお父様。直前までおふたりでいたってことはつまり」
「いや、気付いてたなら対処をだね」
「見てたなら助け起こしなさいよ」


 ふたりの言葉に、しかし彼女は視線を逸らす。


「えー。だって面倒くさいですし」


 忠誠心のカケラもない言い草に、霖之助は絶句してしまう。
 だが当のパチュリーに、特に気にした様子はない。

 ……今に始まったことではないと言うことだろう。


「そう言えば、今更なんだが……」


 彼女の話題が出たので、ついでに聞いてみることにした。
 ずっと気になっていたのだ。


「レミリアは、僕が来ることをどう思っているのかな」


 挨拶を交わすし、香霖堂の上客でもある。
 しかしパチュリーに会いに屋敷に来たときに……咲夜にはよく会うが、レミリアと会話することはほとんど無い。


「別に、どうも思ってないわよ」
「そうかい?」


 パチュリーの返答に、とりあえず胸をなで下ろす。
 次に、小悪魔に視線を向けた。


「私はそれほどお会いするわけじゃありませんからわかりませんけど」


 それもそうか、と霖之助は考えた。
 レミリアは当主であり、小悪魔はパチュリーの使い魔である。

 ……いや、正確にその関係かはよくわからないのだが。


「お母様が規則正しい生活をしてくれるようになってよかった、とか……」
「規則正しい、ねぇ」


 霖之助が来る前は一体どんな生活をしていたのだろうか。
 ……気にはなるが、知らないほうがいいだろう。

 何より知ってしまったあとでパチュリーに何をされるかわかったものではない。



「でも私と悪魔属性が被っているのがイヤって言ってました。
 もっとレアでいいのにって、お嬢様が」


 そこで言葉を切り、小悪魔は霖之助の反応を待った。
 しばらくして、キッとパチュリーを睨み付ける。


「お母様が余計なこと吹き込むから、お父様が相手してくれなくなったじゃないですか!」
「余計とは何よ」
「だってお父様、からかうと面白……」


 ハッと気付いたように、口を噤む小悪魔。
 ……ほとんど聞こえているのだが。


「ま、その気持ちはわからなくもないけどね」
「わからないでくれ」


 霖之助はがっくりと肩を落とした。
 まったく……逃げ場はないのだろうか。


「本当に、たいしたことは言ってないわよ。
 ……どうせ地下に行くなら、フランの相手をしてくれると嬉しいのだけど、っては言ってたけど」
「フランドールか」


 紅魔館の地下にいる、レミリアの妹。
 何度か相手をしたことがあるし、レミリアが彼女を気にかけてるのもわかっている。

 お互い憎々しく思っているわけではないだろうに……。
 なかなか上手く行かないことだ。


「ま、妹様の相手は小悪魔にさせるからあなたはここにいて頂戴」
「え? 私ですか?」


 突然話題に上った小悪魔は驚いた声を上げる。
 そして迷うことなく、あっさりと頷く。


「いいですけど、あることないこと吹き込みますよ?」
「……やっぱりやめておくわ」
「ないことは駄目だろう」
「ん~、じゃあ……お父様とお母様の性生活を、余すところなく」
「それも駄目だ」


 首を振る霖之助とパチュリーに、小悪魔は指を突きつけた。


「あれも駄目、これも駄目でどうしろと言うんですか!
 じゃあいっそこの際妹様を立派なサキュバ」
「これでよし」


 瞬間、小悪魔は水晶で包まれていた。
 パチュリーの土魔法だろう。

 さすがに動けなくては喋れないし……しばらく復活してくることもなさそうだ。


「忘れてたわ。
 前もこうしてダメになったのよね」
「……なるほど」


 身に染みてよくわかった。
 というか、小悪魔の性格は前から変わっていないらしい。


「レミィには適当に言っておくわ」
「そうかい?」
「ええ」


 それだけ言うと、パチュリーは読書を再開した。
 霖之助もそうしようとして……呼び止められる。


「ところで」


 本から顔を上げず、パチュリーが呟く。


「今研究中の、母乳の出る魔法なんだけど。
 ……ちょっとだけ、試してみない?」

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No title

パチュ霖の波に誘われて登場!
とりあえずいい親子漫談wというか小悪魔自重w
最後のほうになるにつれて糖度が増していく感じがたまらんですw
最後の魔法はどう実験するのか気になりますね~ww
これからも頑張ってください、応援していますw

No title

あ、やっぱり違う穴は試したんですね。以前そんな話g(ry
アブノーマルな物もクールに試すパチュリーや霖之助は勉強熱心ですね。医学的ですね。

今回の被害者は咲夜さん。

母乳魔法きた!これで勝つる!
ミルクを搾りながら別のミルクを搾られるわけですね分かります

No title

どんどんアブノーマルになるなw
愛があればなんでもよいのですね

No title

最近このシリーズが楽しみで仕方ない

No title

何故UVERworld
いいぞもっとやれ

小悪魔がはっちゃけてるようで自重してるしなぁ…。
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道草

Author:道草
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フラグを立てる話がメインなのでお気を付けください。
同好の士は大ウェルカムだよね。
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