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子悪魔シリーズ11

たまにはこんなアプローチ。
プレイとも言う。


霖之助 パチュリー 小悪魔









「お父様、お茶が入りました」
「ああ、ありがとう」


 紅魔館にある地下図書館。
 揃って本を読んでいる霖之助とパチュリーに、小悪魔は湯飲みを差し出した。


「お母様、どうぞ」
「……あら、今日は緑茶なのね」
「はい、それと羊羹です……けど」


 お茶とお茶受けの入ったお盆を置き……小悪魔は首を傾げる。
 先ほどから覚えているこの違和感。

 その正体が、ようやくわかりかけた気がした。


「えっと……。
 おふたりとも、何かあったんですか?」
「何かって、何だい?」
「何かあったように見えるのかしら」
「ええ、まあ……」


 ふたりに尋ねられ、小悪魔は戸惑いながら頷く。

 そう言えば、いつもよりふたりの距離が離れている。
 険悪な空気が、その間から漂ってきた。


「まるで喧嘩してるように見えますね」
「喧嘩か。確かにね」
「そう見えるのなら、そうなんでしょうね」


 気まずい。
 実に気まずい。

 つい先ほど、お茶を汲みに行く前にはまだ仲良かったというのに。
 ほんの10分間で、何があったというのか。


「お父様、喧嘩したらとりあえず謝っちゃえばなんとかなるって新聞に書いてありましたよ。
 いい機会だから実践してみたらどうです?」
「原因、対策、対処法。すべて把握済だよ。
 どこかの魔女が聞く耳を持ってないこと以外はね。
 それに僕は何も悪くないから謝る必要がないな」


 小悪魔は霖之助にそう囁くが、ただ首を振るばかり。
 仕方ないので次にパチュリーへと身を寄せる。


「お母様、ここは多少の事を包み込んで許してあげる器の大きさと母性を見せるチャンスですよ」
「事はそう簡単じゃないのよ。 
 私の傍に何十年もいて何を学んでいたのかしらね」


 聞こえるように放たれた彼女の言葉に、霖之助がムッとした表情を浮かべる。


「リスクとメリットの釣り合わない実験はただの無謀と言っているんだよ」
「リスクのない魔法実験なんて存在しないわ。
 そんな簡単なこともわからないのかしら」
「……魔法? ああ、そういうことですか」


 言い合うふたりに、しかし小悪魔はようやく納得がいったという顔をしていた。


「なんだ、てっきりお父様がどこかの女に手を出して、
 三年目の浮気を大目に見るかどうかで揉めているのかと……」
「……君は僕をなんだと思ってるんだい」
「いやぁ、アハハ」


 小悪魔は笑って誤魔化すと、改めて霖之助に向き直った。

 先ほどの事を思い出す。
 お茶を汲みに行く前は……確か、何かの魔法について議論をしていたはずだ。


「お父様、何の魔法を研究してたんですか?」


 霖之助に話を振ったのは、説明してくれるだろうと思ってのことだった。
 その予想通り、彼は面倒くさそうな仕草をしながらも解説のために言葉を探す。


「……新しく寺ができたのは知っているだろう?」
「ええ。先日聞きました。
 なんでも人間と妖怪の平等を唱えてるとか……」
「ああ、そんな事が可能かは……今話すことではないな。
 そこの住職が、若返りの魔法を使うという話があってね」
「若返りの魔法……ですか。
 つまりそれを再現しようと研究していたと」
「……まあ、そんなところだ」


 ため息をつく霖之助。
 パチュリーが何も言わないことを見ると、その通りなのだろう。

 そして……何かがあった、と。


「なるほどわかりました」


 沈む空気に、あえて小悪魔は明るく声を上げる。


「お母様が若返りの魔法を使おうとしたところで、
 大きなおっぱい大好きなお父様が反対したんですね!
 ダメですよ、ボインはお父ちゃんのためにあるんじゃないんですから」


 どうだとばかりに胸を張り、ツッコミの魔法攻撃さえ覚悟する小悪魔。
 だが返ってきたのは予想外のものだった。


「だいたい合ってるわね」
「……合ってるんですか」


 静かな、そして簡潔なパチュリーの言葉に、小悪魔は肩を落とす。
 疲れた目で霖之助を見ると、彼は首を振っていた。


「人聞きの悪いことを言わないでくれ。
 言葉が足りてないじゃないか」
「合ってることは否定しないんですね……」
「……もっとじっくり考察、実験してからでもいいじゃないかと僕は言ってるんだ。
 だいたい、元に戻る方法だって曖昧なままだろうに」
「あら、ひとつは確定しているわ。だからそれは、リスクに入らない。
 あとは実際にやって確かめればいいだけよ」
「そもそもその方法が問題だと……」


 魔法は考察であり、魔法は実践である。
 よくふたりが議論していることだ。

 どちらかと言えば考察を重視する霖之助と、実践を重視するパチュリー。
 ふたりの意見はぶつかることが多い。

 ……だがそれだけでは、ここまでこじれることもないだろう。


「ちなみにお聞きしますが、元に戻る方法って何なんですか?」
「あら、簡単よ」


 それに答えたのは、パタンと読んでいた本を閉じたパチュリーだった。

 ちょうど読み終わったのだろう。
 次の本へと手を伸ばしながら、続ける。


「私が小さくなる前、つまり今の姿の属性情報を入れたポーションを作っておくから、
 それを霖之助が飲んで、私の中に届けてくれればいいだけど」
「届ける……?」
「そう。粘膜接触がベストね」
「ああ、つまりおふたりがいつもヤっていることですね」


 ポンと手を合わせ、微笑む小悪魔。
 そこでふと、首を傾げる。


「……あれ?
 でもその時は小さい姿なんですよね、多分」
「だから反対してるんだ」


 苦い表情を浮かべる霖之助に、小悪魔はニヤニヤと笑みを浮かべた。


「いいじゃないですか、ロリなお母様の身体も楽しめて一石二鳥ですよ。
 それとも、やっぱりおっぱいが大きくないとダメですか?」
「確かにそれも重要な問題だがね」
「重要なんだ……」


 ストレートな返答に、調子を崩す小悪魔。
 喧嘩してるせいで余裕がないのだろうか。
 少し意外だった。


「問題はそのあとだよ。
 少女……いや、子供になったパチュリー相手にそう言う行為が出来るかが問題だ。
 それに仮に出来たとしても、そう言う相手に行為をしてしまった僕を変な目で見るに決まっているだろう」
「えっ、誰がそんな事を」
「……君以外に誰がいるんだね」
「んまあ……否定は出来ませんけど」


 笑いを堪える小悪魔に、霖之助はため息を吐いた。


「ちなみに、お母様はどれくらいになる予定なんですか?」
「そうね……。
 今の私が若返りの魔法を使うと、多分チルノくらいの見た目年齢になるかしら」
「……確かにそれはマズいかもしれませんね」
「ようやく理由がわかってくれたようだね」


 チルノくらいの見た目年齢になったパチュリーと、霖之助が交わっている姿を想像してみた。
 いろいろな意味で危険かもしれない。


「……あれ? つまりおふたりが喧嘩してた原因って、
 若返りの魔法を使うか否かというより戻り方なんですね」
「ああ、使うことに反対はしていないよ」
「そのために、最近ずっと研究していたのだし」
「はぁ……つまり、どうとでもなることだったんですね……」
「どうでもよくはない」
「そうよ、大事な事よ」
「はいはい、そりゃプレイの一環ですからね」


 言い返すふたりに、小悪魔は大きく肩を落とした。
 何事かと思ったのに、結局じゃれ合っていただけらしい。

 夫婦喧嘩は犬も食わない。

 今ならその理由も、よくわかる気がする。


「そんなおふたりに朗報があります」


 小悪魔はヤケクソ気味に声を張り上げた。


「その若返り魔法、私に使えば完璧じゃないですか!」


 胸を張って、宣言する。
 しかしふたりは顔を見合わせ……揃ってため息を吐いた。


「すまなかったね、パチュリー。
 どんな姿であろうと、君であることには変わりないのに」
「私の方こそ、ごめんなさい。
 考察実験をおろそかにすべきではなかったわね」
「ちょっと、なんで仲直りしてるんですか!」
「なんでって……なぁ」
「……ねぇ」


 喧嘩直後だというのにもう通じ合っている様子の霖之助とパチュリーに、小悪魔は地団駄を踏んだ。


「そこは私の貴い犠牲に感謝してチャレンジしてみるところでしょう!?」
「自分で尊いと言うかね」
「そしたら合意の上でお父様とネチョネチョな時間が待ってるのに」
「安心していいわ。そんなものはないから」


 一刀両断、と言うやつである。
 ……しかし小悪魔は挫けず、言葉を探す。


「……もしくは何故か魔法が失敗して乳幼児くらいになるのもいいですね。
 暴走したりして」
「君はわざとやりそうで怖いんだよ」
「そんなまさか」
「そもそも、あなたに小さい頃ってあるのかしら」


 疑問を浮かべるパチュリーをよそに、小悪魔は楽しそうな笑みを浮かべた。


「えーだって心弾みません?
 お父様の手でお父様好みのオンナに育てられるワ・タ・シ♪
 おしめを替えて貰ったり、シモの世話をして貰ったり。
 あ、お母様のっぱいにしゃぶりついてもいいですね。
 お父様がしてるみたいに」
「……パチュリー、そろそろ」
「そうね」


 なにやら合図を送るふたりに、しかし小悪魔は気付かない。


「そして幼い身体を元に戻すため、お父様の剛直を受け入れられるようだんだんと開発されていくのですね!
 これが本当の赤ちゃんプレ」


 最後まで言うことは叶わず。
 パチュリーの放った魔法弾が、小悪魔の額に命中した。


「やれやれ……」
「……しばらく考察も静かに出来そうにないわね」
「そうかもしれないな」


 ようやく静寂を取り戻した図書館で、ふたりは笑いあう。
 どうせすぐに復活するだろう。


「じゃ、じゃあ手始めに」


 ならば、その前に今後の予定を決めておくべきだ。

 パチュリーは椅子から立ち上がると、霖之助の手を取った。
 そしてそのまま、誘うようにして引っ張る。

 そのか弱い力に導かれるよう、霖之助も彼女を追った。


「私の中に魔力を運ぶ……練習をしましょうか」

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No title

お疲れ様です!パチュ霖の波に誘われて登場しましたw
夫婦喧嘩は犬も食わぬとはこのことw
自分としてはパチュリーは控えめな胸ぐらいが好みなんですがw
まさかの霖之助の巨乳好き発言wそしてロリではないと・・・霊夢と魔理沙が怒りそうですね~ww
小悪魔はいつもどおり変態道を闊歩してましたしw
最後の局所的な糖度がよかったです。
今後も期待しています。頑張って下さいw

アレー?
ヅヅキガミレナイナー。

こぁと霖之助とのネチョは見てみたいな~(チラ

ロリパチェを襲うのが絵的に危ないと
それなら霖之助を若返らせてお姉さんが襲う構図にすれば問題ないと(ry

No title

中がダメならフェ〇とかア〇ルがあるじゃn(サテライトヒマワリ)しかしこの小悪魔、エロエロである。明るいエロっ娘って、どうしてこんなに萌えるのでしょう…。教えて道草さん!

No title

スンゲー続きが気になる~!

次もお願いします道草さん

No title

誰に見せるわけでもないですし、そんなモラルに囚われてはいけませんよお二人さん(笑)。
それに霖之助さんが幼くなってショタプレイなんてのも(略)。

No title

ここのパチュ霖は最高!

No title

続きがきてた!よっしゃ!

ふぅ…

No title

どうせなら3年目の浮気で修(ピチューン
冗談はさておきまた仲直り出来てよかったです。

No title

ロリがダメなら霖之助がショタになればいいじゃない!
と言おうと思ったらとっくに出ていましたね。
しかしこのパチュリー、ノリノリである。
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道草

Author:道草
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フラグを立てる話がメインなのでお気を付けください。
同好の士は大ウェルカムだよね。
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