八坂大蛇 第04話
これにて八坂大蛇は終了、という18禁。
続きを書くと際限なく相手が増えてしまうので……。
外の道具があるかと期待し、守矢神社で行われる宴会に行くことに。
妖怪の山を登っていく。もし続けたら体力も付くだろう。
霖之助 神奈子 諏訪子 早苗
追記:コメントレス
巷ではハーレム系は反応に困る場合が多いので、
スレッドにアップした際4話までで自重したのだけど。
よく考えたら自分の場所なのでその辺はいいわけですな。
じゃあ早苗ルートは機会があったらと言うことで。
ただし僕がネチョ書くと薄くなるので脳内補完でお願いします……w
八百万の神の住むという薄暗い森を抜け、妖怪の山へと入る。
朝早くから出発したものの、悪路をゆっくり徒歩で移動しているため、すでに太陽は空高くに上がっていた。
隣で流れる川が太陽光を反射し、キラキラと輝く。
日差しは強いが山の清涼な空気と水辺にいることもあり、歩き通して火照った身体にちょうどいい清々しさを運んできた。
神棚に祀ってあった神奈子の御札を持ってきたせいか物騒な妖怪に出会うこともなく、実に快適な道中と言える。
山登りもたまにはいいかもしれない、と霖之助は思う。
体力も付くだろうし。
「……ん?」
なにかチラチラと薄ぼんやりした影が見え隠れしていた。
周囲を注意深く観察すると……その理由に思い当たる。
どうやらこのあたりは、常連の少女から何度も聞かされた武勇伝の舞台のようだ。
「何もしないから出てきたらどうだい。気になって仕方がない」
「よくわかったね」
何もない空間から滲み出るようにして、ひとりの少女が姿を現す。
「魔理沙から話を聞いていたからね。名前は確か……」
「にとりだよ。あんたがあの……」
しげしげと霖之助を観察するにとり。
やがて合点がいったのか、大きく頷いた。
「こちらも話を聞いてるよ。変わり者の道具屋だって」
「自分ではそんなに変わってるつもりはないんだがね」
少なくとも、周りにいる人間や妖怪よりは常識的なつもりでいる。
なんせ霖之助は歴史の記録者なのだ。
未来において、霖之助の常識が幻想郷の常識となる日が来てもおかしくはない……かもしれない。
「知ってるかもしれないけど、この先は危ないよ?」
「大丈夫だ、許可はもらってある」
霖之助は懐から御札を取り出した。
そもそも山の烏天狗と知り合いなわけで、これがなくても事情を話せば……いや、そう上手く事が運ぶとは思えない。
やはり備えあれば憂いなし、ということだろう。
「おやま。しかしこの山道を歩いていくなんて……やっぱり変わってるかな」
「そんなに険しいのかい?」
「ううん、ただ珍しいだけ。その気になれば天界にも行けるけど、神社までならそれほどでもないよ」
にとりは首を振り、そして目を輝かす。
「ねね、それよりいろいろ道具を持ってるんでしょ? ちょっと見せてよ」
「こちらとしても河童の道具には興味があるのだが、外せない用事があってね」
いかんせん、先を急ぐ身だ。
予約はしてないため無駄足になる可能性もあるものの、守矢の神社に行くなどなかなか無いチャンスなわけだし。
普段行かないのは理由が無いせいだ。
会いに来た、というだけでたびたび香霖堂を訪れる神もいるが、徒歩の霖之助にはさすがにちょっと難しい。
「そっか、じゃあまた今度ね、絶対だからね」
「ああ」
そう言うと、にとりの姿は再び滲んでいった。
ひとりになり、さらに山を歩く。
滝を通り過ぎ、ようやく神社が見えたときには、すっかり霖之助の身体は熱を帯びていた。
「……山登りは、やはり進んでするものではないな」
息は切れていたが、だからといってだらしなく座り込むわけにも行かず。
呼吸を整えながら、ゆっくりと境内へ登っていく。
なんとか平静を取り戻し、さてどうしたものかと思案していると、
幸いなことにちょうど早苗が何かを持って境内を歩いていた。
「あれ、霖之助さん? どうしたんですか?」
「ああ、宴会に呼ばれてね。少し早すぎたかもしれないが……歩きなものでね。遅れては悪いと思ったんだが」
「そんなこと、気にしなくていいですよ。開始時間なんて決めてませんし」
パタパタと手を振る早苗は、立ち話もなんですから、と霖之助と連れだって歩き出した。
「でも、わざわざ来てくださってありがとうございます。あ、上がってください」
あっさりと神社内へ通された。
別に隠しているわけではないのかもしれない。
となると、そもそも外の世界の道具を使ってない可能性もある。
「ちょうど今、宴会用の料理を作ってるところですよ」
早苗が霖之助を連れて行ったのは普段彼女たちがくつろいでいるらしい居間のようだった。
見た感じごく普通の和室で、テーブルの上に湯飲みとお茶菓子が置いてある。
外の世界の道具があるのを期待していた霖之助は、やや拍子抜けして肩を落とした。
「どうかしましたか?」
「いや……。料理だったね。何か僕にも手伝うことあるかい」
「そんな、悪いですよ」
「うっかりして手土産を忘れてしまってね。このままでは心苦しいんだ。皿洗いでもなんでもいいよ」
本来なら客として訪れた身分で切り出す話でもないが、正式に招かれていない上土産を忘れたのも事実だった。
どちらにしろ今のままではただ時間を潰すしかないのだ。
それなら何かしていたほうが有意義というものだろう。
「じゃあ、せっかくなので……」
台所はこっちです、と早苗に先導されて歩く。
「といっても、うちで皿洗いは必要無いんですけどね」
「それはどういう……」
聞き返しながら台所に入り、霖之助は目を疑った。
まるで陶器のような材質で出来たそれらは、ぴかぴかと輝かんばかりに掃除されている。
触れてみるとシステムキッチンという名前のようだ。用途は料理を作ること。
「じゃあ、これをその中に入れて、赤いボタンを押してください」
「……なんで凍ってるんだ? そんな小さな氷室でもあるのかい? いや、氷室で肉を凍らせることは出来ないな……」
「えっと、冷凍庫で保存してましたので……。そのレンジの中に入れると解凍できます」
なるほど、見ると香霖堂に置いてある電子レンジと同じようなものが置いてあった。
形は少し違うが……なんというか、こちらのほうが高級そうだ。
用途は物を温めるもの。以前調べたときと同じ。
しかし決定的に違うのは、こちらのレンジは動くと言うことだった。
「こうやって使うのか……」
なんせ店にあるのはうんともすんとも言わないのだ。
動いている電子レンジを見て、霖之助は思わず感動していた。
「どうやって動いてるんだい? 何か理由があるはずだが」
「え? さぁ……コンセントをさして、ボタンを押すだけですから」
「コンセント?」
「はい、電気の……神奈子様が地下で発電装置を見つけてきたとか」
「ふむ……動力か」
「それまでは神奈子様がどうにかやって動かしてたんですけど、発電装置があるとやっぱり楽みたいです」
そういえば、神奈子は動力も提供してくれると言っていた。
つまり逆を言えば、動力がなければほとんどのものは動かないと言うことだ。ストーブの燃料のように。
しかし物事の解法がひとつではないように、外の世界の道具に使える動力が他にもあるかもしれない。
それにはまず、知ることが必要だった。
「で、仕組みは?」
「え? え?」
「例えばこの電子レンジだが、電子とはすなわち電気、つまり五行で言う木のことを指していると考える。
木生火、従って電子レンジで物を温めると言うことは五行の思想に他ならず……」
「あ、あの、顔が……近いです……」
真っ赤な顔をした早苗を前に、ようやく我に返る霖之助。
「あの、残念ですが仕組みとかは私……」
「そうそう。あんまり早苗を虐めないでやってよ」
後ろからの声に振り向くと、諏訪子が苦笑いを浮かべながら立っていた。
「まさかあんたがここまで来るとは」
「もう収穫はあったよ。あとは神と同じものを食すれば、僕の立場も上がるかもしれないと考えてね」
「え? 私たちと一緒にごはん食べたかったんですか?」
ずれたところで首を傾げている早苗。
諏訪子と霖之助を見比べ、再び疑問を口にする。
「それにおふたりとも、お知り合いだったんですか?」
「うん、ちょっとね」
あはは、と屈託無く笑う諏訪子に、霖之助は複雑な表情を浮かべた。
「じゃ、早苗は準備続けてよ。私はちょっと話があるからさ」
「話って……?」
「そうですか……わかりました」
早苗はやや残念そうに言うと、ではまた後で、と手を振った。
諏訪子に手を引かれて廊下を歩く。
身長差もあるためとても歩きにくいが、文句を言う暇もなく諏訪子はずんずんと歩みを進め、背中越しに尋ねてくる。
「で、仕組みを知りたいの? それとも動力がほしいの?」
「……いや、どうせ僕が神奈子に勝てばすべて手に入るんだ。急ぐこともあるまい」
さっきはちょっと興奮しすぎただけで。
それに、やはりいきなり全部知るということは出来ない。
それでは知識欲は満たされても、もったいないではないか。
何より風流ではない。
「でも、少しは教えてほしいかもしれない」
「あはは、素直なのはいいことだよ」
諏訪子が立ち止まる。
何か教えてくれるのか、と期待した霖之助はしかし、気づいたときには襟首を彼女に鷲掴みにされていた。
「せっかくだから神奈子に聞きなよ」
「神奈子に?」
「そこの部屋で寝てるから……ねっと」
言うが早いか、諏訪子は霖之助を部屋に放り込む。
「じゃ、ごゆっくり」
「なに?」
扉が閉められた。
諏訪子の顔は、なにやらいやらしい笑いを浮かべていた気がする。
「全く……」
ため息ひとつ。
とはいえこうしていても仕方ないので、横たわる人影に向き直った。
酒瓶を抱いて寝ている神奈子。
どう見てもだらしないのに神々しく見えるのは神格のなせる業か。
でもやっぱりだらしないことには違いないが。
「神奈子」
「う~……」
何度か声をかけてみるが、起きる気配はない。
「仕方ないな……」
揺すって起こすことにする。
触る場所に気をつけながら手を置くと……。
「神奈……うわっ」
「ん~……」
神奈子に触れた瞬間、抱きつかれた。
「うふふ……りんのすけぇ~」
「!?」
一瞬身構える、が、寝言らしい。
一体どんな夢を見ているというのか。
「もっと呑む……」
「ちょ……神……」
どうやら霖之助のことを酒瓶と勘違いしているらしい。
あれよという間に霖之助の顔は神奈子の豊満な胸に押し込まれた。
息が出来ない上にものすごい力で締め付けられ……霖之助の意識は、あっという間に闇に落ちた。
「起きたかい」
「……今、何時だ」
「もう宴会は始まってるよ」
起き上がる。
窓から見える外は暗く、賑やかな声が聞こえてきた。
宴会が始まって、そこそこの時間が経過しているのだろう。
「経緯は諏訪子から聞いた。済まなかったね」
すぐ近くに神奈子の顔。
どうも頭の下が柔らかいと思ったら膝枕されていたらしい。
「主賓がこんなところで油を売っているわけにはいかないだろう。
僕のことはもう大丈夫だから、早く行くといい」
「やれやれ、せっかく介抱してあげたというのにつれないね」
「誰のせいで……」
霖之助は意識を失う前のことを思い出し、少し顔が赤くなる。
「ま、来てくれて嬉しいよ」
それだけ言うと、神奈子はさっさと行ってしまった。
ひとり部屋に残され……いつもの調子を取り戻すのを待って、境内へ。
既に宴もたけなわと言った様子で、参加者たちは思い思いの場所で酒を呑んでいるようだった。
とはいえ盛り上がって騒げれば何でもいいのだろう。
もしくは……タダ酒が呑めれば、か。
「霖之助さん?」
「おや、霊夢。君も招待されたのかい?」
「されてないわよ。どうしたの、こんなところで」
人の神社をこんなところ扱いする霊夢に苦笑を返しながら、霖之助は霊夢から差し出された杯に口を付けた。
「なに、見聞を広めようとね。
僕が宴会に来たら変かい?」
「変ね」
即答だった。
「……たまにはそういう時だってあるのさ」
「やれやれ、ひどい目にあったぜ」
口を尖らせながら霊夢に杯を返すと、疲れた表情で魔理沙がやってきた。
「おお香霖、来てたのか」
霖之助を見つけ、嬉しそうに走り寄ってくる。
「呼びに行ってもいないと思ったら、自分で来てたとはな。言ってくれれば乗せて来たのに」
「ありがたいが、僕にも目的があったからね」
どうやらすれ違ったらしい。
どちらにしろ霖之助はひとりで来る予定だったで同じことだが。
システムキッチンや動いているレンジを見ただけで、今日来た意味があったというものだ。
あとはまあ、神奈子と……。
「香霖?」
「なんだい?」
「……いや……なんか……」
「ところで魔理沙、何があったの?」
「おう、あっちで文がヤケ酒飲んでて……」
あっち、と魔理沙が指さした先にはひときわ大きな人だかりが出来ていた。
「何があったか知らないけどすごい荒れようでさ。しばらく行かない方がいいぜ」
「言われなくてもわざわざ行かないわよ、そんな面倒なとこ」
「そりゃそうだ」
魔理沙は肩をすくめ、どこかから持ってきた一升瓶を霖之助に向かって突き出す。
「というわけで、せっかくだから一緒に呑もうぜ」
「どういうわけかさっぱりだが、ここまで来てわざわざ一緒に呑むこともないだろう」
首を振る霖之助。
普段から一緒に呑んでるわけだし、それでは芸がないというものだ。
「ここまで来て一緒に呑むからいいんじゃないか」
「だそうだ、霊夢。魔理沙に付き合ってやってくれ」
霊夢に任せれば大丈夫だろう。
霖之助はそう判断すると、踵を返した。
「あらら、振られちゃったわね、魔理沙」
「うるさい。……決めた。文にとことん付き合ってくる」
騒がしいふたりを後にし、少し歩く。
そう言えば、今日は少し食事をしようと考えていたことを思い出した。
ただでさえ山道を歩いたせいでお腹が減っているのだ。
あまり食事を必要としないとは言え、体力が減った後はさすがに辛い。
「霖之助さん、楽しまれてますか?」
いつの間にか早苗のところに来ていたらしい。
忙しそうに走り回る彼女に、霖之助は思わず尋ねていた。
「人手はいるかい」
「いえ、皆さん手伝ってくれますので。あ、霖之助さんもどうですか?」
「ありがとう」
差し出されたのはウナギの蒲焼きだった。
濃いめの味付けが実に酒に合う。
「私はあまり呑めませんから……。
それに皆さん好き勝手呑んでますし、やることと言ってもそんなにないんですよ。
おつまみの準備くらいですかね」
早苗が視線を送ると、誰が持ち込んだのか大量のきゅうりが積んであった。
いや、きゅうりと言えば相場が決まっている。考えるまでもない。
「あ、いた」
噂をすれば何とやらだ。
霖之助が顔を上げると、にとりがこちらへ向かって走ってくるところだった。
「もうみんな盛り上がってるよ。霖之助も早く早く」
ぐいぐいと強い力で引っ張るにとり。さすが河童だけあって力が強い。
その気になれば霖之助など担ぎ上げてしまうだろう。
そうなる前に、大人しく従うことにした。
これも宴の醍醐味というやつだろう。
「文と魔理沙が飲み比べやってるんだよ。どちらが勝つか賭けるかい?」
「……いや、僕は薬を準備しておくことにするよ」
「それじゃ、道具を肴に一杯飲もうじゃないか」
どちらにしろ呑む運命にあるらしい。
まあ、誰かがいれば食べ物もあるだろうと思い、霖之助は喧噪の輪へと入っていった。
長く続いた宴会も、ようやく終わりの兆しを見せ始める。
まだ呑んでいる姿があちこちで見受けられるが、そのあたりは放っておくと数日は飲み続けるだろう。
あらかた境内の掃除を済ませ……早苗は心配そうに霖之助を見つめていた。
「あの、大丈夫ですか?」
「……ああ、まあ、なんとか」
結局、河童や天狗に呑まされ、挙げ句の果てに文をなだめながら延々と相手をすることになった。
酔いつぶれた魔理沙は霊夢が運んでいった。
たぶん明日は神社で一日寝てるのだろう。
「もしよろしかったらその……泊まって行かれます?」
早苗は顔を赤らめ、尋ねる。
その言葉に思わずどきりとするが、霖之助はすぐさま首を振った。
「そう言うわけにも行かないだろう。大丈夫、帰れるさ」
「そうですか……」
丁重に辞退し、早苗に見送られながら夜の山を下りる。
人気のない山の空気が、酒気を帯びた身体に染み渡っていく。
まるで山に抱かれているような錯覚を覚え……。
「ひどいじゃないか、挨拶もなしに帰るなんて」
懐に入れていた御札が光ったかと思うと、後ろに神奈子が立っていた。
「今日は宴会に来ただけだからね」
「何言ってるのさ。宴はまだこれからだよ」
どうやら酔っているらしい神奈子に押し倒される霖之助。
衝撃を覚悟したが、地面に着く瞬間蔦で出来たベッドがふたりを包み込んだ。
そしてそのまま、あっという間にお互い一糸纏わぬ姿にされる。
この山は神奈子そのもの。
これくらいの芸当は朝飯前なのだろう。
「お互いずいぶんと酒が回ってることだし、蛇退治にはいいチャンスだと思わないかい?」
「あいにくと退治する予定はないんだが」
軽口を叩きながらも、霖之助の視線は神奈子から外すことが出来ない。
神奈子の本拠地で見る彼女の裸体は、神々しいばかりに輝いて見えた。
「そうは言ってもずいぶんとやる気じゃないか」
言いながら、霖之助の体中をチロチロと舌で嘗め回す。
そして神奈子は霖之助のペニスを掴み、自分の太ももに擦り付けた。
熱を帯びたなめらかな肌の感触と、彼女の秘所から伝ってくる潤滑油の感触で、途端に全身を血液が駆け巡る。
くちゅくちゅとお互いの粘液が混じり合い、そのまま神奈子に導かれて彼女の中へ。
「んふっ……」
「くっ……」
脳天を貫く快楽に、霖之助は思わず身体を仰け反らせる。
こればかりは何度逢瀬を重ねても慣れることも飽きることも無い。
「んっんっ……ふっ……」
身体の上で彼女が動くたび、すぐにでも持って行かれそうになる。
霖之助は一度身体を離すと神奈子の身体を抱え上げ、背後に回る。
「ん、どうしたんだい……?」
「いつもやられっぱなしと言うわけにもいかないからね」
「ふふん、お手並み拝見と行こうじゃないか」
神奈子は尻を霖之助に向け、蔦のベッドに手を突いた。
「そう言っていられるのも今だけだよ」
自らの逸物を神奈子の秘所から尻穴に移動させ、有無を言わさず侵入させる。
「んぅっ、そこは……」
ビクン、と神奈子の身体が跳ねる。
諏訪子の言うとおり、間違いなく弱点のようだ。
「はぅっ……あっ、んっ……」
攻めてるのは尻穴だというのに、神奈子の秘所は大洪水だった。
霖之助は手を胸に回し、突くたびに暴れ回る乳房を鷲掴みにする。
「うん……はっ、ひゃぁ……」
神奈子の耳を甘噛みし、潤んだ瞳に見つめられ……そのままキスをする。
「あっあっ……んんっ……!!」
ひときわ激しく痙攣すると、神奈子はぐったりと身体を横たえた。
しかし未だ霖之助と繋がったままなので、より尻を強調したポーズとなる。
「えっ……私、今……」
神奈子の言葉を無視し、霖之助は抜かないまま行為を再開した。
「ひぅっ、そこは……」
秘所の敏感なところを手で摘みあげると、まるで少女のような声を上げる神奈子。
軟らかな尻肉から伝う振動に、霖之助も終わりを迎えようとしていた。
「もう……出るっ……」
「はぁっ、あんっ、はぅぁ……!」
思い切り神奈子の膣に精を放ち……そこでようやく、彼女の身体を解放した。
「……これでどうだい、神奈子」
霖之助は肩で息をしながら声をかける。
昨日の今日で体力に限界が近い。
だが手応えはあった。
「うん、よかったよ……すごく」
神奈子はむくりと起き上がり、絡みつくように霖之助にすり寄ってきた。
「それで、もっとしてくれるんだろ?」
「も、もっと……?」
「ああ。まだまだこれからだよ……」
目が覚めると、見たことのない天井が見えた。
「…………」
……結局、体中ドロドロになるまで神奈子と交わって……。
あれからどうなったのだろうか。
外が明るいと言うことは、かなりの時間が経過したことになる。
「あ、起きられました?」
エプロンを着けた早苗が、襖から覗いていた。
と言うことはここは神社に相違ない。
男性が寝ている部屋に入るのが躊躇われるのか、早苗は顔だけ覗かせ、その場から声をかける。
「霖之助さんは、山の中で倒れてたんですよ」
「山に……?」
「神奈子様が見つけなかったらどうなっていたことか」
そういうことになったらしい。
間違いなく神奈子の仕業だろう。
「もう、だから泊まっていってくださいって言ったのに……」
「……済まなかった」
心配かけたのは事実なわけだし、ここは素直に謝ることにした。
「何か食べられます?」
「お願いするよ」
正直体力を使いすぎて食事を必要としていた。
……このところ、どうもこればかりのような気がする。
「しかしよく倒れるね、貴方も」
「僕もそう思っていたところだよ。おかげさまで、ね」
諏訪子がいきなり現れるのも、もう慣れたものだ。
「どういたしまして。
いやー、盛り上がってたねー」
皮肉を込めていったつもりだが、諏訪子には通じなかったようだ。
そればかりか、当然のように神奈子との情事を覗いていたらしい。
「だって御札持ってるじゃん」
今明かされる衝撃の新事実だった。
「でも、昨日のはよかったみたいだよ」
ニヤニヤと笑う諏訪子。
その幼い見た目に似つかわしくない老成した笑みだった。
「神奈子はまだ寝てるし……満足そうに」
「それは何よりだ」
これで天下もかなり近くなったことだろう。
そう思ったのも束の間。
「うんうん、ようやく第一段階クリアってところだね」
「……第一?」
諏訪子の言葉に、思考が停止してしまった。
耳を疑う余地もなくはっきりと聞こえたのが口惜しい。
「つかぬ事を聞くが、あとどれくらいで……」
「そうだねー、例えて言うなら、八岐大蛇の首を一本倒したくらい」
「…………」
霖之助は天を仰いだ。
これも天下のための試煉だとでも言うのか。
「もっと別の方法を考えた方がいい気がしてきた」
「今となってはそっちのほうが難しいと思うよ」
何たって神奈子はしつこいからねー、と諏訪子。
「今の状態で逃げたら、まず安らかに死ねることはなくなるね。
それに最近は冥界ともずいぶん行き来しやすくなったらしいし」
「…………」
「ま、神の身体を征するのはそれなりの労力を伴うものだって」
バンバン、と諏訪子は励ますように霖之助の背中を叩く。
「それにさ、もっと簡単な方法があると思うよ」
「なに?」
「神奈子とくっついて、子供に剣を継がせる」
「しかしそれだと……」
霖之助の天下はどこに行くのか。
いや、それはまだいいが、そもそも蛇は草薙を持てないのではないのか。
「蛇神が持つと成敗される、他の者が持つと蛇を成敗したことになる。
じゃあその間のが持てばきっと丸く収まるんだよ」
そういって、諏訪子はニカっと朗らかな笑みを浮かべた。
「それに貴方は、もう神奈子の心を征してるんだから。これ以上欲張ると罰が当たるってもんさ」
つまり神奈子と天下を天秤にかけろということだ。
……意外と悪くないかもしれない。
霖之助は自らの考えに、思わず吹き出してしまった。
「ま、たまには私も相手してね」
「……え?」
「大丈夫、私と神奈子の仲だから」
からからと笑う。
その表情からは年相応の……永い年月を生きた神の感情が見え隠れしていた。
「それじゃ今日も神奈子を起こしてきてね」
ビシッと諏訪子が隣の襖を指さした。
いやーいつも困ってるんだ、と言うことも忘れない。
「知ってると思うけど、神奈子は寝相が悪いから気をつけてね」
「やれやれ」
指さされた襖を開ける。
これからずっと見ることになるのかもしれない、彼女の寝顔。
幸せそうに眠る神奈子に、霖之助はどうやって声をかけようかと考えていた。
「ま、霖之助はもう天下を手にしてるよね」
「何がです?」
「んー、間違いなくかかあ天下だな思っただけだよ」
にっしっし、と笑う諏訪子に、早苗は首を傾げる。
「よくわかりませんけど、お箸取ってもらっていいですか?」
「はいよー。もうこの皿に名前書いちゃおうかな。これから使うことになるだろうし」
とりあえずは第一段階だ。
これから霖之助が守矢家に頻繁に出入りすることになれば、それだけ早苗といる時間も増えるというもの。
蛇の力の象徴たる剣の持ち主を自分の系図に組み込むのも悪くない。
早苗の喜びは神奈子の喜び。そういう事態になったら表だって邪魔はしない、と思う。
つまりそれは、諏訪子が神奈子に勝ったということに……なるはず、たぶん。
諏訪子はひとり分増えた朝食の準備を手伝いながら、そんなことを考えていた。
もちろん霖之助と神奈子のことは祝福しているがそれはそれ、これはこれ。
どう転ぼうが、楽しいことになるのは間違いのだから。
「いっそのことみんなでってのもいいかもねー」
「はい、みんなでごはんは楽しいですよ」
続きを書くと際限なく相手が増えてしまうので……。
外の道具があるかと期待し、守矢神社で行われる宴会に行くことに。
妖怪の山を登っていく。もし続けたら体力も付くだろう。
霖之助 神奈子 諏訪子 早苗
追記:コメントレス
巷ではハーレム系は反応に困る場合が多いので、
スレッドにアップした際4話までで自重したのだけど。
よく考えたら自分の場所なのでその辺はいいわけですな。
じゃあ早苗ルートは機会があったらと言うことで。
ただし僕がネチョ書くと薄くなるので脳内補完でお願いします……w
八百万の神の住むという薄暗い森を抜け、妖怪の山へと入る。
朝早くから出発したものの、悪路をゆっくり徒歩で移動しているため、すでに太陽は空高くに上がっていた。
隣で流れる川が太陽光を反射し、キラキラと輝く。
日差しは強いが山の清涼な空気と水辺にいることもあり、歩き通して火照った身体にちょうどいい清々しさを運んできた。
神棚に祀ってあった神奈子の御札を持ってきたせいか物騒な妖怪に出会うこともなく、実に快適な道中と言える。
山登りもたまにはいいかもしれない、と霖之助は思う。
体力も付くだろうし。
「……ん?」
なにかチラチラと薄ぼんやりした影が見え隠れしていた。
周囲を注意深く観察すると……その理由に思い当たる。
どうやらこのあたりは、常連の少女から何度も聞かされた武勇伝の舞台のようだ。
「何もしないから出てきたらどうだい。気になって仕方がない」
「よくわかったね」
何もない空間から滲み出るようにして、ひとりの少女が姿を現す。
「魔理沙から話を聞いていたからね。名前は確か……」
「にとりだよ。あんたがあの……」
しげしげと霖之助を観察するにとり。
やがて合点がいったのか、大きく頷いた。
「こちらも話を聞いてるよ。変わり者の道具屋だって」
「自分ではそんなに変わってるつもりはないんだがね」
少なくとも、周りにいる人間や妖怪よりは常識的なつもりでいる。
なんせ霖之助は歴史の記録者なのだ。
未来において、霖之助の常識が幻想郷の常識となる日が来てもおかしくはない……かもしれない。
「知ってるかもしれないけど、この先は危ないよ?」
「大丈夫だ、許可はもらってある」
霖之助は懐から御札を取り出した。
そもそも山の烏天狗と知り合いなわけで、これがなくても事情を話せば……いや、そう上手く事が運ぶとは思えない。
やはり備えあれば憂いなし、ということだろう。
「おやま。しかしこの山道を歩いていくなんて……やっぱり変わってるかな」
「そんなに険しいのかい?」
「ううん、ただ珍しいだけ。その気になれば天界にも行けるけど、神社までならそれほどでもないよ」
にとりは首を振り、そして目を輝かす。
「ねね、それよりいろいろ道具を持ってるんでしょ? ちょっと見せてよ」
「こちらとしても河童の道具には興味があるのだが、外せない用事があってね」
いかんせん、先を急ぐ身だ。
予約はしてないため無駄足になる可能性もあるものの、守矢の神社に行くなどなかなか無いチャンスなわけだし。
普段行かないのは理由が無いせいだ。
会いに来た、というだけでたびたび香霖堂を訪れる神もいるが、徒歩の霖之助にはさすがにちょっと難しい。
「そっか、じゃあまた今度ね、絶対だからね」
「ああ」
そう言うと、にとりの姿は再び滲んでいった。
ひとりになり、さらに山を歩く。
滝を通り過ぎ、ようやく神社が見えたときには、すっかり霖之助の身体は熱を帯びていた。
「……山登りは、やはり進んでするものではないな」
息は切れていたが、だからといってだらしなく座り込むわけにも行かず。
呼吸を整えながら、ゆっくりと境内へ登っていく。
なんとか平静を取り戻し、さてどうしたものかと思案していると、
幸いなことにちょうど早苗が何かを持って境内を歩いていた。
「あれ、霖之助さん? どうしたんですか?」
「ああ、宴会に呼ばれてね。少し早すぎたかもしれないが……歩きなものでね。遅れては悪いと思ったんだが」
「そんなこと、気にしなくていいですよ。開始時間なんて決めてませんし」
パタパタと手を振る早苗は、立ち話もなんですから、と霖之助と連れだって歩き出した。
「でも、わざわざ来てくださってありがとうございます。あ、上がってください」
あっさりと神社内へ通された。
別に隠しているわけではないのかもしれない。
となると、そもそも外の世界の道具を使ってない可能性もある。
「ちょうど今、宴会用の料理を作ってるところですよ」
早苗が霖之助を連れて行ったのは普段彼女たちがくつろいでいるらしい居間のようだった。
見た感じごく普通の和室で、テーブルの上に湯飲みとお茶菓子が置いてある。
外の世界の道具があるのを期待していた霖之助は、やや拍子抜けして肩を落とした。
「どうかしましたか?」
「いや……。料理だったね。何か僕にも手伝うことあるかい」
「そんな、悪いですよ」
「うっかりして手土産を忘れてしまってね。このままでは心苦しいんだ。皿洗いでもなんでもいいよ」
本来なら客として訪れた身分で切り出す話でもないが、正式に招かれていない上土産を忘れたのも事実だった。
どちらにしろ今のままではただ時間を潰すしかないのだ。
それなら何かしていたほうが有意義というものだろう。
「じゃあ、せっかくなので……」
台所はこっちです、と早苗に先導されて歩く。
「といっても、うちで皿洗いは必要無いんですけどね」
「それはどういう……」
聞き返しながら台所に入り、霖之助は目を疑った。
まるで陶器のような材質で出来たそれらは、ぴかぴかと輝かんばかりに掃除されている。
触れてみるとシステムキッチンという名前のようだ。用途は料理を作ること。
「じゃあ、これをその中に入れて、赤いボタンを押してください」
「……なんで凍ってるんだ? そんな小さな氷室でもあるのかい? いや、氷室で肉を凍らせることは出来ないな……」
「えっと、冷凍庫で保存してましたので……。そのレンジの中に入れると解凍できます」
なるほど、見ると香霖堂に置いてある電子レンジと同じようなものが置いてあった。
形は少し違うが……なんというか、こちらのほうが高級そうだ。
用途は物を温めるもの。以前調べたときと同じ。
しかし決定的に違うのは、こちらのレンジは動くと言うことだった。
「こうやって使うのか……」
なんせ店にあるのはうんともすんとも言わないのだ。
動いている電子レンジを見て、霖之助は思わず感動していた。
「どうやって動いてるんだい? 何か理由があるはずだが」
「え? さぁ……コンセントをさして、ボタンを押すだけですから」
「コンセント?」
「はい、電気の……神奈子様が地下で発電装置を見つけてきたとか」
「ふむ……動力か」
「それまでは神奈子様がどうにかやって動かしてたんですけど、発電装置があるとやっぱり楽みたいです」
そういえば、神奈子は動力も提供してくれると言っていた。
つまり逆を言えば、動力がなければほとんどのものは動かないと言うことだ。ストーブの燃料のように。
しかし物事の解法がひとつではないように、外の世界の道具に使える動力が他にもあるかもしれない。
それにはまず、知ることが必要だった。
「で、仕組みは?」
「え? え?」
「例えばこの電子レンジだが、電子とはすなわち電気、つまり五行で言う木のことを指していると考える。
木生火、従って電子レンジで物を温めると言うことは五行の思想に他ならず……」
「あ、あの、顔が……近いです……」
真っ赤な顔をした早苗を前に、ようやく我に返る霖之助。
「あの、残念ですが仕組みとかは私……」
「そうそう。あんまり早苗を虐めないでやってよ」
後ろからの声に振り向くと、諏訪子が苦笑いを浮かべながら立っていた。
「まさかあんたがここまで来るとは」
「もう収穫はあったよ。あとは神と同じものを食すれば、僕の立場も上がるかもしれないと考えてね」
「え? 私たちと一緒にごはん食べたかったんですか?」
ずれたところで首を傾げている早苗。
諏訪子と霖之助を見比べ、再び疑問を口にする。
「それにおふたりとも、お知り合いだったんですか?」
「うん、ちょっとね」
あはは、と屈託無く笑う諏訪子に、霖之助は複雑な表情を浮かべた。
「じゃ、早苗は準備続けてよ。私はちょっと話があるからさ」
「話って……?」
「そうですか……わかりました」
早苗はやや残念そうに言うと、ではまた後で、と手を振った。
諏訪子に手を引かれて廊下を歩く。
身長差もあるためとても歩きにくいが、文句を言う暇もなく諏訪子はずんずんと歩みを進め、背中越しに尋ねてくる。
「で、仕組みを知りたいの? それとも動力がほしいの?」
「……いや、どうせ僕が神奈子に勝てばすべて手に入るんだ。急ぐこともあるまい」
さっきはちょっと興奮しすぎただけで。
それに、やはりいきなり全部知るということは出来ない。
それでは知識欲は満たされても、もったいないではないか。
何より風流ではない。
「でも、少しは教えてほしいかもしれない」
「あはは、素直なのはいいことだよ」
諏訪子が立ち止まる。
何か教えてくれるのか、と期待した霖之助はしかし、気づいたときには襟首を彼女に鷲掴みにされていた。
「せっかくだから神奈子に聞きなよ」
「神奈子に?」
「そこの部屋で寝てるから……ねっと」
言うが早いか、諏訪子は霖之助を部屋に放り込む。
「じゃ、ごゆっくり」
「なに?」
扉が閉められた。
諏訪子の顔は、なにやらいやらしい笑いを浮かべていた気がする。
「全く……」
ため息ひとつ。
とはいえこうしていても仕方ないので、横たわる人影に向き直った。
酒瓶を抱いて寝ている神奈子。
どう見てもだらしないのに神々しく見えるのは神格のなせる業か。
でもやっぱりだらしないことには違いないが。
「神奈子」
「う~……」
何度か声をかけてみるが、起きる気配はない。
「仕方ないな……」
揺すって起こすことにする。
触る場所に気をつけながら手を置くと……。
「神奈……うわっ」
「ん~……」
神奈子に触れた瞬間、抱きつかれた。
「うふふ……りんのすけぇ~」
「!?」
一瞬身構える、が、寝言らしい。
一体どんな夢を見ているというのか。
「もっと呑む……」
「ちょ……神……」
どうやら霖之助のことを酒瓶と勘違いしているらしい。
あれよという間に霖之助の顔は神奈子の豊満な胸に押し込まれた。
息が出来ない上にものすごい力で締め付けられ……霖之助の意識は、あっという間に闇に落ちた。
「起きたかい」
「……今、何時だ」
「もう宴会は始まってるよ」
起き上がる。
窓から見える外は暗く、賑やかな声が聞こえてきた。
宴会が始まって、そこそこの時間が経過しているのだろう。
「経緯は諏訪子から聞いた。済まなかったね」
すぐ近くに神奈子の顔。
どうも頭の下が柔らかいと思ったら膝枕されていたらしい。
「主賓がこんなところで油を売っているわけにはいかないだろう。
僕のことはもう大丈夫だから、早く行くといい」
「やれやれ、せっかく介抱してあげたというのにつれないね」
「誰のせいで……」
霖之助は意識を失う前のことを思い出し、少し顔が赤くなる。
「ま、来てくれて嬉しいよ」
それだけ言うと、神奈子はさっさと行ってしまった。
ひとり部屋に残され……いつもの調子を取り戻すのを待って、境内へ。
既に宴もたけなわと言った様子で、参加者たちは思い思いの場所で酒を呑んでいるようだった。
とはいえ盛り上がって騒げれば何でもいいのだろう。
もしくは……タダ酒が呑めれば、か。
「霖之助さん?」
「おや、霊夢。君も招待されたのかい?」
「されてないわよ。どうしたの、こんなところで」
人の神社をこんなところ扱いする霊夢に苦笑を返しながら、霖之助は霊夢から差し出された杯に口を付けた。
「なに、見聞を広めようとね。
僕が宴会に来たら変かい?」
「変ね」
即答だった。
「……たまにはそういう時だってあるのさ」
「やれやれ、ひどい目にあったぜ」
口を尖らせながら霊夢に杯を返すと、疲れた表情で魔理沙がやってきた。
「おお香霖、来てたのか」
霖之助を見つけ、嬉しそうに走り寄ってくる。
「呼びに行ってもいないと思ったら、自分で来てたとはな。言ってくれれば乗せて来たのに」
「ありがたいが、僕にも目的があったからね」
どうやらすれ違ったらしい。
どちらにしろ霖之助はひとりで来る予定だったで同じことだが。
システムキッチンや動いているレンジを見ただけで、今日来た意味があったというものだ。
あとはまあ、神奈子と……。
「香霖?」
「なんだい?」
「……いや……なんか……」
「ところで魔理沙、何があったの?」
「おう、あっちで文がヤケ酒飲んでて……」
あっち、と魔理沙が指さした先にはひときわ大きな人だかりが出来ていた。
「何があったか知らないけどすごい荒れようでさ。しばらく行かない方がいいぜ」
「言われなくてもわざわざ行かないわよ、そんな面倒なとこ」
「そりゃそうだ」
魔理沙は肩をすくめ、どこかから持ってきた一升瓶を霖之助に向かって突き出す。
「というわけで、せっかくだから一緒に呑もうぜ」
「どういうわけかさっぱりだが、ここまで来てわざわざ一緒に呑むこともないだろう」
首を振る霖之助。
普段から一緒に呑んでるわけだし、それでは芸がないというものだ。
「ここまで来て一緒に呑むからいいんじゃないか」
「だそうだ、霊夢。魔理沙に付き合ってやってくれ」
霊夢に任せれば大丈夫だろう。
霖之助はそう判断すると、踵を返した。
「あらら、振られちゃったわね、魔理沙」
「うるさい。……決めた。文にとことん付き合ってくる」
騒がしいふたりを後にし、少し歩く。
そう言えば、今日は少し食事をしようと考えていたことを思い出した。
ただでさえ山道を歩いたせいでお腹が減っているのだ。
あまり食事を必要としないとは言え、体力が減った後はさすがに辛い。
「霖之助さん、楽しまれてますか?」
いつの間にか早苗のところに来ていたらしい。
忙しそうに走り回る彼女に、霖之助は思わず尋ねていた。
「人手はいるかい」
「いえ、皆さん手伝ってくれますので。あ、霖之助さんもどうですか?」
「ありがとう」
差し出されたのはウナギの蒲焼きだった。
濃いめの味付けが実に酒に合う。
「私はあまり呑めませんから……。
それに皆さん好き勝手呑んでますし、やることと言ってもそんなにないんですよ。
おつまみの準備くらいですかね」
早苗が視線を送ると、誰が持ち込んだのか大量のきゅうりが積んであった。
いや、きゅうりと言えば相場が決まっている。考えるまでもない。
「あ、いた」
噂をすれば何とやらだ。
霖之助が顔を上げると、にとりがこちらへ向かって走ってくるところだった。
「もうみんな盛り上がってるよ。霖之助も早く早く」
ぐいぐいと強い力で引っ張るにとり。さすが河童だけあって力が強い。
その気になれば霖之助など担ぎ上げてしまうだろう。
そうなる前に、大人しく従うことにした。
これも宴の醍醐味というやつだろう。
「文と魔理沙が飲み比べやってるんだよ。どちらが勝つか賭けるかい?」
「……いや、僕は薬を準備しておくことにするよ」
「それじゃ、道具を肴に一杯飲もうじゃないか」
どちらにしろ呑む運命にあるらしい。
まあ、誰かがいれば食べ物もあるだろうと思い、霖之助は喧噪の輪へと入っていった。
長く続いた宴会も、ようやく終わりの兆しを見せ始める。
まだ呑んでいる姿があちこちで見受けられるが、そのあたりは放っておくと数日は飲み続けるだろう。
あらかた境内の掃除を済ませ……早苗は心配そうに霖之助を見つめていた。
「あの、大丈夫ですか?」
「……ああ、まあ、なんとか」
結局、河童や天狗に呑まされ、挙げ句の果てに文をなだめながら延々と相手をすることになった。
酔いつぶれた魔理沙は霊夢が運んでいった。
たぶん明日は神社で一日寝てるのだろう。
「もしよろしかったらその……泊まって行かれます?」
早苗は顔を赤らめ、尋ねる。
その言葉に思わずどきりとするが、霖之助はすぐさま首を振った。
「そう言うわけにも行かないだろう。大丈夫、帰れるさ」
「そうですか……」
丁重に辞退し、早苗に見送られながら夜の山を下りる。
人気のない山の空気が、酒気を帯びた身体に染み渡っていく。
まるで山に抱かれているような錯覚を覚え……。
「ひどいじゃないか、挨拶もなしに帰るなんて」
懐に入れていた御札が光ったかと思うと、後ろに神奈子が立っていた。
「今日は宴会に来ただけだからね」
「何言ってるのさ。宴はまだこれからだよ」
どうやら酔っているらしい神奈子に押し倒される霖之助。
衝撃を覚悟したが、地面に着く瞬間蔦で出来たベッドがふたりを包み込んだ。
そしてそのまま、あっという間にお互い一糸纏わぬ姿にされる。
この山は神奈子そのもの。
これくらいの芸当は朝飯前なのだろう。
「お互いずいぶんと酒が回ってることだし、蛇退治にはいいチャンスだと思わないかい?」
「あいにくと退治する予定はないんだが」
軽口を叩きながらも、霖之助の視線は神奈子から外すことが出来ない。
神奈子の本拠地で見る彼女の裸体は、神々しいばかりに輝いて見えた。
「そうは言ってもずいぶんとやる気じゃないか」
言いながら、霖之助の体中をチロチロと舌で嘗め回す。
そして神奈子は霖之助のペニスを掴み、自分の太ももに擦り付けた。
熱を帯びたなめらかな肌の感触と、彼女の秘所から伝ってくる潤滑油の感触で、途端に全身を血液が駆け巡る。
くちゅくちゅとお互いの粘液が混じり合い、そのまま神奈子に導かれて彼女の中へ。
「んふっ……」
「くっ……」
脳天を貫く快楽に、霖之助は思わず身体を仰け反らせる。
こればかりは何度逢瀬を重ねても慣れることも飽きることも無い。
「んっんっ……ふっ……」
身体の上で彼女が動くたび、すぐにでも持って行かれそうになる。
霖之助は一度身体を離すと神奈子の身体を抱え上げ、背後に回る。
「ん、どうしたんだい……?」
「いつもやられっぱなしと言うわけにもいかないからね」
「ふふん、お手並み拝見と行こうじゃないか」
神奈子は尻を霖之助に向け、蔦のベッドに手を突いた。
「そう言っていられるのも今だけだよ」
自らの逸物を神奈子の秘所から尻穴に移動させ、有無を言わさず侵入させる。
「んぅっ、そこは……」
ビクン、と神奈子の身体が跳ねる。
諏訪子の言うとおり、間違いなく弱点のようだ。
「はぅっ……あっ、んっ……」
攻めてるのは尻穴だというのに、神奈子の秘所は大洪水だった。
霖之助は手を胸に回し、突くたびに暴れ回る乳房を鷲掴みにする。
「うん……はっ、ひゃぁ……」
神奈子の耳を甘噛みし、潤んだ瞳に見つめられ……そのままキスをする。
「あっあっ……んんっ……!!」
ひときわ激しく痙攣すると、神奈子はぐったりと身体を横たえた。
しかし未だ霖之助と繋がったままなので、より尻を強調したポーズとなる。
「えっ……私、今……」
神奈子の言葉を無視し、霖之助は抜かないまま行為を再開した。
「ひぅっ、そこは……」
秘所の敏感なところを手で摘みあげると、まるで少女のような声を上げる神奈子。
軟らかな尻肉から伝う振動に、霖之助も終わりを迎えようとしていた。
「もう……出るっ……」
「はぁっ、あんっ、はぅぁ……!」
思い切り神奈子の膣に精を放ち……そこでようやく、彼女の身体を解放した。
「……これでどうだい、神奈子」
霖之助は肩で息をしながら声をかける。
昨日の今日で体力に限界が近い。
だが手応えはあった。
「うん、よかったよ……すごく」
神奈子はむくりと起き上がり、絡みつくように霖之助にすり寄ってきた。
「それで、もっとしてくれるんだろ?」
「も、もっと……?」
「ああ。まだまだこれからだよ……」
目が覚めると、見たことのない天井が見えた。
「…………」
……結局、体中ドロドロになるまで神奈子と交わって……。
あれからどうなったのだろうか。
外が明るいと言うことは、かなりの時間が経過したことになる。
「あ、起きられました?」
エプロンを着けた早苗が、襖から覗いていた。
と言うことはここは神社に相違ない。
男性が寝ている部屋に入るのが躊躇われるのか、早苗は顔だけ覗かせ、その場から声をかける。
「霖之助さんは、山の中で倒れてたんですよ」
「山に……?」
「神奈子様が見つけなかったらどうなっていたことか」
そういうことになったらしい。
間違いなく神奈子の仕業だろう。
「もう、だから泊まっていってくださいって言ったのに……」
「……済まなかった」
心配かけたのは事実なわけだし、ここは素直に謝ることにした。
「何か食べられます?」
「お願いするよ」
正直体力を使いすぎて食事を必要としていた。
……このところ、どうもこればかりのような気がする。
「しかしよく倒れるね、貴方も」
「僕もそう思っていたところだよ。おかげさまで、ね」
諏訪子がいきなり現れるのも、もう慣れたものだ。
「どういたしまして。
いやー、盛り上がってたねー」
皮肉を込めていったつもりだが、諏訪子には通じなかったようだ。
そればかりか、当然のように神奈子との情事を覗いていたらしい。
「だって御札持ってるじゃん」
今明かされる衝撃の新事実だった。
「でも、昨日のはよかったみたいだよ」
ニヤニヤと笑う諏訪子。
その幼い見た目に似つかわしくない老成した笑みだった。
「神奈子はまだ寝てるし……満足そうに」
「それは何よりだ」
これで天下もかなり近くなったことだろう。
そう思ったのも束の間。
「うんうん、ようやく第一段階クリアってところだね」
「……第一?」
諏訪子の言葉に、思考が停止してしまった。
耳を疑う余地もなくはっきりと聞こえたのが口惜しい。
「つかぬ事を聞くが、あとどれくらいで……」
「そうだねー、例えて言うなら、八岐大蛇の首を一本倒したくらい」
「…………」
霖之助は天を仰いだ。
これも天下のための試煉だとでも言うのか。
「もっと別の方法を考えた方がいい気がしてきた」
「今となってはそっちのほうが難しいと思うよ」
何たって神奈子はしつこいからねー、と諏訪子。
「今の状態で逃げたら、まず安らかに死ねることはなくなるね。
それに最近は冥界ともずいぶん行き来しやすくなったらしいし」
「…………」
「ま、神の身体を征するのはそれなりの労力を伴うものだって」
バンバン、と諏訪子は励ますように霖之助の背中を叩く。
「それにさ、もっと簡単な方法があると思うよ」
「なに?」
「神奈子とくっついて、子供に剣を継がせる」
「しかしそれだと……」
霖之助の天下はどこに行くのか。
いや、それはまだいいが、そもそも蛇は草薙を持てないのではないのか。
「蛇神が持つと成敗される、他の者が持つと蛇を成敗したことになる。
じゃあその間のが持てばきっと丸く収まるんだよ」
そういって、諏訪子はニカっと朗らかな笑みを浮かべた。
「それに貴方は、もう神奈子の心を征してるんだから。これ以上欲張ると罰が当たるってもんさ」
つまり神奈子と天下を天秤にかけろということだ。
……意外と悪くないかもしれない。
霖之助は自らの考えに、思わず吹き出してしまった。
「ま、たまには私も相手してね」
「……え?」
「大丈夫、私と神奈子の仲だから」
からからと笑う。
その表情からは年相応の……永い年月を生きた神の感情が見え隠れしていた。
「それじゃ今日も神奈子を起こしてきてね」
ビシッと諏訪子が隣の襖を指さした。
いやーいつも困ってるんだ、と言うことも忘れない。
「知ってると思うけど、神奈子は寝相が悪いから気をつけてね」
「やれやれ」
指さされた襖を開ける。
これからずっと見ることになるのかもしれない、彼女の寝顔。
幸せそうに眠る神奈子に、霖之助はどうやって声をかけようかと考えていた。
「ま、霖之助はもう天下を手にしてるよね」
「何がです?」
「んー、間違いなくかかあ天下だな思っただけだよ」
にっしっし、と笑う諏訪子に、早苗は首を傾げる。
「よくわかりませんけど、お箸取ってもらっていいですか?」
「はいよー。もうこの皿に名前書いちゃおうかな。これから使うことになるだろうし」
とりあえずは第一段階だ。
これから霖之助が守矢家に頻繁に出入りすることになれば、それだけ早苗といる時間も増えるというもの。
蛇の力の象徴たる剣の持ち主を自分の系図に組み込むのも悪くない。
早苗の喜びは神奈子の喜び。そういう事態になったら表だって邪魔はしない、と思う。
つまりそれは、諏訪子が神奈子に勝ったということに……なるはず、たぶん。
諏訪子はひとり分増えた朝食の準備を手伝いながら、そんなことを考えていた。
もちろん霖之助と神奈子のことは祝福しているがそれはそれ、これはこれ。
どう転ぼうが、楽しいことになるのは間違いのだから。
「いっそのことみんなでってのもいいかもねー」
「はい、みんなでごはんは楽しいですよ」
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こんなSSを待っていた!
素晴らしい神奈霖をありがとう!正直セイヨクヲモテアマス。
けれどもそんな自分はハーレムスキー…だからいっそのこと早苗さんもいれて4Pでセクr(オンバシラ
素晴らしい神奈霖をありがとう!正直セイヨクヲモテアマス。
けれどもそんな自分はハーレムスキー…だからいっそのこと早苗さんもいれて4Pでセクr(オンバシラ
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描写が薄いなんてトンデモナイ!
素晴らしかったです。是非とも続きの執筆をお願いします。
素晴らしかったです。是非とも続きの執筆をお願いします。
No title
初コメ失礼
最後の掛け合いの食い違いがすごく面白い
さて、輸血はまだでしょうか?
最後の掛け合いの食い違いがすごく面白い
さて、輸血はまだでしょうか?